1-2.「お召し替え」
「では殿下、お召し替えを」
「ん? ああ、着替えか」
そういうと扉が開き、服を持った2人の女性と男が入ってきた。
服装的におそらくメイドと執事だろう。
「失礼します。殿下」
メイドの1人がそう言うと、手に持っていた服をもう1人に預け、俺を隣に用意された椅子に誘導し、着ていた寝間着を脱がし始めた。
服を着替えさせられるのは恥ずかしいけど、メイドの持っている服は勝手が分からないのでなすがまま着替えさせられる。
それに3歳児ができるもんでもなさそうだしな。
寝間着が伸縮性があって着やすいのは分かるが用意されている服も結構着やすそうだ。
高貴な子供とはいえ、流石に子供の服はそこまでかしこまっていないのだろう。
服を脱がし終え、着替えのシャツみたいな服を着せられた。
「では殿下、お手を」
「あ、うん」
椅子から降りて寝間着のズボンを脱がされて着替えのズボンを履く。
このズボンも、黒のスーツの見た目ながら凄く動きやすい。このズボンなら運動だってしやすそうだ。
そして最後に上着を羽織る。
朝日が窓から入ってきて少し温かいが、シャツ一枚だけだと流石に寒いからな。
◇
「殿下、お顔を洗いますね」
いつのまにかおばちゃんが、綺麗なタオルとお湯が入った容器を持っていた。
着替えている隙に用意したのだろう。
お湯で温かくなっているタオルから水気を抜き、それで顔を優しく拭いていく。
「いかがですか?」
「良いよ」
よし、これで朝の支度は終わりだろう。
あぁ少し、お腹がすいてきな。