第一話:田舎風景
ここは山々に囲まれた小学校。
校門を始め、校舎のほとんどが木でできている。
さらにこの学校はたったの二階建てだ。
それら全てが、ここが田舎である事を物語っている。
今の時刻は四時。
冬なので空が暗くなるのは早い。
すでに空は茜色から、闇にむしばまれるように紫のような黒に染まっている。
そんな田舎にある小学校の中に三人の女の子がおしゃべりをしていた。
彼女たちがいる教室は一階だ。
だが学年は真ん中の四年生だ。
児童があまりいないので、たいていは一学年に一クラスなのだ。
彼女たちの学年も一クラスしかない。
だが、こうゆう所では当たり前の事。
むしろ一学年に五クラスあるという方が異常なのだ。
そんな所で生まれ育った彼女たちは冬だと言うのに服を一枚した着ていない。
それも全て昔から過ごしてきた人たちには普通なのだ。
「でね、我妻くんがー……」
「…えー!すごーい!」
「でも我妻くんならそれくらいはねーー……」
彼女たちは年頃の女の子らしく、男の子の噂話をしている。
それはどこも変わらない学校の様子だ。
それからも話を続けていると、急いで入ってくる者がいた。
「やっべー!忘れ物だー!!怒られるー!!」
彼こそがさっきまで話されていた話の中心人物。
名前は我妻 勇太。
勉強もでき(とは言っても田舎ではだが)スポーツも万能(これは野性児あふれる田舎人たちの中でもそうとうなものだ)と言う、モテる条件を完全に満たした(田舎では)イケメンなのだ。
そんな彼はもちろん男女関係なしで、みんなのあこがれの的。
だから我妻が入ってきた時、女子三人はドキッとした。
「あっれー、泉、大木、坂城まだいたのか?もう帰れば?」
「あ、そうだね。」
「我妻くんも早く帰りなね。」
「また明日〜♪」
彼女たちはそれぞれに我妻とあいさつをして、帰っていった。
時刻は四時三十分を過ぎていた。




