0からの推測
だめだ超疲れた。
2人とも体力がないので、10分間踊り続けて限界になったのでやめた。まだ授業中だが、休憩していると、花が手招きをする。
「なんだ?」
「さっき私の手を離したでしょ。」
あ・・・。
これ、やばくないか?
「あ、す、すまん。俺が悪かったから怒らないでくれ!」
「ちがうちがう。怒ってるわけじゃないよ。怒りそうになったけど健が真面目な顔してたからね。」
手を離しただけで怒りそうになるって短期すぎません?
「何か思い出したの?」
「頭の中に写真・・・ワンシーンだけ出てきたな。」
「どんなシーン?」
「まただよ。ボケてるんだ。肝心の細かいところが全くわからないせいで、どこにいたかわからなかった。」
「そうなんだ・・・私には出てこなかったな。」
がっかりした様子の花。でも次の言葉で驚くんじゃないかな。
「でも1つわかったことがある。」
それは、
「俺はおそらくそのシーンを経験している。」
すると彼女は驚いた表情をし、
「ほんとに!?なんでわかったの?」
「なんでって言われてもなぁ。脳にびびっと来た、としか言いようがない。よく体が覚えてるっていうだろ?あれと同じだ。」
「そうね・・・。」
考え込む俺たち。ふと彼女の口が開く。
「誰がいたの?」
「ああ多分な。そこのあたりだけモザイクが強かったけどな。おれのそばにいた気がする。」
「もしかしたら・・・。」
「なんだ?」
「・・・ある特定の行動をしたときに何か見えるんじゃないかしら。例えば踊ったりね。」
「全く正しいかどうかわからんが一理ある気がするな。」
花の推測は正しいのだろうか。
もし正しいとしても、特定の行動が具体的にどんな行動を指すのかわからない。
気分が晴れないまま授業の終わりを伝えるチャイムが鳴った。