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2-15.「リズと一緒に王都観光」


「お兄様、待っておりましたわ!」

「ここで私を待っていたのか?」



 王の部屋を退室して視線を上げた俺の前に、妹のリズがメイドと騎士を連れて居た。


 まさかここで待っているとは思っていなかったが、リズとはこの後一緒に城を降りる予定だったので



「部屋で待っていれば良かっただろう? 私はまだ支度も終わらせて居ないぞ」

「良いんです。支度がまだなら一緒にお兄様の部屋に行きましょう」



 3年前よりも、よく話すようになった妹だこと。


 俺はリズと一緒に俺の部屋へ向かう。

 その際、リズのメイドと女騎士。外で待っていたローザとミゲルとサーシャが付いてくる。





「お兄様、買い物をするだけですし剣は必要ありませんわ」

「買い物をするだけ?」



 俺達は俺の自室に戻り、俺しか扱えない物の確認をする。

 具体的には、白羽の剣を持っていくかどうかを悩んでいた。


 服装はこのままだし、その他の準備はメイドたちが完了させているので武器しか俺のやる事ってないし。

 『雰囲気が選んで下さい』って感じだし。



「あ、違いますの。外には沢山買い物が出来ると聞いていますから……」

「まぁ、それもそうか」



 リズは城下での買い物がよっぽど楽しみみたいだ。


 それがバレて恥ずかしがっているが、その感覚は分からない。

 楽しみにしているなら俺にも教えてくれて良いのに。



 結局、買い物して歩き回るだけなら剣は重いし邪魔だし合わないので、持っていかないでいいか。

 それに大抵の事は、一緒についてくる俺とリズの騎士候補で対処出来るだろうし、自衛の手段は奥の手にという事で。



「で、ではお兄様行きましょう。私、この日の事をずっと楽しみにしていましたの」

「私も楽しみにしていたよ」



 俺たちは部屋を出て、城の玄関を抜けて用意された馬車に乗る。

 馬というにはガタイの良い馬だが、異世界仕様という事だろうと一旦スルーする。


 俺とローザとメルティと、リズとリズの専属メイドのアリスが乗った馬車。

 その前後の馬車に、護衛&ダミーとしてミゲルやリズの騎士候補。他にも知らない人が乗っていた。


 結構沢山の人が乗り込んだが、この中で一番強いのは俺な為、有事の際はこの馬車が一番安全になる。



「では殿下。今日向かう場所をご紹介します」



 馬車が一台ずつ動き出し、俺たちの載っている馬車も揺れる。

 ちなみに馬車の中は、俺の右にローザで左にメルティ。右前にリズでその横がアリスだ。



「あ、あぁっ」

「ふふ」

「お兄様……ふふ」



 振動で、揺れる馬車に驚くリズと目が合い微笑み合う。

 リズは城から出る緊張感よりも、それの楽しみの方が大きいようだ。


 俺としてはリズの笑顔を見ていると、昨日フライングで降りてしまった事に罪悪感を感じる。

 妹に嘘をつき続けるのは嫌だし、馬車の中で話そうかな。





「今日は王都の街を巡ります。リズ殿下が興味を持っておられたお店も、貸し切っております。その後は噴水広場とジークハイル巨神像を見に行きます」

「楽しみですね」

「ああ、そうだな」



 ローザとアリスの2人のメイドが、交互に資料の内容を説明していく。


 ジークハイル巨神像は、見たことがないが知識としては知っている。

 初代国王であるモナーク・フラムガルが、ジークハイル神を模して作らせた像で本物は倉庫の中にあるが、レプリカが王都の上級貴族の居住区から平民の居住区にまで置かれていてるという神の偶像。



「噴水広場とは、あの絵の場所か?」

「はい、殿下の部屋の廊下に飾られています絵の実際の場所です。殿下は、あの絵を気に入られていたようでしたので」

「それは嬉しいな」



 3歳の転生当日から見ていた絵の中の、実際の風景をやっと見れるなんてな。



「他には? 他は何処に行くんだ?」

「観光はこの2つです。……いえ、どこか追加しましょう。私達で準備しておきます」

「そう? 別にいいけれど楽しみだわ」

「任せておくよ」



 追加しろって意味になったけど、リズも少し楽しみにしたので期待しておく。


 これから行く先は、リズの買い物と噴水広場と道中にあるだろうジークハイル巨神像。

 昼間の夜とは違う街を、そもそも今日行くだろう上級貴族の住む城から近い区域は俺も初なので楽しみだ。


 それとあれを。初めての事言わないと。



「リズ。話がある」

「は、はい。なんでしょうか」

「ーー私は、昨日の夜に一度城を降りた」

「え……?」



 俺のカミングアウトに驚くリズ。



「それは、……本当なのですか?」

「ああ。約束を破ってしまってすまない。昨日はそれ以上の理由があったんだ」

「そうですか。……う、うぅ」



 やっぱり悲しいよな。

 その為に、いつ目覚めるかしれない俺を待っていて、約束までしてやっとだったのに。


 今、その重さに気がついた。

 昨日の出来事とリズとの約束は、別個の案件なんだから。



「ごめん。リズ。

 その代わりに私と他に一つ約束をしよう。今度は守れるようにするから」

「約束……ですか?」



 涙を流していはいないものの、やっぱり可哀想に思えるリズに新しい約束で元気になって貰いたいから。



「わ、わかりました。お兄様への『お願い』はまだ考えておきます」

「ありがとう」



 この事を後々言うと、今よりも傷つくだろうしトラウマになるかもだったので先に話した。

 でも悲しいままだったら、今から楽しめないのでもう一度約束をする。


 そして目的地に着くまで、頭を切り替えたリズと馬車の中で沢山お喋りをした。

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