02冒険者始めます
今回でプロローグは終了する予定です。
その為か、長くなって有るので暇な時に読む事お勧めします。
――9年後――
5歳の時の出来事からもう9年。私は14歳を今日、迎えた。
あれからおじいちゃんにもっと凄い技術を学んで習得したり、おじいちゃんと手合わせを何回かした。
でも1年前、私の誕生日の一ヶ月前におじいちゃんは土の中に眠った。私は悲しかった。もっと学びたかった。もっと一緒に笑いたかった。
あの日からは習った事の繰り返しをやっているだけ。しかし、今日は違う。何ったって14歳の誕生日。ついに14歳になった。
「お父さん、お母さん、話があるの。ちょっと良い?」
「ん?どうした?」
少し間を置いて私は
「私、冒険者になりたい。」
「それはまぁどうして?」
母が尋ね返す。
「小さい頃さ、私、人族の村に遊びに行ってたでしょ。あそこでね今はいないんだけど、村長より年寄りのお爺さんがいたの…………」
私は今日までの出来事を話した。
「だから、ダンジョンに行って攻略してそれで、本当の魔物と亜人への迫害を止めるの。」
父と母は黙って聞いてくれた。
そして父が
「お前が冒険者になる理由と噛み合ってはいないが…………良いだろう。お前も良いだろ?」
「ええ。でも、その姿ではダメね。」
父に問いかけられた母は答える。
「冒険者になるのだから加護は必要だろう。今日の誕生日に贈るものが今ってよかった。腕を出しなさい。」
そう言われて私が腕を出すと、父は手を翳した。
翳した手を退けると、そこには紋章が出来た。
「父さんは、いや、“我、serpent wolf は我が娘、----------・-----------に【森王の加護】を与える。”」
次に母。
「私はさっきお父さんが貴女に加護を与えた時に作った物だけどこれを着て冒険してくれると嬉しいわ。」
母は私にマントローブを作ってくれた。
「この生地って…………」
「耐火性と変温適応、それと破れないで有名な布で作ったの。」
「やっぱり!絶対、大切に使う!この生地高い奴だし…………」
泣きそうだった。正直、冒険者になる事を許されないのではと思っていた。
「良いの。たまたま拾っただけだから。」
「たまには手紙も寄越すんだぞ。」
「分かってる。月一には必ず出す。あ、でも、ダンジョン攻略中には送れないか。」
「その心配はない。これも拾い物だけどこの本を使う。いや〜二冊落ちていて助かった。これ、二つないとダメだから。」
父が渡してくれたのは魔法具。書いた内容を登録してある同じものに送信できる便利で高い代物である。
「これで安心して旅立てるよ。お父さん、お母さん!」
「頑張ってね。」
「いつでも帰って来い。後ついでに、人化の術の書。書いてある通りにしろよ。」
「うん!」
涙が止まらない。嬉しすぎる。こんな誕生日はもう味わえない。
{そうだ。今日から日記を付けよう。}
日記を書いた後、私はマントローブを深く被り、おじいちゃん(二本のナイフ)と一緒に街に向かった。
―街 イーリス―
門に入る前に人化の術の書の通りに人化の術を行う。耳と尻尾が消える。
「おじいちゃん、観ててね。」
門番に軽くお辞儀をしながら門を潜った。
「ここが街。ギルドは…………」
丁度見廻りの人がいたのでギルドの場所を聞く。
言われた通りに道を進み見つけた。
中に入るとまず酒臭い。
受付のところまで行き手続きを開始する。
「ようこそ!冒険者ギルドへ!どんなご用件でしょうか!?」
「え、ええ〜と、冒険者になりたいのですが…………………」
テンション?が高かったのでビックリした。
「冒険者手続きですね!ではここにお名前と希望の職業を!」
私は少々引き気味だったが取り敢えず記入した。
{名前はお母さんの為に伏せておこうかな。}
「えーと、リアナ・エリュトロンさんですね。職業は…………え!≦双剣士≧ですか?!」
「えーと、何か問題でもありました?」
双剣士と書いたのに驚いていたので聞いてみた。
「いえ、特に問題は有りません。ただ、私はてっきり後方支援型の職業かと……美人さんですし………えへへへ」
「後は何をすれば良いですか?」
「そうですね〜。では、この水晶に手を翳してください。」
「こ、こうですか?」
「ふむふむ。」
そう言いながら、受付の女性は何かに記入している。
「良かったら加護をお見せ下さい。」
言われた通りに見せる。
「加護のメモ完了っと。有難うございます!冒険者カードと冒険者が必ず着用するブレスレットが完成次第お呼びします!ですのでそこら辺でゆっくりしていってください!恐らく30分はかかると思います!」
懐中時計を覗いて私は、
「では、また30分後に来ます。」
そう言って街に出た。
{丁度お腹が空いたしここら辺で何かに食べるか…………}
適当に選んだ店に入る。
――10分後――
残り15分を戻りに当てる。途中でタチの悪い連………お兄さん方に絡まれたけど返り討ちにしたのは受付の女性には内緒の出来事…………
「お待たせしました!此方が冒険者カードでランクEからのスタートと成ります!で、こっちがステータスが覗けるブレスレットです!」
冒険者カードには名前と職業、そして加護の名前が書いてあった。一緒に渡されたカードホルダーに冒険者カードを入れ、ブレスレットを装備する。
試しにステータスウィンドウを開いてみる。説明と同じ表記で現れる。
「えーと、
