表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

5話 冒険者たちとの出会い

自分の力の危険性に気付いてから数日がたった。1日のサイクルはほぼ同じで、ポーションづくりをながめたり、たまに錬金術のものと思われる勉強をしていたり、そして夜になりアリカが眠るとレベル上げを行った。


「おーい!」


アリカが交流をもつ冒険者がきた。メンバーの構成は男3女2であり、そのうちの女性の1人がアリカに駆け寄り、抱きついてその頭に頬ずりを始めた。


「すりすり~。」


「いきなり抱きつくな、このバカ。」


とリーダーらしき男性が言いながら、その女性をアリカから手こずりながら引き剥がす。


「ア~リ~カ~ちゃぁぁあああん…」


と名残惜しそうにしている。アリカ自身は嫌がっているわけではないのだろう、苦笑している。リーダーの男性の方を向き、


「お久しぶりです。エドワードさん。」


と手を差し出す。どうやらリーダーの男性はエドワードというようだ。エドワードはアリカの手をとり、


「久しぶり、元気そうでよかった。何も問題なかったかい?」


アリカのことをそれなりに気にしている。彼以外の4人も同じような表情をしてアリカを見ている。アリカが、


「はい!大丈夫です!!」


と返すと1人1人安心している。アリカが言ったとおりいい人達だ。それからしばらくアリカが彼らと再会を喜びあい、


「今回の分のポーションです。」


と今日まで作っていた分をもってくると、


「じゃあ、こっちもお礼。」


とさまざまな日用品を持ってきた。その中の衣服類をもって先ほどの女性ともう1人の女性が、


「アリカちゃんに似合いそうな服とかがいっぱいあったんだー!」


とアリカに歩み寄る。アリカもその服などに興味があるみたいだ。今度はエドワードも止めず、小屋を出ていった。するとその場で女性2人がアリカを着替えさせ始めた。慌てて私も外に出る。すると外にいたエドワードたちが注目し、


「君はここのウッドパペットかい?」


と聞いてくる。とりあえず頷くと、


「アリカちゃんもウッドパペットを作れるようになったのか。」


と言う。小屋の中に一緒にいたのに今気付いたので、ウッドパペットの外見はさまざまなものなのかもしれない。


「もう入っていいよ!」


とやや興奮した声が聞こえてくる。私達が小屋の中に入ると、


「じゃじゃーん!!」


とアリカが物陰から出てくる。彼女の髪と瞳にあわせた、青いワンピースに緑のブローチを身に纏って。


男性陣は、あまりの似合い具合に声を出せない。すると、じっと見つめられるのが耐えきれなくなったのか、女性2人の後ろへと隠れてしまった。


「ちょっと!じろじろ見すぎ!」


まさかさっきとは逆に、怒られてしまうとは。エドワードも悪いと思ったのか、


「すまない。」


「ちゃんとアリカちゃんに、言いなさい!」


「ご、ごめんよ。アリカちゃん。」


1度目は女性越しに謝り、その女性に叱られ、アリカの方を覗きこみ目線をあわせて謝ることで、やっと許された。


アリカは私の方へきて、


「似合ってるかな?」


と言う。エドワードの二の舞にならぬようすぐに頷いてみせる。


「このウッドパペット器用だよなぁ。」


エドワードが感心したように言うと、


「あんたが鈍いのよ!」


と頭をはたかれていた。


「でも確かに、応答できるウッドパペットって珍しいですよね?」


あまり話していなかった方の女性が言うが、彼らはそこまでそのことを気にかけずアリカと話している。


「お昼ご飯一緒にたべましょ?」


昼食どきになり、よくしゃべる方の女性がバスケットを手に持ちながら言う。


「一緒にだべようとおもってサンドイッチ用意してきたの。」


誰も異論はなく、全員で小屋の外に出る。まるでピクニックだな。その様子は、本当の兄弟姉妹のようでアリカも楽しんでいる。


昼食を食べ終え、最近の出来事なんかを話して、しばらく過ごしていた。


「それじゃ、そろそろ帰るよ。」


エドワードがそう言うと、アリカは少し寂しそうな顔をするが、すぐに笑顔となり、


「うん、またきてね!」


と見送る。アリカは彼らがくれた服を名残惜しそうに撫でて、気持ちを入れ替え、いつものように夕食の準備を始める。


そして少し騒がしい1日が終わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