私は生きていいの?
中途半端と思うかもしれませんが、ここで切らないと長くなるのでここで終わらせることをご了承ください。今日か明日に続きを書きます。
ふと思い出す。
中学校の時に小説の世界に憧れていたことを。
主人公の周りの子が特殊な異能力もち。
そんな世界ならなんて楽しいのだろう。
毎日が退屈なんて思うこともない。
自分をがそんな主人公だったらな、その世界に入り込みたいなと思っていた。
でもまさか、
まさか俺の幼馴染みが異能力持ちだとは。
しかも俺の言動次第で日本人の命がかかってしまう
悪い異能力持ちとは・・・。
考えにふけっていたが彼女が俺を現実へと戻す。
「ねぇ健。服屋さん行こうよ。」
「ええどうぞどうぞ!」
先ほどの地震で幸い死者はいない。だが、1時間の近くで震度6弱だと、もっと怒らせてしまったら震度が6強や7になるということだ。そうなったら死者が大量に出てしまうだろう。なんとか怒らせないようにしないと・・・。
服屋に入る前に花が足を止め、こちらを向く。
「健。やっぱり・・・私怖い?」
「いやいや!全くそんなことないよ!」
「真面目に答えて。本心を言って欲しい。」
「・・・・・・・・・」
何を言っても怒られないのだろうか。
分からないが・・・望むなら俺の本心を言おう。
「ああ。正直怖い。俺の言動1つで命がかかってるからな。」
「そう・・・。」
服屋に背を向け、唇を強く噛み締めている彼女。
不意にその口が開き、
「私が死んだら・・・みんな助かるのかな。
やっぱり死んだ方がいいのかな・・・。」
「まぁ日本人が花の能力を知ったらいなくなればいいのに、とは思うかもしれないな。」
彼女は一瞬目を見開き、すぐ顔を伏せる。
「そうだよね・・・じゃあーーー」
「でも!」
ああ。
その絶望の表情をやめてくれ。
お前には笑っていて欲しいんだ。
「俺はお前に死んで欲しいとは思わない。
いや、思えない。」
頼むよ。笑顔を見せてくれ。
「小さい時から一緒にいて楽しかったんだよ。」
そこで一息いれ、
「だから死ぬなんて言わないでくれ。一緒に笑って過ごそうぜ。」
そう言うと彼女は泣きそうな表情になり、こう言った。
「・・・トイレ。」
「あっ、はい・・・。」
むーこのタイミングでトイレかぁ。もうちょっと空気読んで欲しいけどなぁ。まぁそんなこと言ったら震度6がやってくるんですけどもね。
もう1作品の方もよろしくお願いします。