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1-9.「王家の神殿」

 メリアスが喋り続けるのを、うつろうつろになりながら聞き流し続けていた。



「ん?」

「おはようございます」


 ベットの横にいる、黒髪メイドの婆やが俺に朝の挨拶。

 窓から入ってくる日光が暖色系の光になっていて、かなり時間が経っているみたいだ。


「初日でしたし、メリアスの長話で眠くなったんでしょう」


 メリアスの魔法以降、何を聞いたか覚えていない。

 ついつい寝てたのか。

 まあ、幼児には昼寝が必要だからな。


「ちょうどいい時間でしたね。今日は夕食前予定もありましたし。着替えたら行きましょう」


 俺は流れるように、ベットから椅子に座り、寝間着から着替えさせる。

 朝と違うメイドと執事が俺を着替えさせ、婆やが暖かいタオルで顔を拭く。

 上着、ズボン、靴と黒を基調とした服装に着替え完了だ。

 扉が開かれ、婆やと一緒にどこかに向かう。



「陛下からは神殿に来るようにと言われております」


 階段を下り、朝食を食べた部屋とは逆方向の廊下を歩く。

 俺の部屋と同じ棟の、一階の端。

 部屋の少し手前から、敷かれていた赤の絨毯から黒の絨毯に変わる。模様は白で描かれてあり、赤の絨毯とは模様が違う。

 扉の前には槍と鎧で武装した兵士が立っており、俺を確認すると扉の端にずれて扉が開いた。





「きれいだ」


 光がステンドグラスから入り、その光が十字を切っている。

 奥には数段段差があり、その向こうに高い机が置かれている。


「あら、今回はジークの方が早かったわね」

「おはようございます」

「お昼寝から覚めてすぐだったのかしら?」


 俺が突っ立ってると左横にアシュレイ姉がやって来た。

 勿論、服装は朝と同じ黄色いドレスだ。


「モナーク兄さまとハルトが帰ってきてるのを見たから、もうすぐ来るはずよ」


 どうやら兄弟揃って、ここで王権の説明を受けるのらしい。



 アシュレイ姉の言う通り、2人の兄と、ティアラをつけた母もそれからすぐに入って来た。

 広い部屋なのに、いるのは家族5人と少しの使用人達だけで閑散としている。

 家族一列に並んで陛下を待っている。


 そこに扉が開かれて、メイドと執事たちを連れた男が入ってくる。

 おそらく、あれが王だろう。そして父親。


「皆、久しぶりだな」

「はい。陛下もお変わりありませんか」

「ああ」


 モナーク兄が頭を下げながらそう言う。

 兄が頭を少し下げるのに合わせて、ハルト兄が頭を下げる。

 母とアシュレイ姉は、ドレスをつまみ、目を閉じて頭を下げた。

 俺も慌てて兄たちを真似て、頭を下げて王を見た。

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― 新着の感想 ―
[一言] 夕方に目覚めて「おはようございます」はねとげの挨拶ですね「お目覚めになりましたか」とか問いかけ風が殿下と乳母だし良いのじゃないでしょうか?
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