全ての解明は虚無へと導く 中章①
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明日12時、新しくVRMMOの作品を投稿します。
VRMMOの作品で好きな作品が多いので書いてみたのですが、とても難しいです笑。
初めてで得意でもないジャンルですが、読んでくださるととても嬉しいです。お願いします。
この作品の次話は22日の15時です。
「なあなあ×××。」
「ん?どうしたの?」
「あ、あのさ・・・ハグしていいかな?」
彼女は顔を真っ赤にしたが、
「××君が言うなら・・・い、いいよ?」
といって近づいてくる。
失うのが怖くて。
どこにも行って欲しくなくて。
でも心の底ではわかっていて。
怖いから抱き寄せて。
彼女の熱で俺の恐怖を溶かしていく。
ーねぇ。
急に頭の中で声が出て響く。
誰の声だ。聞き覚えがない。
ーあなたは今日すべてがわかるの。
お前は誰なんだ。なぜそんなことが言える。
聞きたいのに聞かないもどかしさは懐かしい。
ーこれまで起きたことが全てわかるの。でもわかると同時に
全部失うの。
覚悟ができたら目を覚ましなさい・・・。
・・・・・・・・・
見慣れた天井。
今のは夢か・・・。
すごい夢だったな。今回に限っては全てはっきりと覚えている。
全部わかって全部失う。
何を意味するかさっぱりわからない。
いや、
おそらく花の体質についてのこと、もしくは最近の夢のことだろう。
これまでの事に対するヒントか。
何もわからない。
「あれ、何で・・・?」
なぜ俺は泣いているのだろう。
俺の両親は朝方早い。
だから俺が起きる前に朝ご飯を作り置きして出勤する。
今日の朝ごはんは・・・ソーセージとパンとサラダか。
自分の席について、食べながら新聞を見る。
[東京で通り魔] [税金を不正使用]
悪いニュースの見出しばっかりだ。うんざりする。
と、下の方へ視線をスライドしていくと、良さそうなニュースを見つけた。
[病気が解明。17年の時を経て。]
17年間も解明されなかった病気があったんだ。へぇ、どんな病気なんだろう。
ー17年前、謎の病気がで亡くなられたメチル・スペルチアさん。めちゃめちゃさんのおかげで17年の時を経て新種の病気への対策、病気の内容が明らかとなった。
「な・・・・・!」
俺は超早く丁寧に新聞を読み進めたが、[それ]についてはもう書いていなかった。
メチル・スペルチア。
夢の中で、おそらく俺が呼んでいた名前だ。