プロローグ
理解せず読んでください。
私の中には、僕と俺がいる。これを読んでいるあなたは、何言っているんだそう思ったに違いない。正確に言えば私という人格の形成にあたって僕と俺の正反対の感情がいつも存在しているのだ。多重人格というわけではない、よくドラマやアニメなどで表現される天使と悪魔のささやきのようなものだ。
僕は、純粋な部分の僕の感情だ。彼はとても優しくとても臆病だ、なので普段は私は必死に隠している。俺は、ひねくれた僕の冷たい感情だ。彼の冷たさには、愛があるだから嫌いになれない。この二人の僕と俺によって私はツンデレそう呼ばれている。私の感情は、俺が真っ先にやってきて僕はとんでもなく遅れてやってくる。俺は純粋な僕を傷つけないように、ツンツンして相手のことを知ろうとする。好きになれない相手なら嫌われてもいい、そのほうが相手を傷つけることはないから。そう私の中の俺は言う、彼のこういう考えが私の好きなところなのである。相手を傷つけないために、自分が嫌われるそういう勇気を持っているのだ。そうやって俺が好きになれる相手にのみ僕がやってくる。僕は、恥ずかしがり屋でなかなか思っていることを口に出すことはない。その代わりに精一杯の優しさを注ぐ、できる限りの愛情を与える。だけど、僕の表現は必ず寄り道をする、相手へと真っすぐたどり着くことはない。色んな所に行き過ぎて相手に届かないことが多い、不器用でなかなか伝わらない。でも、深く好きになる。相手を嫌いになるほど好きになる。
そんな、私は恋をしている。多分これが最初で最後の恋だと思う。彼女は、先にやってきた俺を優しい人と言った。私は、俺の優しさに気づけるのは私と僕だけだと思っていた。初めてだった、私のひねくれた所を受け入れてくれる人は。誰にでも優しい、私と違った彼女に惚れた。俺は、彼女といるとたくさん笑う。僕は、彼女を喜ばせたがる。私は、彼女といると落ち着く。きっと彼女は気づいてはいないと思うけれど僕の心に君がいるのだ。この物語は、彼女への思いに対する私と僕と俺の心の葛藤の話である。
思いがたまったら書きます。






