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1-20.「剣の才能」

 あれから、一緒に紅茶でも飲みながら、メリアスの話を聞き流している。



「フル・バーディ卿、よろしいでしょうか?」

「ええ、いいわよ」



 白い鎧の少し老いた騎士が、俺に頭を下げてからメリアスに話しかける。



「『今日の予定は完了した』との連絡で参りました」

「少し早いでしょう? 殿下には相当な才能があるわ。それに理解力が素晴らしいですね、流石は殿下という感じだわ」

「なるほど、そうですか。次は剣を振るいに行きましょう」



 理解力が高いなんて、耳が痛い話だ。

 とりあえずメリアスの言葉をスルーしながら、椅子からおりて白い鎧の騎士と一緒に剣を振りにいった。

 でも、この騎士は話を変えるのが下手だな。





 移動した場所はさっきよりも綺麗な場所ではない。地面に緑はないし、遠くから金属音が聞こえる。まあ嫌いじゃない。

 ちなみにメリアスは付いてきていないが、婆やは付いてきており、数人の武装した騎士やらがいる。



「では、これを。体に合った大きさの剣を用意させて頂きました。殿下にはこの剣を振って頂きます」



 俺に短剣サイズの剣を渡した騎士は、俺の前で右に向き直り、用意してあった材木を周りの兵士たちに用意させて、剣を構える。


 右手に持った剣を正面上に掲げて、そのまま左下に振り下ろす。

 何の力みもなく振り下ろされた剣は、用意された材木を綺麗に斬り落とした。



「では、私のやってみた通りに殿下も、斬ってみて下さい」



 向き直った騎士は、俺にも剣を振ってみろと言う。そして周りの兵士が、さっきよりも細い、大人の指サイズの木を立てる。

 剣が当たる近さまで近づき、さっきの騎士のように剣を掲げ、力を込めずに騎士と同じ軌道で振り下ろす。


「シュッ」と風を切って、斬れた。

 あれくらい細い木なら、力を込めなくてもちゃんと斬れるようだ。

 切り口も綺麗に斬れている。



「素晴らしいです。やはり王家の才能は素晴らしいですが、ここまでとは」



 うーん、そんなに凄い事なのかな?

 魔法は、1回で出来ちゃって凄いのは分かったけど。剣は、細い木を切ったのが凄いっていうより、騎士と同じことをしたのが凄いってことなのかな?

 騎士の動きで、目に付いたところを全部真似しただけなんだけど。うーん。まあ、凄いのかな。


 周りの騎士やら兵士やらからも「おおー!」っと歓声と拍手が起こる。大袈裟な。

 ちなみに、俺の中での騎士と兵士の違いは、鎧やら武器やらで騎士っぽい方を騎士と呼んでいるだけだ。



「殿下の才能は分かりましたので、今から殿下が『将来振るう剣』を見に行きましょうか」



 持っていた短剣サイズの剣を騎士に返し、将来俺が使う剣を見に行くことにする。

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