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野党の縄張り法案

 野党の縄張り法案


 野党は批判ばかりだという与党。


 与党の政策は駄目駄目だという野党。


 当然ながらどちらの主張が正しいのか確かめる術がない机上の空論であり、その溝が埋まることが無い。


 それならば、作ればいい。


 無人島で生活圏を新たにつくり、もしくは協力してくる場所で、一定期間(3〜10年)様子をみて、その政策の利点あるいは欠点さを立証する。


 その期間内だけはその区間は、その政策に従う事とする。


 ただし、同時期に試せる政策は1つのみとし、与野党互いの了承をもとにどの政策でいくか協議申請する。


 主張が正しいと判断されるまで政策については、与野党ともに次の選挙に関しては選挙の争点にしてはならない。 


 また、与党の政策に欠点があると立証された場合、与党はその政策の軌道修正、野党の案を速やかに採用するものとする。


 野党議員の担当者は、与党との協力を義務付けし与党同様責任を負うものとする。



「本気ですか?」

「出そうと思ったけれどね、難しいなら諦めてみるよ」


 いつものように、呆れた声が部屋に響き渡る。


 いつもならば、それを心地よく感じるのだけれど、どうにも気がのらない。


 出そうと思ったけれど、気がかわったって構いやしないと思う。


「なんですか、総理は、煽っているんですか?」

「何でそうなるかなぁ」

「諦めている顔というよりも、そんなことも出来ないのかと遠回りに、責めているのかと思ってしまう位に、言い方にトゲを感じましたので」

「そんなつもりは、全くないんだけれど」


 顔の口角が上がっていたのかと、右手で頬を何度か揉みながらも、むしろトゲトゲしい花は、そっちだと失礼なことを考えていた。



「まぁ確かに総理の言う通り、こんな政策、私どころか重鎮たちでさえ、理解出来ませんよ、野党が得するだけに思えますから」

「えっ むしろ此方の得することの方が多いよ」

「何をバカな事を言っているんですか? 後そのお顔はやめてください」


 秘書の態度で、口角がまた上がっていたのだろうか、口元に手をもっていき、上がらないように押し付ける。


「野党の皆さんが、政権を取りたいのは何でだと思う?」

「それはそういうモノだからでしょう」

「あぁうん、8割正解」

「足りない2割は?」

「イヤミだったんだけれど、まぁいいや、政権とるには本来なら政策を訴えって、その政策の優劣で、選挙を戦うんだけれど、この政策では、野党は政権をとらなくても政策の実現の目が出る」

「まぁそうですね」

「じゃあ与党にならなくてもいいと考える連中も出てくる」

「一定数はいるでしょうね、主流じゃないと思いますけれど」

「もちろん、野党は政策が出来る可能性があるのは一つならば、自分達が、票に繋がると確信して力を注ぐだろう、さて自分たちの武器を手放して、選挙をするのはどうなんだろうねぇ」

「確かに一理ぐらいはありますね、それでどうします提出します?」


 秘書に渡した草案の用紙を持っていくようにジェスチャーで指示する。


「まぁ出しておこう、その方がいいでしょ」

「そうですか」


 秘書には言わなかったけれど、多分気づいたのだろう。


 まぁ気づかないわけもない。


 自風党が、野党になった時の一種の保険にだってなる。


 世間の風が野党へと強く吹いた時に出したら、世間はしがみつきたいのかと言い出すだろう。


 余裕のあるときに出しておいた方がいい。


 それがあるなら野党であっても良いじゃないと言う派閥に恩を売ったと思えばいい。


「総理、口角上がっています」



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