四話
「なるほど」
俺は頷いた。
話をまとめると、
『太陽光は大丈夫だけど少し肌荒れしやすくなる』『ニンニクなども大丈夫』『流水も渡れる』など。要するに吸血鬼の力のほとんどは不死身しかうけついでいないとのことだ。
「これで大体全部話したかな?」
アルルはそう聞いてきた。
「最後に質問だ」
俺は結構気になっていたことを聞いた。
「アルルのフルネームはどのぐらい長いんだ?」
「全部言い終わるのに5時間はかかるね」
「お前の親はそれを考えるのに人生の大事な何時間を費やしたんだ…」
「僕の親は吸血鬼だから年月とか関係ない。ちなみに二年かかったらしい」
「名前考えてる間に子供産まれちゃうよ…」
これで気になっていたことは全部聞いた。
悔いは無いと思う。
アルルは後ろを振り返り、またこちらを向いて聞いてきた。
「この国の高校の入学式って今日だよね?行かなくて良いの?」
あ、完全に忘れてた
時計を確認はすると7時ちょうどを指している。確か開始時刻が8時の筈だ。
「なんでもっと早く教えてくれなかったんだ!」
「聞かれなかったから」
そんな子供のようなやり取りをしていても刻一刻と時間は迫る。
「取り敢えず一旦帰るからお前もついてこい!」
全力ダッシュで家路に着いた。