七話
「私の名前は春日井飾だ。クラス分けする前の仮のクラスなので、まだ担任と決まったわけではないが、ちょっとの間よろしく。」
なかなか洒落てる名前だ。かっこいい。
「あと、少しでも仲良くなるために学校の豆知識を1つ。この学校は方が他の学校にはない特別な装備が配られる。」
「えっ、なにそれ聞いてない」
周りからもざわざわとした声が漏れる。
「知らなかったのか?理由はこの学校のシステムにあるのだが。」
俺が戸惑っていることなど気にもせずに丁寧な口調になって説明を続ける。どこから出したのか白衣も着込んでいる。先生は魔法使い。
「先程も言った通りこの学校には他の学校には無い、特別な武器?なのかはよくわからないがそれらしきものがある。まぁ、入学した人にしか教えてないので知らなくても無理はないのだが。試験前に、血液検査をされたのを覚えていだか?」
確かにされた。血を抜いた人が下手だったせいで手が血だらけになった。
「あれは表向きには病気の検査、本当の意味はその武器の適正チェックなのだ!」
ビシィッ!と指を指した。俺に向かって。
「人に指を向けちゃいけないってお母さんに習わなかったのか!」
「先生を子供扱いするのはやめろ!」
ノリがなかなかいい先生だ。そういうのは嫌いじゃない、むしろ大好きだ。愛してる。やっぱ今のなし。
「じゃ、説明を続けだ。その適正者は、女性の方多いので、この学校には女生徒の方が多いだ。
この学校では契約の能力のエネルギーを使って自分だけの、他の誰にも使えない、言わば『固有』の開発に取り組んでいだ。
正式名称は『original・transaction・weapon』だ。
殆どの場合『固有』を使うので別に覚えなくていい。
これは契約の力を使うからと言って自分の能力にあっている武器になるとは限らないのだ。
殆どランダムだ。まぁ、契約の能力が強い人はだいたい固有も強いがな。」
一通り説明を終えたらしくこちらに向かい、
「何か質問は無いか?」
と聞いてくる。みんな手は上げない。
これだけ懇切丁寧に説明されて分からないことがあるやつは早々はいない。
俺はさっぱり分からんが。
「じゃあ、質問は無いようだな。あと五分ほどで入学式が始まるので廊下に並んで主席番号順に並べ。入学式が終わったら妖との契約、さっき説明した『固有」を選んでもらうからな。選ぶと言っても全て同じ形、材料なので自分が触った途端に形が変わる。だからどれ選んでも大して変わらないがな。」
廊下に並ばせながら説明を続ける。時間を無駄にしない教師の鑑だ。
俺たちはそのままやたらでかい多目的ホールに案内されて整列、入学式を迎えた。校長が20代後半という尋常じゃない若さだっただけで特に変わったことはなかった。
そのまま多目的ホールから直接契約者の妖選びに向かった。
しばらく担任以外の声を聞いていない気がする。部屋に入ると途端に遙が声を出した。
「あ″〜〜!緊張した!もうこんなことはしばらくごめんだね!」
疲れました、と言わんばかりの声をあげて背伸びをしている。遙らしい。アルルの方を向くと、
「寝てる!」
器用に立ったまま、というか歩きながら寝てる。吸血鬼って寝るのか。
思安がなにか思うところでもあったのか手を上げている。名前わかりにくいな。
「契約ってどうやってやるんですか?見た感じこの部屋にはなにもありませんけど。」
「ああ、それなら」
先生は部屋をぐるりと見回して、
「この部屋の中にもう妖はいる。人と契約してない妖は目に見えないからな。」
とどうだ!と言わんばかりのドヤ顔をしながら教鞭を垂れていた。
「あっそうだか、わかりました」
まさかの逆木ドヤ顔スルー。先生ちょっと涙目だがめんどくさいのでほっとく
「こ、こほん。じゃあみんな個々に立っててくれ。5秒もしたら契約もおわる。」
いかにも気にしてませんよ、というふうにわざとらしい咳払いをしながら話し始めた。そんなことしても涙目は涙目だ。
「ねぇ、偽善。もう契約してるって言わなくていいの?」
周りに聞こえないようにこそっと耳打ちしてくる。正直ドキッとした。
しかしそんなこと言ってる場合ではない。
「先生俺もう契約してるんだけど」
挙手して答えるが先生は大して興味もなさそうだった。
「ああ、うん、そうか。もう契約してるのか。ハハハハハハハハハハハハハハ?まて、今なんて言った?もう契約してる?なにをいっている」
そんなことなかった。興味がないというよりも現実を飲み込めてないらしい。
「ちょっとまて、今上に確認を取る。」
そういうと、腕についている腕時計のボタンを押して話している。さすがハイテクノロジー。
話し合いは終わったのか。こちらに向き直して指示を出してきた。
「今はそこでみてるだけでいい。こんなことは今までに事例がないためまた上と相談してこの先のことを決める。わかったか?」
「はぁ」
やっぱ事例ないのか。オンリーワンこそナンバーワン。異常ともいうが。
先生と話してるうちにみんなが契約し終わったのだろう。部屋にはさっきまでいなかった奴らもいる。
ふつうには人と同じような見た目から、猫みたいな見た目のやつまだいる。
「妖は人と契約しないと殆ど姿が見えない。今目の前に現れたからのがそうだ。」
「じゃあ次は固有を取りに行くぞー。」
そういうと付いて来いと言わんばかりに歩き出した。