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3-59.「王城の防衛事情」

「この王城の防衛力の話をしよう。」


 諸外国及び悪魔からの侵略対抗兵器なんかの話とかからかと思いきやだ。

 悪魔から破られる印象が強い王城の防衛力から説明開始だ。


「王城は王である我と王族が住む、国内で最も防衛力が重視される場所である。

 城へ続く道は通る事を許された者しか進めず、もしそこを突破したとしても城には大人数の騎士がいる。この国最高の力が集まっていると言っても良い」


 兄様達も国内有数の強者だったので3年前は、戦力が王都に一極集中状態だったかもしれない。


 そして実力ある多くの騎士は王城に駐屯しており、そもそも俺達王族には1人につき1人以上の専属の騎士もいる。

 そうやすやすと入り込める場所ではない。


「そして先代の時代に起こった魔人騒動から学び、王都や貴族達の住む城下。王城の周りに悪魔に特化した防衛魔法が発動している。

 中でも城を囲む防衛魔法の精度は高く、魔性の感知及び通知と撃退。更には過去に調べた個体との参照まで行えるのだ」


「そうなのですか」


 流石国家規模の魔法だ、出来る事が多くてスケールが大きい。


 魔法の恩恵を感じた事は全然ない事が気がかりだが、万能魔法な事はスペックから明らかだ。

ーー本当にそんな魔法が発動していたのか?


「そうだ。お前疑問の通り魔性の感知と通知は可能であったが、撃退及び過去個体との参照は実現していない。しかも3年前は感知と通知すらも出来ていなかった。

 だからお前が取付けたという悪魔との契約が今までの悪魔対策で1番効果が強い」


 悪魔は人間からすれば他種族、未知の生物。


 容姿は全身が黒色。なんて『簡単に新事実が発覚する』くらい謎な部分も多いのが悪魔だ。

 対抗魔法がカタログスペックを発揮できないのはもはや仕方ないだろう。


「そして敵を城の中に入れてしまった場合は対抗策が存在する、3年前のお前に対処させられなかった事が悔やまれるな」


「ーー」


 王の謝罪に「気にしないで下さい」とは言えずに黙り込む俺。

 父は気にせず話を続ける。


「場内の至る所に敷かれている絨毯には魔法が施されている。絨毯の鍵穴の模様に鍵を挿して発動すると武器が出現する、外敵から身を守る手段となるだろう」


 これも確か、アシュレイ姉様から聞いた話だったと思う。

 発動に必要な鍵も、専用の物から王権に変わり扱い易くなったと聞いてある。


「3年前は私の持つ専用の鍵が必要だったが、今はお前達の持つ王権で絨毯の防衛装置は使用可能だ」


「ありがとうございます」


 俺には『水魔術+氷結魔法』という超使い勝手が良くて、もはや使い勝手が良過ぎる手段があるけど無意味なわけではない。


 3年前の悪魔ダエーワは魔法を無効化してきたので、鉄の盾1枚くらいあれば戦況はまだ良かったかも知らないし。

 俺と姉様の白羽の剣以降、3本目以降の剣が大量にあれば違った戦い方も出来ただろう。


 今後俺が王城に滞在しない事が残念だが、いろんな要素を考慮した上で行う狭い廊下や室内での戦いは、体験が少ない分想像するだけで楽しい。


「次に我が王城最強の兵士の説明をしよう。

ーー先代の時代に起きた、魔人騒動の発端である魔人を倒した弓兵の話だ」


 先程開いていた本とはまた別の、少し劣化し古びた本を開いて父様は話し出した。


 この世界には本の損傷や経年劣化を防ぐ魔法があり、あの本にはその魔法がかけられている。

 あの本はそれを上回る程に、古き昔の書物なのだろう。



 父は一度俺を確認した後話を続けた。


 そして『王城最強の兵士』『魔人を倒した弓兵』という超特別級の肩書きを前振りされた者の説明が、始まる。

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