第三話:二宮像の謎
三人は長いこと二宮像に追いかけられていた。
そして必死で校舎の中に逃げ込んだ。
そして扉を閉めた。
ドンッ ドンッ
二宮像が体当たりをしている。
カギはしていないが、どうやら二宮像は手が使えないらしく、その体を使い開けようとした。
だがいくら木の扉と言えどもそんなにヤワじゃない。
二宮像がてこずってる間に、三人は走ってその場を去った。
「あれ、お前らどした?」
我妻とばったり会った。
「あ、我妻くん!二宮金次郎の像が走ってて!」
「は?なんかの見間違いだろ?」
「見間違い!?」
「だって普通ありえないぜ。」
「…ありえない……か……うん。そうだよね。」
大木は納得した。
本当はそんなに納得していないのだが、確かにありえない事なので無理矢理にでも納得した。
他の二人もそのうち納得した。
「それよりさ、先生知らないか?」
「誰先生?」
「誰でもいいや。職員室入ったら誰もいなくてさ。」
「え?誰もいない?」
「そんな……」
「いや本当に。」
四人は職員室に向かった。
職員室もここと同じ一階にある。
坂城はチラッと外を見てみた。
しかし二宮像はいない。
坂城はホッとして、胸をなでおろした。
ガラガラ
これは木ではない。
都内にもあるような普通の素材だ。
「ホラ、誰もいない。」
我妻の言った通り、そこには誰もいなかった。
「どこ行ったんだろう?」
「会議かな。」
「普通ここでやるんじゃねーか?」
「あ、そういえば今日先生は理科室にいるって言ってなかったっけ?」
彼らのクラスの担任は
「今日は理科室にいる。用事があるならそこにこい。」
と言っていた。
「じゃ行ってみる?」
「そうだな。」
四人は一斉に歩き出した。