Intersection その時彼女は①
やったぁー今日は健とデートだぁ!
結構久しぶりかな?
どうしよう。化粧していこうかな。でもすっぴんの方が良いような気がする。今日の服はこれにしよう。
健と一緒にいたらドキドキする。今日は抑えられるかな?
遅れないようにミルズへ行っておこう。
・・・遅すぎる。
いくら健のことがす、す、好きでもこれは遅すぎるっ!
もう11時。
すると前から健が走ってきた。
事故に会ってなかったことに正直ホッとするが、心を鬼にして遅刻を責める。
するとその時、足元が揺れた。
地震?
いきなり頭の中で女性の声が響いた。
いや女性か女子か微妙なところだ。
ー驚いてますか。
「ええ。いや、はぁ?」
聞いてもいないのにその[声]は残酷なことを喋り出す。
ー今の地震はあなたが引き起こしたものです。あなたが怒ると、不幸なことが起きてしまうのです。
頭が真っ白になった。
今の地震は私のせい?
そんな・・・。
「あなたは誰?」
ー今は言えません。ではまた。
え、ちょっと・・・。
だか[声]の気配がなくなった。
でも嘘は言ってはいけない。健は何より嘘を嫌うから。
健に真実を言う。
今のは私が起こしたのだと。
やはり健は怖がっていた。
ああ。健に嫌われた。
でもその後も買い物に付き合ってくれた。
なんで?怖くないの?
そう聞くと、一緒にいて楽しいと言ってくれた。嬉しすぎてトイレで泣いた。怖いのを我慢して私と一緒にいてくれる勇気を持つ彼が大好きだ。
昼ごはんの後はさっき行けなかった服屋。
「私ってどんな服が似合うと思う?」
「あんま詳しく知らないけどワンピースとかどう?」
「ああワンピースね。試着してくる。」
どうかな。褒めてくれるかな。
「ねぇ健。どう?似合ってる?」
ふわりと回ってみる。
「ああ。よく似合ってる。可愛いぞ。」
きゃあああああうれしー!顔赤くなってる気がする。
可愛いって言われた!やばいやばい。
と、いきなり健が倒れた。
「健?健!」
死なないでお願い!
顔を近づけて見ると、健の呼吸の音が聞こえてきた。
ふぅ、良かった。
でもどうしよう。とりあえず外に連れていこう。
重かった・・・。死ぬかと思った。
ベンチに健を置き、隣に座る。
・・・寝顔かっこいい。
さっきの健の可愛いという言葉を思い出して、つい頬がゆるむ。
と急に世界が歪み、意識が反転した。