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2-ss.「リズの王都観光 だいじぇすと」

※この話はジークエンス視点ではありません。

 リズ視点です。

 今日はお兄様を王都観光に誘いたいと思います!

 お兄様の許嫁のガーベラ様がもうすぐやって来るとの事でしたので、早く行かないといけないのです。



「あら、今日ジークを誘うの?」


「お姉様! そうなんです。ジークお兄様も歩けるようになりましたし!」



 朝食前のこの部屋にお姉さまが入ってきました。

 お兄様は3年間眠り続けていてつい先日目を覚まされました。その3年は寂しかったですけど、今は嬉しいです。


 そしてお兄様は、私とお姉様とが計算した体を治す数十日かかる予定を5日で終わらせたのです。

 ジークお兄様はやっぱり凄いです!



「おはようジーク。今日は少し遅いのね」


「おはようございます。そして私も少し疲れているのかもしれませんね」


「お、おはようございますお兄様!」


「リズもおはよう」



 昔のことを思い出している間に、お母様たちとお兄様が部屋に居ました。


 どうしましょう、お母様たちの挨拶に上の空で返していたかもしれません。

 すぐに「申し訳ございません」と謝りましたけど、お母様たちは気にしておられないようでした。やはり心が広いです。



 出された朝食はお兄様だけ少し少なかったです。

 長く自分で食べ物を食べていませんでしたから、少食になってしまわれたのでしょうか。



「あの、お兄様。今日お兄様と一緒にやりたい事がありますの」


「ん? それはなんだリズ」


「はい。実はーーお兄様と、城を降りてみたいですの」



 皆が朝食を食べ終わってお茶を飲んでいる時間。私はお兄様を誘ってみました!



「分かった、一緒に行こうか。でも私は陛下に呼ばれているから、その後でな」


「はい! ありがとうございますお兄様!」



 結果了承を貰えました。待ちに待っていた事です。

 私は嬉しくて、精一杯の澄まし顔が崩れてしまいますよ。もう。





 朝食後。

 お兄様はお父様とお話があるとの事でしたので、私は部屋に戻って準備を整えます。

 昨日にはもう準備を終えていますから、私は服を着替えて陛下の部屋の前に待っていました。


 お兄様のメイドさんが部屋の前に待機していて、私も扉の前で一緒に待ちます。



「お兄様、待っておりましたわ!」


「ここで私を待っていたのか?」



 お兄様は私とメイドたちを連れて部屋に向かいました。

 お兄様は剣を選んでおられましたが、結局は持っては行かず馬車に乗り込みます。


 今から、待ちに待った城の外です!





「リズ。話がある」



 メイドのアリスとローザさんの2人がこれからの予定を説明した後に、お兄様が言った言葉『ーー私は、昨日の夜に一度城を降りた』に驚きました。


 でもそれを話すお兄様は悲しそうで、申し訳なさそうで。私も少し悲しいですけど、夜に城を出た事の方が心配です。



「ごめん。リズ。その代わりに私と他に一つ約束をしよう。今度は守れるようにするから」


「約束……ですか?」



 今回の件の代わりに、別の『お願い』を聞いてくれるとお兄様は言ってくれました。

 うぅ…悩みます。

 この3年の間お風呂もベッドの中も一緒に居て私がお兄様にお願いしたい事はなんでしょう。考えておきます。


 お兄様はその後も話しかけてくれましたが、こ私はの心を隠すのが大変でした。





 最初のお店は服屋さんです。

 お兄様は『城に呼んだ方が良かったんじゃないか?』と言われていましたが、お買い物というのは楽しいものです。


 服はどれもこれも可愛くて、お母様に止められそうな拘束具のある服や、アリスを見てて可愛いと思っていたメイド服。街の女の子の私服も買いました。

 普段使いはできませんが、お姉様やジークお兄様に見せたいです!



 次のお店は宝石店です。

 服屋さんの近くの店で、私が持っているものより沢山の宝石が置いてあるそうです。



「一緒の物を選ぼうか。この白い石はどうだ?」



 お兄様から誘って下さいました!

 選んだのはダイヤと言われる宝石で、お兄様は原石を一つとお揃いの指輪とネックレスを選んでくださいました。


 イルシックス王国では、宝石やその加工品を贈り合い婚約する風習があります。

 モナーク兄様も、ベルベット様との婚約の際に贈りあったと仰っていました。

 今日の指輪とネックレスにはそんな意味はないけれど、将来はお嫁さんになりたい。それが2番目でも、子供をもらえ……いや子供は欲しいです。





 


禁断の愛だけど前例が無い訳じゃないしでも話では祝福されていなかった。お兄様とガーベラ様はお似合いだとベルベット様も仰っていましたし私が入り込む余地なんて、でも領主としての地位に着くのですからせめて3人は女性を選ばないとでもそれだと周りにいる女性だけで埋まってしまう?妹としか思われていない私では約不足かもしれないけど、けど……っ!



「……ふう」


「リズ、どうかしたか?」


「い、いえ!」



 いけません。もう少しで、いけない事を妄想してしまうところでした。

 で、でも正式に結婚した兄妹や姉弟だっているんですし、私もその一人になれますよね!



