2-1.「目醒めまして異世界」
「ん……、ここは……。」
3年間たっているらしい。
悲壮感は拭い、声を吐く俺の名前はジークエンス・リート。
14歳の青年のはずだ。
開く瞼は重く、出る声は小さい。
目の前は見慣れた天井だ。詳しくいうと俺のベッドから見える景色。
他の確証も得るために、首と体を左右に動かそうとするが、体が動かない。
首は動いた。
全く動かない身体。
前は水分が少ない感じだったが、前世の病室に戻った感じだ。
これがデジャブなのか。
「……ローザ。・スペンサー?」
俺は、のし掛かる重さに気付いて顔を起こすそこにメイド。
瞼を閉じて眠る、混じりない銀髪のメイド服の女性で、成長しているが面影が見える。
俺の腹部に頭を預けて眠っていて、部屋には他の人物は見られない。
窓から光が入らずに暗い。
恐らく俺の世話をしたまま眠ってしまったのだろう。
寝間着。つまりネグリジェに着替えていないあたり合っている。疲れていたのだろう。
寝かしておいてやろう。
1日振りくらい。彼女からすれば3年。
久しぶりに見た、その微笑ましくて可愛い顔と姿に不意に右手を動かそうとするが、さっきから体は動かない。
「ぅん……。」
それでも俺の無意識で体は身じろぎ、その僅かな揺れで目を醒ますローザ。
右手で寝ぼけ眼な顔を擦り、眠そうな顔のまま俺の顔を見つめる。
見つめる。
まだ見つめる。
「あぁ、起こしてしまったか」
「……え!?」
「お前はローザか? 久しぶりな気はしないが、俺が変化を知らないとは変な感じだ」
「え!? え!? えっ!??」
さっきまで俺の顔を見つめ続けてたくせに、かなりの驚きようだ。
本気で驚いているようで、あわあわと俺の腹から体を起こす。
「……おい」
「は、はい! ローザです。」
これまでずっと一緒にいてあまり気づかなかったけど、今は一気に成長したみたいでよく分かる。
超絶美少女。
美人寄りの、可愛い系美少女だ。
「あっ、そうだ! 皆様にお伝えしないと!!」
部屋に俺を置いて飛び出していったローザは、俺の覚醒を皆に伝えに行った。
そして、護衛も誰も部屋に人がいないのだから、不用心だよな。
でも、あんなにはしゃいでくれて嬉しいし別にいいか。
「セ、セシリア様! アシュレイ様! ジークエンス殿下が、ジ、ジークエンス様がぁあ〜〜〜!!」
セシリア母やアシュレイ姉が助かっていたようでよかった。
他にも俺の兄妹や家族たちの名前を言いながら、ローザは廊下を走っていった。
そして敬称が『殿下』から『様』になってるのは無意識なのかな。
◇
「ローザさん。私たちが変わりますので、あなたもそろそろ……」
「で、殿下!」
「お兄ちゃん!?」
みんなの驚き方が凄い。
今度は3人の女性だ。
俺を『お兄ちゃん』と呼ぶ妹のリズ以外予想だが、ローザを知っていて俺の世話を任せられる人物なのだろう。
3人ともネグリジェに身を包んでいた。




