第二話:ベリッチと少年の過去
そして数日後あの悪夢のような事件を二度と起こさぬ為に近所の住民や学校の生徒、生徒の親などに聞き込み調査を依頼した。
意外と地味な仕事に見えるが今のこの状況を考えてみれば判るだろう。調査する側も、される側も振り返りたくない心の傷むものだと言う事を。
そしてついに聞き込み調査を開始した。
だが、帰ってくる答えは 予想したのと同じ感じだった。
居留守をする者、話をし出すと怒鳴るように
「帰って下さい!」と追い出す者、その場で泣き出す者、息子を失った辛さでかなり障害が出て、まともに話しが出来ない者
さまざまだった。
そして調査は終わり、まともな話しを片っ端から洗い出していった。
答えは
「黒い服の集団が焦るように走って行く姿を見た。」や 「嫌そうに集団で(なんでこんなことしなきゃなんね〜んだ)って崩れるように座り込む姿をたまたま見た。」などだった。
確かにあれほどのグロテスクなことをする前にして平然とした顔をする奴は居ないだろうし現に途中で自殺した者も居た。
だからそれは予想したが2、3回いや4、5回は出た、意味のわからない答えがあった。
それは『鈴の音が夜中に微かに聞いた』といった感じの答えだ。
そして調べると大半の犯人のバックには鈴がつるされていたのだが事件の犯行には何の関わりもないのだ。
そして事件は振り出しに戻った。
調査の数日後事件の担当警部長のベリッチが何者かによって殺害された遺体が発見された。
彼は優秀で仲間のことを思う奴だったため周りのショックも大きかった。
家族や上司はもちろんのこと7年前からの付き合いになる弟子も皆悲しんでいた。
【7年前】
ベリッチはその彼がギャング3、4人に囲まれ奥に連れ去られそうになり、少年は助けを呼んで居た。そしてベリッチはそこをたまたま通りがかった。
ベリッチは彼らの元へ駆け寄った。しかし、私服だったためギャングは何の驚きすら顔に浮かべない。
だがそこは腕の見せどころ、彼は冷静な対処でギャングを追い込み、彼らをその場から追い出した。 そして彼もまた人混みに去って行った。
少年はその姿を見て感動をした。
そしてその瞬間 『僕はいつか彼のように困って居る人を見過ごさずに助けに来てくれる人になりたい!』っと強く心の中で噛み締めた。
その少年は頭が良く最低でも学年で毎回5位以内には居たほどの学力だ。
彼は政治家になる方向で学校側も進めて行っていたがあの日以来警察いや刑事になることに決めたていたので高校卒業後はAFC防衛大学に通い初めていた。
2年生の夏頃に同じ大学のAFCのOーBとの交流をする日があった。
クラスに一人の妙な威圧感を出す男が入って着た。生徒は一斉に礼をし、頭を上げ彼の顔を見た瞬間に少年は一度どこかで会ったゆうな気がうっすらあり、その彼との交流の時間はあまり集中して話しを聞けなかった。
男が教室を去る前に少年の耳のそばに来て『成長したな』っと言って去って行った。
そして少年は事を理解した時にはもう男は居なかった。
彼はあの日のありがたみを忘れていたことをひどく悔やんだ。 帰った後も、次の日も、また次の日も……。
そして数年が経ち彼はAFCを無事卒業し立派な刑事になりその後ベリッチとの3度目の再開を果たした……。
その少年の名は『マッフィニ・クライトン』
【この物語の決して欠かせない存在になるだろ。】