第四話:我妻と階段
理科室は二階にある。
というより、教室以外は二階にある。
たわいのない話をしているうちに、階段まできた。
「理科室って案外遠いな。」
あまり若者らしくない事を言う我妻。
女子三人はフフフと笑った。
階段を見ながら我妻は考えていた。
(そういえば友達が言ってたな。)
それは数日前。
「なぁ知ってるか?階段ってさ、12段しかないんだけど13段あったら死ぬらしいぜ。」
「なんだそれ。なんでそんなんで死ななきゃなんねーんだよ。」
「知るか。でもこれこそ階段の怪談だよな。」
「…それが言いたかっただけか?」
「そう♪」
その時は単なるダジャレだと思った。
でもいざとなると数えてみたくなるものである。
(……話のネタにでも数えてみるか。)
我妻はそう思いながらのぼりはじめた。
(1段、2段……)
そして1段1段しっかりとのぼっていく。
いつもならとばしてのぼるのだが。
(てか階段って本当に12段あるのか?)
など思いながらも数えていく。
(10……11…)
だんだん二階が近づいてきた。
(12……じゅう…さん?)
我妻は13段目で止まってみた。
しかし何も起こらない。
(やっぱり何もないっ―――)
その時後ろにいた三人の目には、我妻が消えたように見えた。
『あれ?我妻くん?』
三人は口を揃えて言った。
だがもちろん我妻は答えない。
いや、答えられないと言った方が正しい。
三人は周りをキョロキョロ見ながら我妻を呼んだ。
「どこ行ったんだろう。」
「もしかして隠れてるんじゃない?」
坂城はコッソリ言った。
二人もその気になり、我妻の考えにのってあげようと思った。
「じゃあ行こうかー!」
わざと大声で言い、その場を後にし理科室へと向かった。




