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4話 数学の力の可能性

アリカが夕食を終え、眠りについたのを確認し静かにドアを開けて外に出る。


今日1日彼女の側にいて、新たに2つの魔法を見た。水を出す魔法と風を起こす魔法の2つだ。相変わらず蛇口からでる水や扇風機の風程度のささやかな効果だった。彼女が狩りに行ったときについていければ、もっと強い魔法が見れただろう。


2つの魔法もイメージすると、数式が浮かび上がり問題なく発動できた。2つ目3つ目となると数式の解読も簡単だった。


魔法の準備もできたので、結界の外に出てみようと思う。そのあとは魔獣の様子を見てどうするか決めよう。


結界から一歩出て、森へ一歩入ってみると魔獣の息づかいが聞こえてくるように感じる。しばらく森を進むと魔獣を見つける。むこうは気付いていない。今の私は木のにおいしかしないだろうし気付かないのも当然かもしれない。風の魔法の速さと鋭さを上げたものを魔獣の首もとをめがけて放つ。


ストンッ!コロコロ


とあっさり首が落ちる。そして、


[レベルが上がりました]


と浮かび上がる。そしてステータスとかかれた項目があるのに気付き開いてみると、


名前 なし


種族 ウッドパペット Lv1→6 (Lv up!)


ステータス


 腕力 23


 敏捷 20


 体力 34


 魔力 25→36 (Lv up!)


 器用 31


 幸運 28


スキル 『生活魔法Lv3』


ユニークスキル 『数学』


称号 『数学者』 『人形』 『異世界人』


レベルアップで上がったステータスは、行動にもとづいているようだ。魔法で倒したから魔力が上がったのだろう。1体倒して5つレベルが上がったことから、それなりにここの魔獣は強いのだろう。


ユニークスキルの『数学』とは、数字を思い通りに変えることができるというものだ。正直意味がわからなかったが、称号と合わさって意味があるものだった。


称号の『数学者』とは、あらゆるものを数字で把握できるようになるものだ。魔法を使うときの数式はこれによるものだろう。


この組み合わせのおかげで、少ししか効果のない魔法で戦えている。


生活魔法がレベル3なのはちょくちょく試しているからだろう。


他の称号は、動作の安定性を増すようなものや、この異世界の言葉や文字が分かったり、使えたりするものだ。言語はやはりというか、地球のものとは違っていた。何も困っていなかったので考えるのは後回しにしていた。


今回初めてステータスに気付いたが、心の中で唱えると問題なく出てくる。これからは、細かく確認するとしよう。


スキルがなんとなく分かったところで、試しに近くの木を目を凝らすつもりで見る。すると同じように数式が浮かび上がり、いじってみると大きく太くなったり、枯れたりする。おそらく今いじったのは生命力といったものだろう。細い小さくならなかったことからも、時間そのものを変えれたわけではないと思われる。


試しに視界のすべての情報を見てみると、情報の多さに頭がいたくなるが耐えきって見渡すと数式はなく、それどころか何もなく、いや、そこには数字だけがあった。


たくさんの数字でできた木や土、空でさえも数字で埋まっている。近くの木の数字を乱すと、さらに負荷が頭にかかりさすがに耐えきれず、情報を見るのをやめると、()()()()()()()()


木を構成していた数字を乱した影響で、木が崩れ去ってしまったのだろうか。これはあまりにも危険だから使うのはよっぽどの緊急事態に使うことにしよう。頭への負担もしゃれにならない。


自分の能力の危険性も理解したところで、小屋へと帰る。


そうして安全な範囲で、数式をいじりながら夜が更けていった。

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