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プロローグ
小さくのどかな村の広場のベンチに一人の老女が座っている。さらに、その老女の周りを子供たちが囲うように座っていた。
「ねぇ、おばあちゃん今日は何のお話をしてくれるの?」
子供たちの中から一人の女の子が老女に尋ねました。
「そうだねぇ、今日はみんながよく知っているあの『女神の歌』のお話をしてあげようかね」
「あの歌のお話?」
今度は男の子が不思議そうに老女に尋ねました。
「そうだよ。あの歌の元となったある国の女王様と幼なじみの召使いのお話だよ」
老女はそう言いながら子供たちに笑いかけまた。
「昔々デエス国という所にソレイユと言うとても奇麗な女王様がいたんだよ。ソレイユは可哀想なことに早くに両親が亡くなってしまったの。そしてソレイユは若くして女王になったのよ」
老女は目を閉じて何かを思い出すかのように話始めました。