表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/343

3-55.「家名と領地の名前」

 数秒の沈黙の後父は話し出す。


「まずは領地の、お前が治める領土の話をしよう」


 広げられた1枚の紙は、ジークハイル神仰国及びその周辺国が記された地図だ。

 俺も何度も未来の領地『アテン・ザ・ミステル』の資料に目を通しているから、位置はほとんど覚えている。


 我がジークハイル神仰国を中心に、南方にはガーベラ王女の出身国であるイルシックス王国があり。

 北東方向には俺やアシュレイ姉様が使用する『刀』の作製が行われているセルバータ王国があり。

 後地図には書かれていないが、大海を渡った向こうには昨日のオークションでも話題になった東方のラグスティス王国やセキ・セイル神帝国などが存在する。


 そして『アテン・ザ・ミステル』を超えた更に奥には魔界が。

 俺が寝ていた3年間の間に遠征も行われた魔界が、領土を少しも変えずに残っている。


「王都より西側に位置する我が国で3番目の広さを有する領地、そこがお前が治める領土となる」


 先代の王の時代に起きた魔人騒動で、魔界から王都までの領土は一直線で荒らされた。

 そして国王が父に変わった後色々あって、当時の『アテン・ザ・ミステル』に荒らされた領土がくっ付いて今のアテン・ザ・ミステルの広さになったと資料で読んだ事がある。


 その資料を読めば当時のアテン・ザ・ミステルは既に迷宮都市を要する重要領地だったらしい。


「今は暫定的に『アテン・ザ・ミステル』と呼ばれているが今後の正式名にはお前の家名を入れる。お前の決めた家名を言いなさい、爵位は侯爵だ」


「フラムガルルーツです」


 考えて考えた結果『家名に特別な意味はなくていい、ただそれに愛着が湧くならばそれでいい』の家名の定義で決めた名前だ。


「フラムガル? フラムガル王の名前から戴いたのか。

ーー良いだろう、ルーツは何を指す言葉かは知らないが良い名前だ。お前は成人したその時より『ジークエンス・リート=フラムガルルーツ』となる」


「分かりました」


 意図して建国の王の名前からとった訳ではないが、俺が考えた家名『フラムガルルーツ』は認可された。


 考えればこの家名に危険性が無いこともないが、父は子供に甘い。

 いざとなれば王権の使用でどうとでもなる程度の事は、気にしないだけかも知らないが。というかこの国において王権は万能過ぎるなあ。


 という事で3日後の成人式より、俺の名前が『ジークエンス・リート=フラムガルルーツ』となり、侯爵の爵位を戴く事も確定した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