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《新世界オンライン》 執事は実は最強職?  作者: どら焼きドラゴン
第1章 執事は主を主は執事を求める
6/30

06 本の力 スキルの力

日刊ランキング47位

( ;∀;) ありがとう

 

 ウィンドウに並ぶ異常な数の魔法書や歴史書に固まってしまった。

 あの本達が、こんな重要そうなアイテム達だったとは思いもしなかった。

 というか、本の題名だけならアイテム一覧で分かるんだな。


 と、とりあえず【細工のススメ】を取り出そう。

 インベントリから選択すると、灰色の皮本が現れた。先程見てきた本の中ではかなり状態がいい方である。


 ペラリペラリと目次を探してみたが、流石に内容は分からなかった。文章が見たこともない文字で書かれており、解読しようにも参考書がないと理解ができない。


「うーん、読めんな。」


「あら? もしかしてあなた【考古学】か【読解】といったスキルがないのかしら?」


 声がしたので本から顔を上げると、あの女が大量の板を魔法だろうか? 空中に浮かべながら持ってきていた。


「そうだ。この本を読もうとしたが、どうにも字が読めなくてな。」


「ふーん、ならこれをあげる。ここを直してくれるお礼の先払いだと思ってくれないかしら。」


 女はこちらに羊皮紙の巻物を渡してきた。


「これは?」


「【読解】のスキルが習得できるスキルスクロールよ。スキルスクロールはダンジョンに潜って運が良ければ見つかるわ。ああ、【読解】のスキルはあまり高く売れないから在庫は沢山あるの。だからあなたは気にする必要はないわ。」


「感謝する。」


 お礼というのならば気に負う必要はない。

 さっそくスキルスクロールを広げ、使いたいと念じる。


 《スキル【読解】を獲得しました》


 よし、無事に【読解】を入手したな。

 さっそく読んでみると、【細工】について沢山書いてあった。


 ◆◆◆


【細工】は基本的なアクセサリーの作りから罠作りまで様々な分野で活躍します。この本では主に木工や金属細工について学んでいきましょう。


 《目次》


 ・ 木工編 基礎 P1

 ・ 木工編 中級 P5

 ・ 木工編 応用 P25


 ・ 金属細工編 基礎 P30

 ・ 金属細工編 中級 P45

 ・ 金属細工編 応用 P50


 ・修理術編 P60

 ・レシピ集 P80


 ◆◆◆


 目次に目を通して、アタリをつけた。

 おそらく【応急修理】のレシピあるとすれば、25ページか60ページだろう。


 パラパラとページをめくり、目的のレシピがないか探す。すると、25ページにはなかったが、60ページからちょっと進んだ所に【応急修理】のレシピが見つかった。


 ◆◆◆


 《応急修理》


 作った作品が壊れた時、緊急な用事があるのにアクセサリーが壊れてしまった時、そんな耐久値や品質を一時的に保持する技術をここで紹介していきます。


 *床や大き彫刻が欠けてしまった時にオススメ!!


【応急修理】に必要なモノ


 《家の床の場合》

 ・細工セット(等級は品質に影響します)

 ・大きな板

 ・小さな板

 ・釘

(修理する大きさによって数を変えてください)


 ◆◆◆



 ふむ、たしか【細工セット】は【執事セット】の中にあったな。



 ◆◆◆


【細工セット】


 執事セットの内容物の1つ。細工を行う時に必要なセット。

 スキル【細工】があると完成品の品質が上がる。

 執事としての箔がつくほど道具達も等級が上がる。



 ◆◆◆


 よし、道具やレシピは揃った。では、修理を始めよう。

 さっそく【細工セット】の中からメジャーを取り出すと、部屋の長さを計っていく。これで板と釘の必要数を割り出すのだ。


 大きな板1枚の大きさが計ったところ150×30×4000ミリ寸法の現代的な木材だったので、部屋の大きさから必要数考えれ後は簡単である。この辺はゲームらしい。


 床板を引き剥がし、床下の基礎を確かめる。

 あちゃー、やっぱり一部腐ってるわ。


 基礎から組み直すか?


 《基礎の修復にはスキル【大工】が必要です》


 駄目だったか。やはり大工に来てもらうしかないようだ。

 仕方ない、石か木で高さを合わせて固定しとこう。


 床下が終われば【応急修理】のレシピの出番である。


 本を読みながら、床に板を敷いて、釘を打っていく。

 途中何度か長さを間違って板が合わなくなったりのトラブルがあったが、数時間でなんとか終わった。

 

 普通では丸一日かかるであろう作業を数時間でやりきれたのは、やはりスキルの力が大きいだろう。なにせ、釘を異常な速度でかつ正確に打ち込めたり、現実であればフラついてしまうであろう床板を軽々と持ち上げれたからな。


「ふう。やっと床の応急修理ができたな。」


【細工セット】と本をしまいながらそう呟く。

 まだまだ掃除は残っているがな。


「よし、残りは壁の掃除と本の整理だな。」


【ボロい掃除セット】を改めて取り出し、壁の掃除に取りかかった。

 壁はあの大量の本のせいで空気の流れが悪かったのだろう。カビがあちこちに繁殖しており、掃除するのにかなりの手間を取られる。


【火の魔法書】があるのでそれを読めば、カビを焼死させられるかもしれないが、いきなり使って家を全焼させかねないのでやめておいた。


 結局、全部の壁にあったカビや汚れを取り除くにはお湯を使って、地道にやるしかなかったのである。


 壁掃除が終われば、インベントリに入れていた家具を取り出し、掃除する。

 一部壊れていたりした家具もあったので【細工セット】を取り出し、修理していった。


 それから、やっと本を戻していく作業に入る。腐ってしまった本や痛みが酷い本はインベントリに残しておいて、後から相談だな。


 表紙の皮を軽くふき、知識本、魔法書、ハウツー本といったジャンルごとに分別し、本棚に直す。魔法関係の書物やスキルスクロールは目に見える場所にあると、盗まれる危険もあるため、情報屋のカウンターの裏に鍵付き棚を設置し、そこに収納していった。


 歴史書や様々な情報が書いてある書物はカウンターの引き出しを整理し、入れておいた。


 そして、最後に彼女がよく使っていた灰皿の煤を落とし、掃除が完了した。



【細工】について


細工スキルは本来、素材を集めてレシピを使用することで簡単にポンッと完成品を作り出すスキルです。

罠や爆発物の生産、簡単な建築できるスキルであり、汎用性に富む代わりに特化した生産スキルよりは劣ります。


(例:【細工】の建築よりも【大工】のスキルで生産した建築物が耐久値、品質が大幅に強化される。)


主人公はそのことに気付かすせっせとリアル基準で細工を行っていました。

リアル基準でやると品質が上がるというボーナスはあります。



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