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4-4.「未成年最後の日の予定」

 王家の神殿を照らすステンドグラスから差す光。

 光は十字の形で照明代わりとなっており、この世界の十字架は刑具や崇敬対象ではないながら神聖な雰囲気が感じられる。


 その王家の神殿にいるのは司祭服に身を包む俺と父様。そして俺達の立つ場所より離れた位置にいる、俺の側近のローザたちと父の騎士ブラッドリー・ファイン卿を含む側近たちだけ。

 あの空間に行く前と同じ状況。俺の精神は無事この神殿に戻ってこれたと考えて間違いない。


「ジークエンス意識は安定したか?」


「はい」


 帰還後初の行動で父は俺に話しかけその状態を確認する。


 機械的に言えば「既に私の動作確認は完了しております」だ、勿論そうは答えずに短く答えたさ。

 その後俺の返答を聞いた父様は左手を俺の正面に伸ばす。


「先程ジークハイル神と天使より語られた話の口止めの為、これよりお前に王権を使用する。理解したか?」


「はい。理解しました」


 父は左手を正面に伸ばしたまま、ジークハイル神より国王に与えられた国家拘束術。『王権』の権能を使用する。


「リート・モルガンが代行する。

『ジークエンス・リートはジークハイル神と天使が話した話の内容を他言する際、その者に「話の内容を他言しないように」と権能【王位継承権第三位】を使用し命令せよ』

 セシリアとステイシアそしてアシュレイへは私から伝える、モナークとハイルハルトへは手紙を送り伝えよう」


「分かりました。どちらの話も私に関係深い事柄ですので、忘れる事はないでしょう」


 まあ、忘れてても王位継承権第三位こと王権を使用して強制的に発動する。それが王権の強制力なんだけども。

 もし忘れてても実際王権の強制力が働いたら俺も思い出すだろうから、王権による王権の強制発動は無い。


 あと、俺が命じられた内容を噛み砕いて言うと

 「先のジークハイル神と天使が話した内容を話すなら、その相手に王権を使用して情報が漏れないようにしておけ。上位者である母様達には父自ら伝える」とのこと。


「お前は知っているようだが神々や天使がいるあの空間とこの世界を行き来するには長い時間がかかる。今回は権能の能力、王家の神殿からの移動、精神のみの条件を設けあの空間へ移動したが少しの時間経過もある。

 私はまだ神殿に用事があるからジークエンスは退室しなさい。既に昼を回っているはずだ」


「はい」


 壁際に立つローザ達に目を向ける。

 そして神殿と父に一礼してから神殿を出て続くローザ達と共に部屋に戻った。



 自室に戻った俺の司祭服をローザとサーシャが脱がせ、用意されたいつもの服に着替えている最中。

 この後はガーベラ王女の部屋を訪ねる予定があるけど、その後は何しようかと考えている。


ーー結婚式に悪魔の契約の期限が重なってしまわないようにする為に、少しでも採血をしておこうかな。

 結婚式の日に血を流すなんて嫌だから。


「ガーベラ様との予定を果たしたら採血を行う、採血を行う為の一部屋と血液を保存する容器があれば用意しろ」


「承知致しました殿下」


 悪魔の契約で使用した血液保存用の容器は、はじめの1本目を送ってしまって2本目は無い。

 無いなら別のを用意すればいいのだけど、悪魔の事だから御丁寧に専用の容器を送ってくるかもしれない。


 執事のミゲルに命じた俺は部屋を出て、ガーベラ王女の部屋へ向かった。

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