怪談......ホラー!?
ここは、とある高校。
臨海学校のプログラムに何を入れようかという話し合いをしている。その時、この短編小説の主人公で意地っ張りの優花が、思い切って言った。「夜に肝試しをやるのはどうですか?」
あれよあれよと賛成が上がり、それに決まった。
でも、優花は、実は、暗闇とお化けが大嫌いなのだ。でも、怖さを見せたくなかったので、慌てて言ったのである。優花は、今から背中がぞくぞくしている。こんなことがきっかけで、自分の怖がりなところがバレてしまったら......
そして、いよいよ迎えた臨海学校の日。
肝試しが初日の夜になってしまったので、優花は、行きのバスでも震えが止まらなかった。
そして、肝試しの時間、夜八時半がやってきた。
優花は、一番に行くとクジで決められてしまい、必死で反対意見を出したが、聞いてもらえなかった。優花は、1人で暗い夜道を歩いていた。優花は今にも泣き出しそう。
墓地の所に来ると、なにかが踊っている。
見ると、下半身だけで、しかも片足がなくなっている木の人形が、クルクルと回っている。
木の人形は、優花に気づくと、おそいかかってきた。
優花は、おびえて逃げ出してしまった。
優花は、あわてて自分を落ち着かせる。
(こういうのは、演劇部が考えた仕掛けに決まっている…… 怖くなんてない、きっと……)
墓地に戻ると、切りかぶの上にのこぎりが置かれていた。
これを使って、人形を切り倒すのだと、優花は思った。
気持ちを落ち着かせて、優花は人形に近づいた。
人形の後ろに回って……「今だ!」と優花は人形を切り倒した。
すると、ぱあっとあたりが輝いた。
光のある方向へ進むと、「もうすぐ出口です」の標識が見えた。
優花は、出口に駆け寄った。
肝試しが終わった後のクラスミーティング。
優花は、クラスで話題になった。
ある子が言った。
「優花ちゃんにあんな一面があったなんて、ちょっとほっとしたよね」
優花は、自分がみんなに見られていたと知って、驚いた。
話を聞くと、いつも強がりをしている優花の弱い一面が見たくて、肝試しに賛成したのだと言う。
優花は、すっかり自分が恥ずかしくなってしまった。
優花は、自分をみんなによく知ってもらおうと思った。