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2-2.「守れた人と、得た誇り」

※前話の最後を修正しました。

「ローザさん。私たちが見ていますので、あなたもそろそろ……」

「で、殿下!」

「お兄ちゃん!?」



 みんなの驚き方が凄い。


 今度は3人の女性だ。

 俺を『お兄ちゃん』と呼ぶ妹のリズ以外予想だが、ローザを知っていて俺の世話を任せられる人物なのだろう。

 3人ともネグリジェに身を包んでいる。



「メルティです殿下! 覚えていますでしょうか?」

「覚えているよ。それとリズリーと君は?」

「さ、サーシャです! サーシャ・セレスティアです!」



 時間は経ち、成長期ですごく可愛く大きくなった。

 みんなは、俺が起きた事を嬉しく思ってくれてるのかな。


 リズはリズリーと言われてちょっと反応するが、すぐに当てられたのが嬉しかったようで嬉しそう。

 メルティは覚えられている事に嬉しさと感動があるようだ。

 サーシャはやはり少し残念そうだが、やはり覚えられていて嬉しいのか。



 3人とも生地が薄いネグリジェに身を包み、その可愛らしい衣装にも勝る容姿で、その頬を赤らめている。

 1人が女騎士で、1人がメイドで、1人が妹だ。

 3人はベッドの上で動けない俺の周りに寄り、腰を落とし、静かな時間が過ぎた。





「ジークエンス。起きたのか」

「……あぁ。よかった。よく生きていてくれて……」

「ジーク!」



 俺の部屋に仕事途中であろう父、ネグリジェの上に1枚羽織ったセシリア母とその後ろのアシュレイ姉。そしてステイシア母とローザが入って来た。


 セシリア母は、俺を見た瞬間から感極まった様子で涙を浮かべている。

 アシュレイ姉は、部屋に入ってすぐ俺の元に駆けつけてくれた。

 父も言葉からでは分からないが、雰囲気がいつもの王とは違っている。

 家族に心配して貰えて、結構嬉しい。


 ちなみに俺の今の格好は、先に来ていたメイドのサーシャと騎士候補のメルティに身体を支えられて、座っている形だ。

 右にメルティ、左にサーシャで支えられている。


 家族でも、王に寝転がりながら会話なんていけないしね。

 体は全く動かないから、2人にゆっくりと上げて貰った。



「本当に目醒めたようだな。お前は3年間眠っていたのだぞ」

「はい」



 俺はよく生きていたな。

 そこまで生死不明の子供を置いておくのができたのは、やはり王子だからだろうな。



「今日はもう眠っておけ。明日の朝に説明に来よう」

「分かりました」

「そしてジークエンス。よくぞセシリアとアシュレイを守った。これから誇るといい」

「……はい!」



 父は少し顔を柔らかくしてそう言った。


 今は俺が心配されていて忘れていたが、セシリア母とアシュレイ姉には、目に見える傷も大きな怪我もない。

 父の言う通り、俺は自分の母と姉を守れたようだ。

 これは、今日から俺の誇りの一番大きなものだな。





 俺の起床に興奮しているのか、夜だと言うのに皆明るかった。


 が、今から俺の覚醒パーティーをやろうって時間でもないし、明日の一日も重要な人達だ。

 ステイシア母も言葉をくれたけど、妹のリズとはあまり話せなかったのでまた喋りたいな。


 俺を覚えている兵士とか騎士とかに広まれば、どこかで勝手に開いてるかもしれないけど。

 まあ、広まらないけども。



「殿下、お疲れさまでございます。」

「あぁ。お前は戻らないのか?」

「はい。私はまだここにいますので」



 今この部屋にいるのは、俺とローザだけ。

 両親含めて、さっきまで部屋にいた人達は、夜も遅いので部屋に戻って行った。


 彼女の言葉は『私はここにいますので、何かあれば伝えて下さい』って事か。

 そして彼女は、ベッドの天井を見る俺を見つめたままだ。



「どれくらいで、俺の体は動くと思うか?」

「私には分かりません。ですが歩く程度なら、早くに戻るのだそうです」

「剣の腕を戻すだとか、そこまでは求めてはいない」



 この体は、実に不便だ。

 今も思っているが、日常生活は困難じゃないか?

 主に食事とトイレ。

 食事は、今日までこの体が死んでないんだしなんとでもなりそうだが、もう片方はどうしたものか。



「水はあるか? 喉が渇いているんだ」

「はい。」



 別にたいして喋ってもないのだが、さっきから喉が渇いている。

 口の中はカラカラで、もう水分を感じない。


 ローザは、用意した冷水の入ったコップを手に取り、少し口に含む。

 そして寝転がる俺に覆い被さり、頬と顎に手を添えて、唇に唇を重ねる。



「ん、……むぬ!?」

「ふぁ……。ジークエンス様……」

「顔を赤らめて言うなっ!」



 水分補給はキス込みです。と

 白い肌を赤らめ、とろりと硬かった表情を崩す。俺のメイドのローザだ。


 彼女は普段からやっているのか、慣れている。

 俺はおそらく、コップやこの世界で見ないストローを使っても、体が動かないから飲めないだろう。

 悪い気はしないけどさ。



「でも魔法が使え……ぇ?」

「どうしましたか殿下?」

「魔法が、魔術が発動できない。魔力の循環が悪い。眠っている3年間で使えなくなったのか?」



 これじゃ不便だから魔法で手足を作り出そうと思ったけど、魔力を回してもスムーズにいかない。

 体も魔法も使えなくなっていた。

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