|リアナ・エリュトロン|≦双剣士≧|【森王の加護】|Lv.7|ランクE|HP 62|MP 73|SP 56|魔力量 86|敏捷性 60|筋力 44|防御 32|回避 74|知識 57|幸運 29技、回転斬り、薙ぎ払い、Hydra poison、出血量増加、|装備、万能マントローブ、狼皮の服、狼皮の籠手、狼皮のスカート、狼皮のブーツ、Hydra knife、forest knife|
って、恐ろしく詳しい。特に記入していない情報も沢山…………」
こうしてはいられない。さっさとランク上げないと。
「あの、ランクを上げるにはどうしたら良いのですか?」
受付の女性に聞く。
「試験を受ければあげられます。ただし、どこの街もランクAまでしが受けられません。A以上のランクになるには王都で開催される試験を合格することです。それにしてもお客様は運が良いのですね。今日が試験日ですよ。受けますか?」
「成る程、よく分かりました。有難く受けさせていただきます。」
――2時間後――
迷ったけど着いた…………
間に合っている。試験を受ける手続きをして入場する。
私の番だ。
観客席から(男性陣)、
「おい、観ない顔がいるぞ。」
「新人かな?色々と教えてあげたいな〜ウヘヘヘヘ」
「気持ちが悪いよ!あとロリババの可能性だってあるだろw」
「罵られたい…………」
「可愛いな〜幾つなんだろう。」
女性陣は、
「頑張れ〜お姉さんたちが応援してるよ〜」
「あの子可愛い〜お人形さんみたい〜」
「うちのパーティーに誘おうかしら?」
そんな声が聞こえたから余計フードを深く被る。恥ずかしい……
試験内容はいたってシンプル。召喚されたダンジョンの魔物を次々と倒すだけ。魔物は何が出るかわからないので討伐した魔物の数ではなく討伐した魔物のレア度の合計で決まる。召喚士もしくは挑戦者が降参時に終了するそうだ。
まず初めに出てきたのは、hell hound。
{いきなりhell houndとかついてない…………でもやるしかないか。}
首に目がけてhell houndが飛びかかってくる。
それを躱すついでにナイフでお腹を切断する。
意外とよく切れ、辺りにはhell houndの腸などが散らばる。
{切った感覚が無い…………次があるから良いか。}
その後、スライムや蜘蛛、蝙蝠などランクEのモンスターばかり出て来た。
{次は何が出るのかしら?}
丁度イヌを片付けた後、召喚士が倒れ巨大な魔法陣が出てくる。
{どうしたのかしら?}
魔法陣から大きな人影が出て来た。
“我が名はコキュートス。第九の地獄なり。”
コキュートスと名乗る男は片手に白い槍を持っていた。
「コキュートス?だからどうしたの?」
私は挑発する。
“我を畏れぬ者よ。地獄の怒りを知れ‼︎”
怒鳴られた。
ギルドの係員や警備員の人が観客を避難させている。
{そんなに凄い魔物なの?}
「貴方はただの魔物では無いの?」
“いかにも‼︎第九の地獄を司る魔人は我の事なり‼︎”
コキュートスは自分は魔人であると言う。
“人族よ、お前は我の逆鱗に触れた‼︎”
コキュートスは意外と短気らしい。
私は誰もいないことを確認してから、
「人族って誰の事?ここには人族なんて居ないのだけど。」
と、人化を解いて言う。
“人族…………では無い⁉︎いやしかし…………”
コキュートスは戸惑っていた。
「私は人族と魔物の間に産まれた亜人よ。」
“では何故此処に?”
{やっと落ち着いてくれた。}
「本当の魔物を守る為よ!」
そう言って私はコキュートスに攻撃を仕掛ける。
{まずは出血}
私が突然襲い掛かってきた事に驚いてコキュートスは脇腹を斬られる。
“グフッ…………何故だ。何故こんなにも血が出る…………面白い。面白いぞ亜人の娘よ‼︎”
「下を噛んでも知りませんよ‼︎」
{今度は毒!}
斬りつけたが避けられた。
{でも軽く切れた‼︎}
“フッ、この程度の切り傷など…………何だ……段々怠さが…………”
毒が廻った様だ。
「ひゅどら?の毒の味は如何かしら?」
“神殺しの毒か…………興味深い…………”
コキュートスはだんだん弱ってきている。
「第九の地獄とか言ってこの程度の強さなの?もっと張り合いがあると思ったのだけど。」
“小娘が…………今回はこれぐらいで良いだろう。お前がダンジョンに来ることお楽しみに待っておる。続きはその時にしようではないか?”
「ええ、その方が面白そうだしそうしましょう。」
“我が帰るついでに問おう。名は何と申す?”
「リアナ。リアナ・エリュトロン」
コキュートスの問いに答える。
“ではリアナ。また、雹獄のダンジョン、最下層で待っておる。他のダンジョンで死ぬなよ。”
「絶対に到達して見せる!」
私は答える。
その後コキュートスは転移魔法を使いダンジョンに帰った。
[コキュートスから贈物が届いています。]
あの時の声がした。言われた通り贈物箱に贈物が届いていた。空中に表示されているアイコンをタッチすると中身が具現化した。
{魔法具って何でもありだなぁ。}
そう思いながら包みを開くと中から水色のナイフが出て来た。
ナイフが出て来たと同時に扉が蹴り破られた。
「‼︎」
私はビックリした。
{マントローブ、深く被ってて良かった……………………}
「疲れた〜」
ランクがEから飛んでBになったことから色んな人に質問攻めにあった。特にコキュートスについて…………
〔お父さん、お母さん。今日やっと冒険者に成りました。丁度ランクアップする為の試験があってEからBに成りました。〕
今日の報告を書く。
「さーて。明日からこの街の地下ダンジョン攻略する
から寝るか〜」
主人公は偽名を使っています。
本名は出るか分かりませんw