きょうだい
ある日、俺の彼女は俺をあるグループに招待した。
〘相談グル!〙
初めはなんだと思った。でも、彼女が誘ったんだ。俺は、そのグループに入った。
そこには、主に病人や、精神的に病んでいる人達がいた。
その人たちは、最初こそ何人もいたが、すぐに消えていった。
残った2人は、後の俺の弟と言える存在だった。
「振られてきたよー」
「えー」
そんな会話をしていた気がする。
それから1時間もしない内に、3人やめた。
その時は、残り5人だ。
「もう死ぬんだよな、俺」
一番下の弟になる人。仮称、Rが言った。
そして少し話して、また1人減った。面倒だとでも思ったのだろうか。やめて。いやだ。と言って消えたのだ。どういう気持ちだったのかは、俺が知ることはないだろう。
そして、俺の1つ下。後の次男となる、仮称Hも、9月にはもう話せるか分からないと言った。
それで、俺は理解した。俺の彼女は、自殺ないしは、死ぬことを止めたいのだろうと。
どんどん話が進んでいく中、俺は彼女に言った。
助けたいなら、俺にも相談しろ。手伝えって言え。
そんな感じだっただろう。
彼女は、手伝ってくれと言った。
話を聞いている限りでは、俺の彼女も、幾らか病気があったようだ。精神的に病んでいるのは知っていたし、謎の過呼吸や心臓の痛み等がある時点で、そうなのではないかと思っていた。
それでも、支えようと、俺は思っていた。
グループでは、Rが外国で病気を治すという話になっていた。
そこで俺も、会話に参加し始めた。
いや、彼女が俺に協力を申し込んだのはこの後だっただろうか。そうなのかもしれない。
その後、彼女の頑張りか、話題は全く別の事になっていた。
俺が、彼女の彼氏だと言う事も言われ、また、Rが彼女の弟になったというので、なら俺は兄だ。と、兄弟になろうと言った。
少し前から付き合いのある、仮称HRKが参加した。
すぐに打ち解けたように思う。また、HRKも、兄弟とした。
それから、1時間くらいだろうか。Rが、ストーカーに襲われた。
たまに連絡をしてきていたが、捕まったらしく、連絡が途絶えた。
次に出てきたのは、別人だった。友達だそうだ。
その友達は、Rを助けに行くといい、また連絡が途絶えた。
その晩、4人は眠れなかった。中には寝たものもいるだろうが、それでも、皆4時間も寝ることは出来なかった。
次の日、連絡があった。助かったのだ。
その友達は、それ以降顔を出すことは無かったが。
その日も、俺達は兄弟として、馬鹿みたいな話。死ぬという話をした。
少しおかしいが、特に書くことは無い。それが、そのグループの常となっていたからだ。
次の日も、同じだった。だが、俺は次の日、少し遠い地にいる彼女に会いに行くことになっていた。結局、少し寝過ごして約束の時間には間に合わなかったが。
その日は、カラオケに水族館、人形などを買ったりと、楽しむことが出来た。
...楽しみすぎたのだ。他のことを、あまり考えていなかった。
その日、俺は帰っていた。帰り道、彼女は家の行事だか何だかで、見知らぬおじさんに殴られると言うのだ。
だが、すぐには戻れない距離。結局、俺は家に帰ってしまった。
その晩、連絡が出来なくなった。
連絡方法を消して、戻せなかったのと、そもそも携帯を使えない状態だったのだろう。
彼女の友達、と言えるであろう人から、連絡がきた。
携帯番号を教えてくれというものだ。それを彼女に教えて、連絡を取れるようにすると。
俺は教えた。兄弟達のも教えてと言われたので、了承を受け、教えた。
俺は、メールも電話もかかってこない事に恐怖した。絶望した。後悔した。なぜ、戻らなかったと。なぜ、何も出来なかったと。
俺は泣いた。ひたすら泣いた。そして、いつの間にか眠りについていた。
朝。メールがあった。彼女のものだ。だが、それは俺が寝たであろう時間の、約1時間後だった。
HRKからも連絡があり、飛び降り自殺を止めてくれとあった。
それも夜だ。遅かった。寝てしまったのだから、連絡は取れなかった。HRKと話して、少しだが、元気が出た気がする。彼女は死んでなどいない。そう、思うことにした。
彼女にメールをした。何通も送った。返信はない。
グループで話をした。RもHも、やはり死んでしまうのだという話だ。Rは、いつか分からない。だが、そう遠い日ではないのだろう。Hは、9月。夏休み楽しめと言われた。らしい。
俺は、一気にこんなに失ってしまうのか。
彼女の事は、死んでないと信じている。だが、2人は確定しているような話だ。
俺は、例え血が繋がっていないとしても、兄弟という存在を、守ることは出来なかったのだ。
最後の日は、今日、7月2日の事である。
俺は、認めない。絶対に、皆で笑って死ぬんだ。寿命でも、病気でもいい。だが、人に殺されるのはダメだ。みんなで、笑って...
皆さんも、後悔はしないでください。
警察を頼っても、必ず動くわけではありません。
医者が、全てを治せる訳ではありません。
何でも解決するヒーローがいる訳では、ありません。
後悔は、しないでください