「本当に大丈夫か?」


「うっ、おにい……」



 不意打ちでした。

 腰を下ろされて、私の顔を見つめながら右手を握ってくれます。



「だい、大丈夫です」


「そうか? 本当にか?」


「はい!」



 嬉しい。嬉しいですが、この気持ちはまだ気づかれてはいけません。

 お兄様はガーベラ様ともうすぐご婚約されます。これに私は割って入ってはいけないのです。


 ジークハイル神仰国とイルシックス王国の問題となれ場誰も幸せになれませんし、お兄様はジークハイル神仰国を支える一人でもあります。

 私を選んだら皆の未来がないし、選ばなかったら私が悲しい。

 だから2番目を狙うのが平和な道ですので。



「本当に大丈夫か?」


「えぇ、大丈夫てす!」



 ジークお兄様はアシュレイ姉様の様に思考を読める訳ではないですよ。




 次はエルモパール商会の本店です。


 店に入ってからお兄様の様子がおかしいです。

 商会の主人のクラウディアさんに対する態度が柔らかいですし、その子供のマグヌスとチェリンにはぎこちない様子です。


 それでも目的であった召喚獣と気に入られた魔法媒体の指輪を購入しました。


 私は見た事がありませんが、商会のマグヌスとお兄様が奴隷の話で盛り上がっておられていて、2人で買いに行くとの事です。

 それが楽しみなようで、上機嫌な2人でした。





 その後にジークハイル巨神像を見て、噴水広場の道中にあるオークション会場に着きました。

 今回の馬車での移動時間は短かったので、私も一つある事を決められました。


 会場の中は暗くて少し怖かったですし案内を聞いても、まだ準備段階でしたので面白くないです。

 でもお兄様は違うようで、下のステージが見える場所に椅子を置いて座ります。



「あの……お兄様?」



 そう尋ねましたら。



「えっ、お兄様?」


「どうした? ローザ達は俺の為に連れて来てくれたが、空の会場で出来る事は少ないな。ゆっくり話でもしよう」



 お兄様も私と同じ気持ちでした!


 そしてお兄様の目を見て話しました。

 オークションに興味があるなら、ガーベラ様が来て忙しくなるお兄様の代わりに私が出てもいいと言いましたが、止められました。

 考え直せばココは確かに危険な雰囲気がありますし、私のみを考えて言ってくれたのだと思います。


 ここで話す話題もなくなり、私はここに来る前に決めた事をお願いしたい。でも恥ずかしくて言い出せません。



「さっきからどうした? 話したい事があるなら私が話を聞くが」


「お、お兄様に『お願い』があります!」


「『お願い』?」



 やっと切り出せます!

 お兄様と『約束』する事を馬車で決めました。王道ですが、王族ならばこそ王道をゆかないといけませんよね!

 私は『またお兄様のベッドで一緒に眠りたい』事を伝えました。



「ーーリズ、どんな『お願い』でも聞くつもりだったが、お前も後数年で成人なんだ。兄とはいえ男のベッドで一緒に寝るなどいけないだろう」



 お兄様にも立場と許嫁と貞操観念があります。

 私に今まで一度も許嫁がいない理由。お父様にお願いして婚約を待って貰っている理由をお兄様は考えてくれていないのでしょう。

 ですが今回は、その理由からの『お願い』ではありません。


 お兄様は私を説得しますが、折角の『お願い』なのですから私も簡単には折れません。



「いいえ。絶対に後悔しません。私が後悔したなら私の頬を強く叩いて頂いても構いません」

「ーーいい加減にしろ」



 べ、別に変態じゃない!

 ただ想像して、低い声で遮られた事にビックリしただけです!



「私は可愛い妹の頬を、喜んで叩くような人間ではない。だがリズのお願いはよく分かった。また時間を作って、夜私の部屋に来たらいい。

 しかし、自分で自分を傷つけようとする言葉はもう吐くな」



 了承を貰えました。

 でも、あまり怒られた事がなかったからか目が潤んできます。

 そしてお兄様の優しい目。

 これは抱き着いても咎めないんじゃないだろうか。


 頭を胸板に埋める。

 数日前、眠りっぱなしのお兄様をメイドたちとお風呂に入れた時。その時の柔らかいものとは違いすぎる体。

 いつもとは違う笑みが溢れます。



「なんだ、もう笑えているではないか」


「いいえ。これは無理に笑ったんですよ。」



 顔を覗くお兄様にそう言われました。

 でも私もこの表情になった理由が分からないので、自然に笑った事は否定しておきます。



「いい笑顔だよ。まだこうしているか?」


「うん。」



 ですが! 図らずして、少し臨みましたがこんな時間が続くとは……。

 私が胴体、腕、首にも抱きついて堪能していましたところ、抱き返して来てくれました。


 幸せ。

 ここまでお兄様と仲良く過ごせて、今日はすっごく幸せです。

 お兄様にその気がないのが不満ですけど、頑張って私のことを妹以上に見て貰えるよう頑張りますよ!



 薄暗い会場の一室。静かな場所で暗く安心します。

 あぁ……、私が最初にお兄様を好きになったのは確かあの時。いやその前から気になっていたような……

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