三話
「僕は吸血鬼の妖。そして僕の能力は、不死身だよ。」
何を言っているのかわからない。まだこいつが妖というのも信じていないのに。
「僕は君と取引した、だから君は不死身になったんだ。あ、頭が消えるわけじゃないから気をつけてね」
女はそう言った。
「え?は?ドユコト?」
俺は頭に?を大量に浮かべて聞いた。
「そうかだよね、まだ疑問はたくさんあるよね。だから何か質問していいよ!」
そう言われたら質問しないわけにはいかない
「わかった。まず1つの疑問から。」
「うんうん!なんでも聞いて!」
女は嬉しそうに頷いた。
「お前は女か?」
「殴り殺すよ?」
即答された。怖い。
「嘘嘘!冗談だよ。お前の名前を聞きたかったんだ!」
振り上げた拳を下ろさせながら聞いた。
「僕の名前は…そうだなぁ…フルネームは長いからアルルでいいよ」
拳は降ろそうとせずに笑顔で答えた。
「わかった!わかったから!怖いから!
笑顔で殴られるって思ったより怖い!」
「わかったよ…今回だけは許してあげる。」
アルルは呆れ顔でそう言った。
「ありがとうございます!アルルマジで神!」
「いや神じゃないから。鬼だから」
よく見るととても可愛らしい顔で笑う。
こんな子が妖なんて信じられない。
「じゃぁ、質問を再開しようか」
「わかった、まずは1つ目だ」
「二つ目ね。」
「細かいこと言ってるとハゲるぞ」
そんなところを気にするとは、意外と繊細なのかもしれない。とりあえず質問を続ける。