Intersection その時彼女は③
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「あなたの病気は当院では扱えません。」
「どうしてですか!?娘はこんなに苦しんでいるんですよ?」
「あなたは完治を望んでいらっしゃいますよね?」
「当然ですよ。長生きして欲しいですからね。」
「申し訳ありませんが・・・既存している病気のデータと照らし合わせても一致するものがありませんでした。」
「ということは・・・・・」
「ええ。おそらく新種の病気かと。」
「そんな・・・・・」
「×××ちゃん。君は・・・これからどうしたい?」
はっ。
・・・夢か。
どんな内容だっけ。お医者さんと何か喋ってたような気がするなぁ。
まぁいいや。何か忘れちゃった。
今日は男女でダンス。健とダンスしようかな。
・・・と思ってたのになかなか誘ってくれない。
でもこっちからは誘わないよ?
誘ったら負けだもん!
でも健は私以外の女の子と踊ろうとしてたみたいだからつい怒っちゃったえへへへ。
ま、まぁでも?か、かか可愛いって言ってくれたし・・・誘ってくれたから許すけどね。
やっと3時間目だ。待ち望んでたけどやっぱり恥ずかしい。
「じゃあ花踊ろうか。」
「う、うん。」
手が触れ合う。それだけで嬉しく恥ずかしい。
お互い顔が赤くなっていると思うが、恥ずかしさを隠すために下を向いているのでわからない。これ私だけ赤くなってたらどうしよう。
と、不意に健の手が私の手から離れたので彼を見る。
手をあごの下に置き、何か熱心に考えている様子だ。最近の出来事に関することかな?
どうしたのか聞いてみると、ワンシーンが脳裏に浮かんだらしい。私には浮かばなかった。
前は一緒だったのに今回は健だけ。
健が私の手に届かないところに行きそうで正直怖い。
そう思った時に、また聞こえてきた。例の[声]だ。
ーそんなことないよ。あなたも一緒だよ。
今度は砕けたような言い方だ。
今度は問いに答えてくれるのだろうか。
心の中で問う。
ーあなたは誰?どうしてそんなことが言えるの?
[声]が返ってくる。
ーわたしはあなただからわかるの。あなた達は離れない。それだけは言えるの。安心しなさい。
ーは?どういうことよ?
するとそれからは答えなくなった。
そうやって前も良いところで逃げていく。悪い人だ。
何が言いたかったのか結局全くわからなかった。
わたしはあなた?意味がわからない。
でも[声]は絶対の自信を持っているようだった。なら信じてみるのも悪くない。ていうか自信あるなら喋ってよ。
[声]を信じるなら健とはずっと一緒にいられるらしい。
でも手放しには喜べない。
最近起こる変な出来事を解明して、この忌々(いまいま)しい体質を治そう。
それからだ。それから・・・
告白しよう。