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3-43.「アシュレイ姉様の『どの奴隷にしようかしら?』」

 先程まで商品が置かれていた台の前で、整列する奴隷は男3人に女6人の合計9人。

 男性は俺と同年代の青年のみなのに対して、女性はリズより小さい子供から見た目30歳を超えてそうな人。つまりロリから熟女まで、幅広い層をターゲットに捉えるラインナップなのだ!


 ここに並ぶ奴隷9人は、俺が4日前にスラム街で解放した元奴隷の少年少女の様に、身体が汚かったりガリガリだったりしない。

 まあ俺たち王族に売られる程の商品だ。逆に彼らが泥だらけで継ぎ接ぎだらけの服を着ていたら、失望していただろう。ね。



「姉様はこの中で、誰か気になる奴隷はいるのですか?」


「そうね、手前から3番目のあの子なんてどうかしら? 並ぶ奴隷の中では一番可愛いですし」



 ふと、一人奴隷を選んでいる姉様の購入候補を聞いてみる。

 女奴隷は手前から歳の順に並んでいる様で、ロリと少女を飛ばし姉様と同年代くらいの女を指名する。

 短く切り揃えられた黄金色の髪に瞳は柔らかく、姉様に選ばれると腰を曲げて礼を決めた女性。胸部の皮下脂肪も多くメイド服なんか着せたら映えそうな容姿だ。


 しかし何故、アシュレイ姉様は奴隷を買おうとしているのか?

 勿論メイドなら事足りているだろうし、もし足りないなら新しいメイドを呼べばいい。更に言えば姉様にも王権があるので、絶対に従う女が欲しいならそれこそメイドで事足りる。

 いったいその理由はなんなんだ……?



「私は沢山のドレスを持っていますから、誰かを着飾ってみたいの。彼女なら私がお母様から戴いたドレスも入るでしょう? セレノンやベラ、ルーファスにも着飾って貰いましょう」



 ベラは姉様のメイドの一人でルーファスはアシュレイ姉様の女騎士だ。そして姉様は母様から戴いたドレスを沢山所持している。

 そこで奴隷にメイドに女騎士を、着せ替え人形にしたいって話なのか。


 『姉様はずっと研究を続けているイメージがあるけど、その速すぎる解決速度からもうネタ切れ状態で暇を持て余している。 よって奴隷にメイドに女騎士を着飾りたい』なんて妄想を膨らませてる俺。

 『嗜好が変わって奴隷を着飾れせるのが好きになったのかな』と『やはりまだ心の傷が……』とか、『誰よりも姉様が一番似合うだろうな』なんて考える。


 待機していたセレノンも、着せ替えメイド計画は初耳だったのか一瞬驚いていた。



「ふふ。ただ今の私は時間を持て余しているから、何か変化が欲しいと思っただけなの」



 姉様は俺やリズ程ではなかったけれど、それでもあまり城下に降りなかった普通の王女だ。

 だから俺と同じく奴隷に興味をもって、リズと同じく城下での買い物を楽しんでいるだけ。そう考えると、いろいろ邪推してしまったが別におかしなところも無し。


 俺は先の失礼な態度を謝罪しようとして、アシュレイ姉様に直ると……



「ジークの謝罪は受け取りました。ーー簡単に謝罪をしてはいけませんよ?」



 アシュレイ姉様と俺との間だけで分かる会話。そして姉様の言葉は『王子が急に謝ったらいけない』って意味なんだろう。

 リズにガーベラ王女。マグヌスとクラウディア母様。更にメイドとこの会話の意図が分からなかった様で何よりだ。


 そして一瞬静まればマグヌスは早速。

 姉様が選んだ奴隷の前に立ち説明に入ろうとしたその時、クラウディア母様から声がかかる。

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