宇宙人とキスしてみた
あれ・・・?
なぜだか足がびくびくして動かない。はやく宇宙人と話したいのに。こ、これも興奮なのかもしれない。
気づいたら腰が抜けて勢いよく地に尻がついた。思うように足が動かない。
ネットに引っ掛かり救われた人たちの首から上が次々と吹き飛ばされていく。
全身が震えて、頭も思うように働かない。
周りを見渡す。気づいたら僕以外の人たちの人間らしき姿はもうそにはなく、目の前に宇宙人と思わしき生物が佇んでいる。
「〇△◇×*+?」
言葉か・・・?
だとしてもなんて言っているのか理解できない。聞いたこともない。
宇宙人と思わしき生物が歩き出した。
胸から湧いてくる早い振動がうるさい。
もうここまでなのかもしれない・・・。
今、はっきりと理解した。僕がこの生物に怖気づいていたことに。
刺激だとかいって本当は強がっていただけなのかもしれない。
宇宙人が顔を近づけてきた。
反射的に目をつむったせいで真っ暗で何も見ない。
開きたくない。
僕の人生もここまでか・・・。
こんなことなら知ったふりなんてしないで同級生と、友達と、家族と、もっと楽しんでおけばよかったのかな・・・。
走馬灯すら浮かんでこない。
その時、唇に冷たい物が触れた感触があった。少し気持ちいいかも。
さっきまで考えていたことなんてどうでもいいような、
夢を見ているような気分がする。
口の中にまで何か入ってきた。
なんだろうこれは・・・?
細長いなにか。小指くらいの大きさだ。しかし小指にしてはずいぶんと滑らかな動きをしているな。
ん・・・?
色々とおかしなことに気がづいた気がする。
そう思った時にはもう遅かった。
目を開けると、先ほどの宇宙人と思わしき生物と同じ色のなにかで視界を埋め尽くしている。
今でも口の中に小指くらいの大きさのものが僕の舌と絡み合っている。
自分がされていることがようやく分かった気がした。
そう思うとものすごく嫌悪感がのようなまどろみが内側から溢れ出てくるような感覚。気持ち悪い。頭が思うように回らない。
気持ち悪い。まどろみのような感覚にすべて飲み込まれてしまいそうな。
ん‘ん‘ん‘ん‘ん‘ん‘ん
のどから今出せる精一杯の声をあげた。
頬には一滴の水が永遠につたってくる。
息が、、、、、
同時に視界が真っ暗になった。