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1-12.「モナーク兄の昔話」

 目覚めると、ベッド横の椅子に今日も婆やが座っている。


「おはようございます、殿下」

「うん、おはよう」


 婆やとメイドと執事たちは、脱力している俺の体を起こして椅子に座らせ、早速着替えを進めている。

 寝間着を脱がされ、今日着させられている服は昨日とは少し違っている。



「おや、殿下は今日の服がいつもと違うことに気づかれましたか?」

「あぁ」

「今日は他国の方と会われるそうなので。殿下にもいつもとは違う服を着て頂きますよ」



 昨日着た動きやすい黒い服違って、少し動きにくいが、黒地に赤色で模様がついていて見栄えがいい。

 カッコいいけど動きにくい。これは、確かに普段着じゃないな。1日着たら疲れてしまいそうな気がする。


「はい。では殿下、行きましょうか」


 婆やに顔も拭いてもらい、廊下を歩き、今から朝食を食べに向かう。





 食卓の部屋の前まで歩き、扉が開かれる。

 昨日はアシュレイ姉が先に来ていたけど、今日は母とモナーク兄もアシュレイ姉と一緒に先に来ている。



「ジークおはよう。いよいよ今日だな」

「あら、やっぱり楽しみにされていたではありませんか」

「いいじゃないか」



 席に着いた俺にアシュレイ姉が話を振ってくる。

 今日のことって言ったらやっぱり『許嫁と会うこと』だよな。モナーク兄も楽しみにしているみたいだ。


 まあ勿論、許嫁ってことは将来結婚する相手って事だしな。

 俺だって楽しみだ。



「それなら、私もベルベット姫の話を聞いてみたいわ」

「母上もですか……」

「あら、私にも教えてくれないの?」

「……分かりました。ベルベット王女殿下と初めてお会いした時のことはよく覚えています」



 俺が来る前の話の続きから、モナーク兄が話し始めた。

 兄の許嫁であるベルベット王女の話だ。



「初めてお会いした時は、まだお互いに幼かったですが、一目見て可愛いと思いました。髪に入った赤色も綺麗でしたし、次に会う時に『中庭を見せる』と約束もしました。それが今日なんです。すごく楽しみですよ」

「そうなのね。モナークが楽しみなのがよく分かったわよ」

「兄さま、今日の話もまた聞かせてほしいです」

「あぁ、またな」



 ベルベット王女がどれだけ綺麗かを語ってくれて、今日の予定まで教えてくれた。それほど兄も楽しみなのだろう。

 俺だって楽しみだ。


 兄の許嫁のベルベット王女の話が終わる。そしてすぐに扉が開かれてハルト兄が入ってくる。



「ハルトも来たんですからこの話は終わりにして、朝食を食べましょう」

「え、なんですか?」



 なんの話のことなのか、ハルト兄には分からないようだった。

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