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あれからニック君達に訓練を付けながら貧民街と村を何往復かしてもらい、移住者すべてが移ってきた
近くの街に行き家を建てる手配や、農家の人に畑の教えを請いに行ったり、店や宿の経営等を教えてもらうために何人か派遣したり、チンピラーズは自警団的な役割をしてもらうために鍛えたり、森に入る事がある人にも体を鍛えてもらった
これからの新しい生活の為、外敵から生活を守る為、男女関係なく鍛えてもらった
ある程度の人達は弱い魔物なら倒せるようになり、森に入る人はもう少し強い敵でも倒せるように、自警団には強い魔物を倒せるようになるのと同時に人を相手に戦う事を想定して鍛えさせた
皆、また貧民街で虐げられた時のようにはなりたくないみたいで頑張って鍛えていた
早い話、村の皆には戦う力を付けるのを強制して、某アニメの戦う船上何とかみたいな村にしたいのさ
そしたら村を乗っ取ろうって輩が出て来ても何とかなるかもしれないじゃん
山賊や魔物に襲われても返り討ちに出来る可能性も上がるじゃん
経済的にも余裕が出来るようにして闇金とかが入る余地のないようにしたいしね
交渉上手が居たらそいつをどっかの大手商会で鍛えてもらうとかもありだよね
あ~特産品を考えないとな
養蜂でもやらせるか?薬草栽培させるのは決定事項だけど、他にも何か欲しいよね
う~む、悩ましい・・・・
な~んてやってたら、数年なんてあっという間に過ぎちゃってさ
隣の街で買い物や色んな依頼をしてるから、隣街が潤ってきて領主さんに感謝されたり、難民?的な人が住みたいって言ってたから許可してたら隣の街と同じくらいの街になっちゃった。テヘ
まぁ私は村長ならぬ町長さんに全て丸投げ出来るようになったから楽させてもらってますよ
丸投げ最高!
しかし、そろそろ街を離れないといけないような気がしてきているわけですね・・・
理由?あのね、街作ったでしょ?この街と隣町が潤っているわけですよね?しかも、この街の住人はある程度戦えるよう訓練されているわけでしょ?その上商人の人達もこの街で商売をしたいと言ってきているわけだ、そうなるともっとこの街大きくなりそうじゃない?そうなるとね、狙われるんですよ・・・・
何が?って街を作った人間がですよ・・・・領主とはいい関係ですよ?でもね、国に狙われているわけで領主に守ってって言って守ってもらえるような相手じゃないじゃないですか
で、貴族にして囲ってしまえなんて強硬手段を使われる前に逃げる!
今はね、領主さんが名前を出さないようにしてくれてたり、周りに探られてもはぐらかしてくれてたりするんだけど、スパイ的な奴らってやっぱりいるじゃん。諜報部って奴?
そいつらが街でうろつきだしてるんだよね。もう領主さんも限界そうだし、バレるの時間の問題でしょ
国から要請が来たら逃げれないから、それが来る前に逃げる!
いや~、それにしても楽しい日々だったわ
岩がゴロゴロしていた場所が、更地になって、川が通って、貯水池作って、怒られて・・・、家が建ち始めて、住民が増えて来て、畑が出来て、店が出来て来て、住民の訓練をして、私が参加しようとしたら怒られて・・・、村長決めて丸投げ決め込もうとしたら村長に泣かれて・・・、住民に読み書き計算を教えて村長の手伝いが出来る人間を育てて、村長の仕事をようやく丸投げして、薬草畑を作ってたらシルビアとクリフに一人でするなって怒られて・・・、それ以来一緒に行動するようになった二人と森を散策してたら胡椒の気を見つけて街に植林してみたり、蜂の巣見つけて回収して養蜂を試してみたり、領主が会いに来たり・・・、他の領主や国が目を付け始めたことを聞いたり・・・、薬作ったり、魔法薬作ったり、それを領主に買ってもらったり、森で狩った魔物の素材をギルドに売りに行ったり、街で老後の資金になりそうな物を買い漁ったり、領主がそろそろ誤魔化しきれないって言って来たり・・・
うん、色々あった!楽しかった!街の特産品を作るのが出来なくて残念だったけど、一応満足したから逃げる!
