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5.実戦演習始まりました。


朱い炎と紅い血


その中心で幼いあたしは泣き叫んでいる


もっとあたしが強かったら、2人が死ぬ必要なんてなかったのに


いや、いっそあたしが存在しなければ・・・・・・



燃え盛る炎の中を歩いてくる人がいる


あたしを助けに来てくれたんだ


これであたしは助かる











アノママ、ホウッテオイテクレタラヨカッタノニ・・・



∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵







はっと目を覚ました時には、あたしは馬車の中で揺られていた。どうやら、寝てたらしい。

というか汗気持ち悪っっ!!ここがあたししか居ないんなら着替えるんだけど、ちょっと今は無理だな。


「起きたのか。もうすぐ到着だから丁度いい」


声をかけたのは赤髪の隊長。名前は・・・確かルイド・ハーネスだったっけ?まあそれはどうでもいいんだけど、問題は隊長の隣の席で寝ているマーガス・セイルだ。

この間の魔法訓練場の裏での一件から、ことあるごとに危険な悪戯らしきものを仕掛けて来るのだ。

当たるギリギリでナイフが飛んできたこと8回。隊長の指示で起こしに目の前まで歩いていくと、いつの間にか喉元に真剣の刃が突きつけられていたこと4回。唐突に殺気をあてられたこと24回。

どれもこれも、反応しなければギリギリ害はないけど、反応しないのがキツい!さすがに、一週間で朝から夜まで何度も仕掛けられて慣れてはきたが、精神的疲労がハンパない。いつ襲われるか(戦闘的な意味合いで)戦々恐々として、まともな睡眠時間も取れていない。


いつもはこんな敵地のど真ん中、しかも諸悪の根源なマーガス・セイルの真ん前なんかで寝ないんだけど、心労からの眠気が勝ったらしい。

ちらっとマーガス・セイルの方を伺う。あっちも寝てたみたいで助かった。

そんなことを考えている間にガタッと馬車が揺れて止まった。目的地のネドラの森に着いたみたいだ。


隊長は真っ先に馬車を降りていった。


「ここが拠点になる。準備は30分で終わらせるぞ!」

「「「はいっ!!」」」


野営の準備をするらしい。あたしも馬車を降りると、御者をしていたアンナさんも台から降りていた。

あたしの後に続いてマーガス・セイル・・・もうめんどくさいから、セイルでいいや。セイルが降りてきた。拠点設営に参加する・・・ハズもなく、1人で森の中へ入って行った。相変わらず協調性皆無か。


あたし達はといえば、拠点設営なんていう力仕事のオンパレードには参加しなくて良いらしいので、しばらく休憩になった。テント立てたり水源確保したりって、案外大変なんだよね。サボれてよかったー!

あたし達の仕事はいつもとほぼ変わりなく、洗濯やら食事の用意やら。ただ、簡単なもので良いとはいえ、2人で全員分は結構大変そうだ。なんでも、黒騎士団のメイドが走り込みや筋トレをするのは、現地までの強行軍に付いてこれて、少人数でも仕事が出来る人材育成の為とか。

普通にはた迷惑な話だ。しかも、騎士団としてのメンツを保つためにメイドの数は多いから、一般人から見ると、とんでも超人軍団に見えるらしい。

この前なんか、洗濯場で仕事しながら話してた子に黒騎士団担当って言ったら、敬語で話されるようになった。なんなのこの疎外感。


なんか話が逸れたけど、つまりは今暇なんだ。

周りを見ても皆自分の作業に没頭してるし。騎士ってなんでこんな真面目なんだろ?いや欠片も参加せずにふらふらどっか行った不良もいたな。

こっちに注目する視線が無いか注意深く探りながら、セイルが入っていったのと反対側の森へ入った。








∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵








しばらく木々を避けて走ると、森が開けたところがあった。そこに簡単な古代魔法で結界を張る。

古代魔法って難しいから簡単なのしか出来ないけど、これだけはよく使うって何度も練習させられた。確かに気配や音が漏れにくくなって、森に入るときはすごく便利だ。ありがとう先生。


とりあえず結界張ったから、これで心置きなく動ける。腕が落ちないように、黒騎士団メイドに配属されてからも魔法と剣の戦闘訓練は、毎日欠かしてない。でも、3日間の訓練中はちゃんと時間が取れないかもしれないし、暇がある時に動かないと。

目の前の2振りの剣を取って、日課の素振りを始めた。ちょっと経ったら帰らないとなんないから、いつもより気合いを入れて頑張った。



10分くらい全力で動いてから、そろそろかと思って剣を手放した。あんまり遅くなってもいけないし、そろそろ帰ろ。

結界を解いて野営地の方に歩き出すと、ガサッという音が頭上から聞こえた。おそるおそる見上げると………案の定というかなんというか、セイルが木の枝に立っていた。

というか、何でこんな所居るんだよ。結界で音や気配はおろか、匂いまで完全に消してるのに。でも、つまりは今来たばっかで訓練自体は見てないのか?

セイルはあたしの目の前に飛び降りると、こてっと首を傾げた。





ブツ切り感満載ですが、前から時間空いてしまったので出しました。


やっぱり、環境変わると忙しくなりますねー( ̄▽ ̄;;)

1ヶ月経ったので、そろそろ慣れる頃とは思うのですが…

皆様も、お身体を壊さぬようお気をつけ下さいm(_ _)m



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