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エリアとサウスポー



その後、サニラは俺にスラムの常識とエリア達の事を教えてくれた。

どうやら、エリアのサウスポーは隣国の公爵令嬢と専属護衛だったらしい。


そんな中、紆余曲折あって2人は恋に落ちた。

しかし、エリアには既に婚約者が決まっていたし、そもそも身分が違うということで周りから猛反対を受けた。


それでも諦めきれなかった2人は国外であるこの国に逃亡。しかし、逃亡するまでに持ってきたお金は底を尽き2人はスラムに住むことに。


その後、エリアはお金を稼ぐために娼婦に、サウスポーは剣の腕を買われて護衛のような仕事をしていたらしい。

2人とも天職だったのか、それとも底辺から這い上がる力があったのか。メキメキと力を伸ばしたエリアはスラム1の娼婦になり、サウスポーはこの辺りを取り仕切るリーダーとなった。


それでも2人は互いに愛し合っていた。そして、半年前、2人の間に生命の種が結ばれたのだ。



スラムだと妊娠期間に客が取れなくなるからという理由で堕胎させることがほとんどらしい。

スラムにはお忍びで来ている貴族もいるという話を聞いている。それに、出産は命懸けだ。設備が整った元の世界でも場合によっては母子ともに危険な状況になる可能性がある位なのに、この劣悪な環境なら死亡率は跳ね上がるだろう。


言い方が悪いが、経営側からすれば商品を危険に晒すよりは、子供を殺してしまった方が良いという事か。


そんな中、サウスポーは店長を脅してエリアに産ませることにしたらしい。


「本当にサウスポーの子供か分からないのにね。エリアは妊娠しにくいから、妊娠した子は2人の子として育ててくって決めてたらしいわよ」


自分の子か分からない子供を我が子のように育てていく。それは、かなりの覚悟が必要なはずだ。

それだけサウスポーのエリアへの愛が深いということなのだろうか。


「まぁ、そこまではいいんだけど」

「他に何かあるのか?」

「エリアの体調が良くなくてね。それにプラスして王城からここを立ち退きしろなんて言われたからサウスポーかんかんになっちゃって。俺たちは絶対にどかねぇからな! みたいになっちゃってるのよね」

「なるほど……」



報告書に書いてある内容と少し違うが、どちらにせよ時期が悪かったとしか言いようが無さそうだ。


「エリアは妊娠何ヶ月なんだ?」

「もう少しで臨月? みたいなことを言ってたけど」


そうなると、エリアの子供が産まれてから再度話し合う場を設けた方がサウスポーも話を聞いてくれるかもしれない。どちらにせよ、臨月の妊婦がいるのに立ち退きをさせるのはどうやっても難しいだろう。


それに、サニラの言葉が気になる。

スラムで栄養が不足するのはあるかもしれないが、体調が悪いとなるとそれ以外の原因かもしれない。

臨月とはいえ、妊娠は出産まで何が起きるか分からないところがある。出来るならエリアの体調不良の状況だけでも把握できると良いのだが……。



そんな事を考えていると、奥の部屋から悲鳴が聞こえてきた。


何故だろう。凄く嫌な予感がする。


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