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予想外

「あなた、エリアになんの用なの?」

「どうして、この辺りを仕切ってるボスが彼女に入れ込んでるか、知りたいだけ」


服を整えたサニラは、訝しげに俺の横に座る。


「知らないの?」

「ここに流れ着いたのはつい最近で、あまり詳しい事情を知らないんだ」

「だからって、女を買ってまで聞くこと?」

「そこらにいる人に下手に聞くよりは確実に聞けると思って」

「私が嘘をつくとか思わないの?」

「嘘をつくなら、最初からつくだろ。それに、俺に嘘をついたところで、君にはなんの利益もないと思うけど」

「……」


図星だったのか、押し黙るサニラ。

やはり、リーダーとエリアの間には何かしら因縁があると思って間違いないのだろう。


「言えないなら言えないって言ってくれればいい。あとは別の方法で調べるから」

「脅して聞こうとか思わないの?」

「仮に君から情報を聞けたとして、後々君がなにか面倒事に巻き込まれる方が嫌だ」

「変わってるわね」


そもそも、俺はスラムの人と喧嘩をしたい訳では無い。確かに無法地帯かもしれないが、彼らもれっきとした国民だ。

弱者を踏み台にして成り立つ国なんて、いつかは足元をすくわれて滅びる。それは歴史が繰り返してきている。

王族としてなら、こういう行動はあまりよろしくないのかもしれないが、残念ながら俺の思考は平民寄りだ。

それに俺は遠くない未来、元の世界に戻るかもしれないがセルシアはこの世界で暮らしていかなきゃいけない。


約束もあるし、今まで苦しい思いをしてきた彼女には、せめて明るい未来が見えるようにしてあげたい。


だから、争いを避けられるなら避けたいし、手を取り合えるところがあるならどんな相手でも協力したい。

そのための努力なら惜しまないつもりだ。


サニラは暫く俺の事を眺めていたが、面白そうに口角を上げる。


「私、生まれも育ちもここだから、人の嘘を見抜くのは得意だけど。あんた本気でそう思ってるんだね」

「君に嘘をつくメリットがないように、俺にも嘘をつくメリットはないから」

「けど、知ってどうするの?」

「仲良くなりたい相手の事を知るのは、大事な事だろ?」


当たり前のように答えると、数秒後に素っ頓狂な声を出された。


「あんた、エリアと仲良くなりたいの!?」

「彼女より、リーダーの方だな」

「マジで!?」


そんなに変なことを言ってるつもりはないのだが、彼女から見ると衝撃だったらしい。


「なんかあんた本当に世間知らずだから教えてあげるけど。エリアもそうだけど、サウスポーに近付くのは止めた方がいいわよ」

「なんで?」


サニラは一瞬躊躇ったあと口を開いた。


「あの二人、無自覚依存カップルだし……エリアはサウスポーの子を妊娠してるから」


思わず目を見開く。

それは、予想外だった。


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