町長に国から接触がありそうだから逃げるから後は宜しくね!って言ったら泣かれたけど、まぁこれからは旧貧民街の皆で頑張ってくださいよ
餞別に街の運営費でいくらかおいて行くから街の為に住民の為に使ってくれや
それでは!さらばだ~~~~~
とか言いながら三人で走って逃げてやった!
さ~て、また森に籠ろうかな~
今回は出費が多かったけど、その分取り戻したし老後の資金も増やせたから問題は無いね
そう言えば砂金採りは結局しなかったなぁ・・・やってみたかったのに・・・
まぁいいか、取りあえず森まで走るぜ!レッツゴー
僕の名前はニック。ヒビキさんやシルビアさん、クリフさんに助けられたのが出会いで、今は街の自警団兼冒険者をしている
元は貧民街の出身で、いつも侮られながらの冒険者生活だった
ある日、貧民街の仲間がヒビキさんが街を作るから一緒に来ないかと誘ってくれた。この街から出れる、今までのような扱いから解放される、そう思ったら嬉しかった
ヒビキさんに許可をもらえたと思ったら、その代りに依頼を受けるように言われた。この街からヒビキさんの村までの護衛だそうだ、正直難しいんじゃないかと思ったが引き受けた
ヒビキさん、シルビアさん、クリフさんは強かった。何故護衛が必要なのかわからないくらいに強かった
理由を聞いたら住民の護衛だそうだ。確かに全員を移動させるのに三人が毎回往復するのは大変だろう、それなら納得だ。が、僕たちにそんな実力が無いのはヒビキさんも知っているはずなのに。そう思っていた時期が僕にもありました・・・
護衛の仕事中は地獄でした
魔物の討伐は護衛の仕事なので頑張っていました。しかし、休憩にはいるとシルビアさんとクリフさんに扱かれ休憩は無しで旅は進みます。野営も夜番を交代でするのですが、その間も訓練と称し扱かれます
それを、3、4日の道中ずっとやるわけです。村に着いた時にはクタクタのボロボロになっていました
途中でヒビキさんもシルビアさんやクリフさんに止められながらも参加してきた時は何が起こったのか分からないくらい一瞬で全員意識を失っていました。気づいた時にはシルビアさんとクリフさんに説教されているヒビキさんがそこにいました。それ以来ヒビキさんは参加する事がなくなりました。
街への帰りではシルビアさんかクリフさんのどちらかが付いて来てくれるとの事で少し安心したのですが、道中もやはり特訓をするそうで扱かれました
そんな地獄の日々を過ごしながらの数ヵ月ようやく護衛の仕事が終わるころには特訓にも慣れ体力も技術も向上していたので、二人には感謝しています
正直、地獄が終わった時は泣きそうになりました。いや、実際泣いているメンバーもいましたが・・・
それでも、全員が強くなる事が出来たのは容赦なく訓練をしてくれた二人のお陰なんですよね
それからは、村を守る為の自警団を作り魔物を狩ったり、冒険者として隣町まで行き依頼を受けたりしながら過ごしていると、本当に強くなったなって実感する事が多くなりました
そんな事を数年やっていると冒険者ランクも上がって行き指名依頼も受けれるようになったりで充実した毎日でした
そんなある日、ヒビキさんとシルビアさんとクリフさんが走っているのを見つけ追いかけながら声をかけると、「ちょっと面倒事が起きそうだから逃げるわ!後は宜しくね~」と手を振りながら去って行きました
一体どうしたのかと思っていたのですが、数日後、国からの使者がやって来てヒビキさんに用があるから取り次いで欲しいと言っているのを聞きました
あ、だから逃げたのか!と納得です
村長は使者の人に、もうここには居ないと頭を下げ謝っていました。村長ご苦労様です
ヒビキさんは恩人ではありますが、本当に丸投げが上手いですね・・・
街の名前まだ決まってなかったですよね。折角なのでヒビキ村と進言しておきましょう
次来た時の歪んだ顔が楽しみです




