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1-21.「俺が将来振るう剣」

「では、今から殿下が『将来振るわれる剣』を見に行きましょう」



 将来俺が使う剣を見に行く事になり、騎士について行く。





「ここです、殿下の部屋に用意させていただきました」



 てな訳で、自分の部屋に戻ってきた。


 部屋の左側にある俺の机。その上には長い木製の箱が置かれている。

 その箱を開けると、中には白く光る金属製の両刃の剣が入っていた。



「これが殿下の『白羽の剣』です。

 王家の方々だけが持つことが許された剣であり、この剣は殿下の魔力に反応して移動するという性質があります。ですので、離れた場所からでも、この剣を殿下の元に呼ぶことができるます」

「分かった」



 この剣は特殊な効果があると俺に説明する。


 なるほど、いつでもどこでも剣を持ち歩かなくても安全なんだな。多分、専属の騎士がいるんだろうけども。



「ですがこの剣はまだ使いません。大き過ぎますから。ですので、体が大きくなるまでは専用の剣を用意させていただきます。

 それと『白羽の剣』は、殿下の部屋に保管しておくとの事です」



 そう俺に説明し終え、騎士は退室する。

 部屋の中には俺と婆やだけがいて、目の前にはまだ箱に入ったままの、新品の、俺専用の、剣がある。



「殿下、お休みになられますか?」

「まだいい」



 もう疲れて昼寝をしている時間だが、この剣を少し使ってみたい。


 手を服で払い、柄が着いた剣を箱から出す。

 剣は柄込みでかなりの重さがあり、箱から出すのはかなりの苦労だ。

 それに気づいた婆やが、俺に慌てて近寄ってくる。



「おやめ下さい、殿下! 危ないですよ。怪我をなさいます」

「ならば剣を抜いて、机に置いて」



 この筋力じゃあ、上手く扱えそうにないので婆やに抜かせて机に置かせる。

 確か、俺の魔力に反応してこの剣は移動するんだったな。やってみよう。





 柄から抜かれた剣と柄を並べ、机から直線上で少し離れた場所から、剣を移動させてみることにした。

 出来るか分からないけど、出来る気がする。

 そんな感じだ。



 まずは体に『魔力が流れる』感覚をつくる。

 が、何も起こらない。

 右手を出しても、『来い』と言っても何も起こらない。


 体の中で魔力を流すだけじゃダメなのかな?


 今度は、指先に魔力を出す感覚を再現してみる。

 指先だけに『流れている魔力』の出口を作る感覚で、その出口から魔力を外に出してみる。

 が、何も起こらない。



「殿下? いかがなさいましたか?」

「ーー『来い』」

「殿下! 大丈夫ですか!?」



 心配する婆やを他所に、今度こそとさっきと同じように剣に言う。


 すると剣が宙に浮いて、俺の方に向かってくる。速度はそれほどなく、そのまま俺の手に握られる。

 が、握られた剣の重さに膝をつき、そのまま剣も落としてしまう。


 俺のやっていることを目を丸くしながらも理解している風だった婆やも、膝から倒れて剣を落とした俺を見て、俺の異変に気付いて近寄ってきた。

 まあ、疲れてるだけなんだけど。



「あの剣の力を確かめられておられたようですが、今はベットで休みましょう! きっと初めての事ばかりで、体が疲れております」



 何も言わずに、俺のやる事を見てくれてた婆やでも、流石に俺が崩れ落ちたらアウトみたいだ。

 と言う事で、疲れと剣の重さで崩れ落ちた俺は、そのままベットで寝ることにする。



 今日は、自分の魔法を確かめて、使ってみて。

 剣を振ってみて、専用の剣を確認した。

 こんなに1日にやれば疲れるのは当たり前か。

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