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夏生詩集3

なかった、ように

作者: 夏生

テーブルをふく

力をこめて

たてによこに

行ったり来たり


つやの出たテーブルに

満足して周りを整える

何事もなかったように

一点の汚れも逃さず


ふいてもこすっても

落ちないものは

削るか、ごまかすか

そのままにするか


削ればひどくなる

ごまかしは剥がれる

そのままでは痛々しい


いつの間に

ついたのか

つけられたのか

ふれると低いくぼみ

粗い肌がわずかに見えた


やさしい色のテーブルクロスを

大きく広げ

傷ごと覆い隠した


これ以上

傷つかないように

汚れないように

何事もなかったように

傷を忘れられるように


本当に何事もなかった

間違えるまで




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