ねこのキモチと わたしのキモチと 想像と現実の隙間と それとも隔たりと
わたしの気持ちの変化に気がついたみたいです、ねこがソワソワしはじめました
「ごめんなさい、いま、とてもよくないことを考えてしまいました」
ねこにそう言っても、ソワソワは止まりません
朝、起きて絶望する
また、一日、生きていかないといけない
生きているとアレのことを考えてしまう
考えないようにすると余計アレが大きくなる
希望が打ち砕かれた
というか
ことさら、希望を強く持ちすぎていた
そういうことなのかな
ショックが大きい
精神的なダメージが大きい
なんか疲れてるな、そんなに忙しかったわけではないんだけど
なんだろう、朝、起きたときの疲労感がひどいな
考えられるのは、精神的なものかな
そういうことになるのかな、やっぱり
新たに気持ちをつくっていければいいんだけど、ちょっと難しい
今週でケリがつく、くらいに思ってたから
そういった思いの果てに、それが崩れてしまったから
あー
あまり思い出したくないことでしたが、ふいに思い出してしまったのでした、そのときは、早まったかなあ、当分、落ち込んじゃうんだろうなあ、と思っていましたが、会社をやめたその日、帰宅して荷物を置き、最初に思ったのは
もうあそこに行かなくていいんだ
というそのことだけでした、思うだけではなくて、小さく口に出していたかもしれません
感情的にならず、えらかった
今日のところは、感情を抑え込むことを目標にしてたから
それができたのは、よかったし、えらかった
けど、ちょっと心配になった
こらえることが続いて
爆発してしまったり
精神的におかしくなってしまったり
そんなことになってしまわないか、と
適度にガス抜きしていかないといけないかな
理不尽だ
しょうがないことだよなあ、とか
まあ無理だよねえ、であるとか
ほどほどでいいんじゃん、だったりとか
そういった気持ちが自然に出てくるようになっていけばいいの?
そんなのすぐには難しい
ちょっとずつやっていく?
特定の人物からいじめを受けていました、それにたえられなくなって、会社をやめました、わたしにいじめをしていたその人物は、おそらくそれをいじめだとは思っていなかったと思います
周囲は、誰も助けてくれませんでした、上司にも相談しましたが、何も変わりませんでした、助けることも、対処することにも、必要性を感じていなかったのかもしれません、彼ら彼女らが、そのとき、実際どう感じていたのか、それを確かめることを、いまとなっては、することもないのですけれど
その会社に籍を置いていたときは、いじめをしてくるその人物のことを、そして、会社のことを、心底、恨んでいました、早くいなくなってほしい、消えてほしい、いっそ会社ごとなくなってくれていい、そう思っていました
運気の下降期に入ってる?
しばらく、というか、半年くらい?
それくらいは続くかな
気持ちがこんな感じなら、無理して仕事に行かなくてもいい?
とにかく、いまは、気持ちをととのえることを考えて
仕事は、仕事のことは、そのあとでもいいでしょ?
本心?
なんとも言えない
いまのところ、ということではあるんだけど
やめる
ということを選択肢に入れていないような感じがあって
そのことについては、それでいいのかなと
成長?
分からない
不本意ながらも、そういった過去のできごとをひとしきり思い出してしまいました、そのあとで思いが湧きました
その人物には、長く生きてほしいです、生き続けてほしいです、長く生きて苦しみ続けてほしいです
最後の最後にイヤなことを聞いてしまった
悪気はなかったんだろうな、なんだけど
仕事終わりで、疲れてて、おなかも空いてて
そういうふうに体が弱ってるときに聞く話じゃなかった
そういったことを、はねのけられたらいいんだけどね
それにしても、そんなに嫌われてんだなあ
まったくなあ、まいったなあ
ほんと、早く死んでほしい
ほんと、早く死んじゃいたい
いいことなんか何もなかった
楽しいことなんか何もなかった
そんな人生だ、そんな人生でした
こんな気持じゃ、やる気にもなれない
ほんと、なんなんだよ、やめちゃえよ、それですべて解決するだろ
嫌いなら、手伝わなくていいから、ちょっかいかけてくんなよ
バカか、死ね、早く死ね、やめてくれなんて望んでない、早く死ね
ダメだダメだ、死ぬな、簡単に死んでもらっちゃ困る
生きろ、生きてくれ、生き続けて、苦しみ続けろ
死ぬな、あっさり死ぬな
死ぬな
苦しめ
ずっと苦しめ
「ごめんなさい、これからは、考えないようにします」
ねこに言いました
「無理ですかねえ、考えちゃいますかねえ」
ねこは、黙って聞いてくれています
「考えてもいいですか?」
ねこは、何もこたえてくれません
「考えないようにした方がいいですか?」
同じように反応がありません
のぞき込んでみると、ねこの顔が、いくらか神妙になっているように見えました、わたしがそういったことを考えてしまうのを、好ましくないと思っているのかもしれません、悲しく思っているのかもしれません
いえ、思ってしまったことを無理やり自分の中に押しとどめようとしてしまうわたしのことを、心配してくれているのかもしれません
精神的なことなの?
平静をよそおってみたけどダメだった
けっこう、あわてたというか、手につかなかった
そんな感じが多かった
なるべく早く立て直さないと
思えば、アレに対して願っていたのは
やめてくれ
ではなかったんだなあ
死ねとか、苦しめとか、それくらいを言っているなら、まだいいよね?
イスを振り上げ、アレの頭に思いきりたたき落とすとこを
もう何度も想像してるの
そのたび、自分の想像にハッとしてしまうの
今日も昨日と同じ、あわててしまった
けど、意識して、軽く、動作をゆっくりにしてみたら
少し、冷静になれた、かもしれない
いつも、そうできればいいけど
ねこは、わたしのそばにいてくれました、何をするということではなかったのですが、ずっと隣にいて、肌をよせていてくれました
思えば、わたしに何かあると、いつでも、そうしてくれていました
ねこをなでながら、こぼれるものがありました
夜、眠って、そのまま、わたしの存在が滅してくれればいいのに
何度もそう願うのに、また、朝が来てしまう
がっかりだ
どん底だ
真っ暗だ
闇だ
果てしない闇だ
この世は真っ暗闇だ
想像が想像のままで終わってよかった
現実のことになってしまわなくてよかった
叶わなくてよかった
実現しなくてよかった
実現させなくてよかった
自分がこらえられなくなってしまわないか
それが心配だった
自信がなかった
こらえられそうになかったから、わたしは、やめた




