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2-11.「妹救出の作戦も」

「成る程。私が今から迎えに行く義妹が誰なのか分かったよ」

「誰でしょう?」



 しばらく歩き、今はエルモパール商会の倉庫のある区域にいる。

 一緒に歩いているメルティの『殿下』と呼ばれた少年は推測だが庶子だと言う。


 庶子は正室以外から生まれた子供の事だ。


 セシリア母とステイシア母は2人とも正室の女性で、父にそれ以外の女性関係があるとは思っていなかった。


 だが先の少年は『殿下』と呼ばれ、その妹が行方不明で、俺は会ったことのない妹を探している。

 俺と、先の少年とその妹は、同じ父を持つ腹違いの兄弟なのだろう。



「義妹の輪郭が分かってきた。恐らくあの手紙の内容は本物だ」

「急がねばなりませんね」

「そうだ。私は詳しく情報検索し、お前に作成を伝える」

「分かりました」



 倉庫の近くで人通りが少なくなっていく所で、俺たち2人は路地に入り王都の龍脈に王子として接続して探査や解析など複数の魔術を使用する。

 これほどまでに巨大な魔術を扱えるのに、少し違和感がある。


 範囲は王都全体を検索。特に倉庫の区域は重点的に調べる。


 広場には多数の敵。

 多数の魔術での情報検索により区域内に、立ち止まって辺りを見渡す不審者が200人強。

 このまま進めば位置有利をとれる敵が26人。

 区域の端から遠距離魔術で狙う40人。

 倉庫の中は100名以上で、縛られて眠らされた少女が1人いる。


 彼女が俺の妹だろう。

 170以上の敵を確認したが、不審人物が200以上いる為この検索は解かない。

 もしこの検索に気が付いて特殊な行動を起こせば、そいつは尚更怪しくなる。


 監視してるだろう、黒幕の炙り出しだ。

 発端の、王城に来た手紙を送れそうな頭の良さそうな奴が。

 だって倉庫の中にとびきり頭が良さそうな人がいないんだもん。見た目脳筋ばっかりだ。



「メルティは私と離れて別行動だ。叫んで声が届く距離で、私が敵だと判断した者の足止めをしろ」

「ですが、それでは殿下1人だけになってしまいます!」

「ーージークエンスだ。私は倉庫内の人間のほとんどを、一瞬で無効化できる。余裕のある戦いでは最低限以外が出来るものだ」



 少し駄々をこねるメルティだが俺に「王権を使われたいか?」と言われ、「分かりましたジークエンス」と素直に答える。


 役に立つから連れてきたのに、我儘言われては敵わない。

 メルティが抱えていたバックを預かり、彼女を見張りに送る。


 彼女には一応一番、怪しそうな数キロ先からこちらを伺う人物の位置を教えて、俺は敵と妹のいる倉庫に向かい歩きだす。





「向こうの監視はやっと私に気が付いたか」



 その監視が倉庫の裏にかけていくのを視線の端で確認する。

 今この間も不審人物チェックをしてるのだが、さっきの検索から残る半分は潔白だと分かり、10名ほど怪しい人間たちが残った。


 その中の本命にはメルティに伝えたので、俺は残る約10名を注意深く観察しておく。


 倉庫に入る前に身なりを整え、本来の警備の者や監視が居ない事を確認する。

 そして先手を打つ為、倉庫の屋根の上に水魔術で作り出した水を生成して氷結魔法の氷の容器で受け止めておく。


 そして横開きの巨大な扉を開き、倉庫の中に入っていった。





「そこで止まれ。腰の剣を捨てろ。膝をついて跪け」

「ーーおい、誰だ貴様は」



 開いた扉は敵達により閉められて真っ暗だが、目が慣れてきて声の主の姿が見えた。

 捕らえられた妹とずっと近くにいた人物で、見た目と雰囲気からこの集団のボスか。



「要求にあった金貨と宝石だ。妹を返してもらおう」

「こちらで物の数を数えてからだ。それまではこの娘は返せない」



 ……渋りやがった。

 取り引きをしない男に、短絡だが俺は確実な強硬策に出る。

 倉庫の屋根の上に浮かべていた水を解放して「ザザァ〜」と大量の水が流す。



「なんだ!?」

「床には水溜りが出来ているな」



 雨水に対応している倉庫の屋根は水を弾き、屋根と地面が水を弾く音が。凄く大きな音が鳴る。

 その大音量にビックリした倉庫の中の男たちにバレないように水魔法を使用して、地面を濡らす。

 いつもの合わせ技だ。


 そしてその音と冷たさに、眠っていた義妹は少しずつ目を覚す。



「う、うぅ…。」

「起きてしまったかッ」



 俺は、地面に広がった水に氷結魔法を発動させて水に触れていた構成員のほとんどの手足を氷付けにする。

 全力で妹に近付き、義妹が起きた事に驚いた推定ボスの伸びる魔の手から義妹を救い出した。


 その勢いのまま軽く飛び跳ねて距離を取り、彼らを見下ろせる位置で着地する。



「一応の確認だ。我が国の国民なら効果はあるだろう」



 王位継承権の力である王権。

 この力を知った上でアイツらは王族に喧嘩を売ったんだ。

 他国の者かとも思うが、念の為に使っておく。



「王位継承権第3位ジークエンス・リートの名で代行する。お前たちは『跪け』」



 窓から月明かりも入り込み、倉庫内で多くの男の姿やシルエットが分かる。

 半分の50人以上は跪いており、素直に王権に従っているジークハイル王国民だった。

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