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3-45.「無謀戦準備」

 俺が今日会ったのはクラウディア母様とマグヌスだけで、妹のチェリンは見かけていない。



「今日はチェリンを見かけませんが、あの子はこの会場に来ていないのですか?」



 チェリンはリズよりも小さな、マグヌスの実妹。



「彼女はまだ小さな子供ですから。それにこの場に居てもあの子に出来る事はありませんから」



 同じく小さなリズを棚にあげて考えると、そもそもこんな雰囲気の場所に連れてくるもんじゃない。っていう立派な理由がある。

 そして実はリズとチェリン。どちらも義妹なのだが、ずっと一緒にいたリズよりもチェリンの方が『義妹』の雰囲気があるんだよね。


 この話の他に、部屋を出る前の紹介で説明された宝石の価格予想やおススメの宝石を聞いてみり。

 ラスト3つ目の食材のオークションが始まった。とセレノンが伝えるまで会話は続いた。


 母様の予想金額を紹介された順番に。

 ・アシュレイ姉様目当てで品のある白い輝石『スターライン』は金貨250枚。

 ・リズが選んだ丸みのある黒い『漆黒の月』は、金貨300枚ちょっと。

 ・ガーベラ王女の選ぶ、赤く綺麗な光りを放つ『ストロベリーチャーチ』は金貨400枚いかないくらい。

 ・とりあえず高そうだったので選んだ紫の宝石『ルーツパニッシュメント』は、金貨400枚。

 販売形態はオークションなので全て経験則からくる予想価格だが、俺たちの残金金貨220枚で買える物は無い。

 運が良くてアシュレイ姉様が選んだ宝石が買えるかどうか……。



「それでは、私たちは失礼致します」



 セレノンの言葉を聞き、早速引かれた椅子から立ち上がった母様とマグヌス。

 同じく立ち上がろうとする俺の椅子はサーシャが引き、俺に続いて姉様達3名も立ち上がる。



「クラウディア様にマグヌス、本日はありがとうございました。次に会える日がいつになるか分かりませんが、その時はまた『お話』できたら嬉しいです」


「はい。こちらこそお願いします」



 結婚式に招待されていればその時会えるのだが、クラウディア母様の身分的に考えると無理。それに俺とガーベラ王女は数日後王都を出るので、次に会える日が数年後とかになるかも。

 俺たちの見送りに微笑みで返した2人は、ほんの10分前に入ってきた扉を通って部屋を出て行った。





 2人が部屋を出たって事でオークションの音を遮断していた結界を解除して、ゆっくり階下を見下ろせる貴賓席に戻った俺達。

 ステージでは丁度。司会進行のネクローマルが最後の商品に『竜種の新竜の食用肉』のオークションを始めているところだった。



「この新竜の肉は討伐されてすぐに保存がなされ、現在まで最高の品質を保ったままにございます。金貨600枚から始めさせて頂きます! そして勿論、落札されました方のご自宅まで、我々が責任を持って運ばせて頂きます」



 あ金貨600枚スタートとはまた凄い値段だが、後ろの肉が積まれたイメージサイズでは高さ1メートル。

 その全てが食用なようでこの金額設定は妥当なのだろう。今現在金貨1000枚を超えている。


 しかし1人また1人と脱落者が出て最後には、『7番』が金貨1140枚で落札した。

 あんなに多いと食べきれないだろうから、恐らくパーティーでも開くのだろう。



「それでは宝石のオークションに入る前に明日。オークション3日目に出品されます品を一部紹介致します」



 今日のオークション第2部はまだ半分もあるのに、前半だけでもう1時間以上の時間が過ぎている。

 明日の宣伝と、さっきまで参加していた参加者の感覚を食材からリセットさせる効果を狙っての披露だろう。ネクローマルは舞台袖からその注目商品を呼び込んだ。

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