01お勉強
やっと完成しました。恐らく急展開だと思う人は少なからずいるはずの内容です。
次の日、私はいつも通りの時間におじいちゃんの所へ行った。
「おじいちゃん、来たよ〜」
「おお、お前さんか。それで今日は何をしようかなぁ?」
「おじいちゃんに双剣士の技とか教えて貰いたいのー」
「双剣士かい?他の職業もあるのだが…………おぬしがそれで良いなら教えよう。…………わしももう長くは無いしのぉ。」
「やったー」
「教える代わりに一つ聞いて良いか?」
「ん?なあにおじいちゃん。」
「お前さんの名…………いや、お前さんが何故頭巾を被っているのか前々から気になっておってのぉ。」
頭巾のことを聞かれた。
「………………おじいちゃん、村の人に言わない?」
「ああ、こんな老耄と話をしてくれるのはお前さんだけだから安心せい。」
おじいちゃんがそう答えたので私は麦色から段々と緑に変わる髪と耳を見せた。
「!!」
おじいちゃんは一瞬驚いたけど、
「そうか……やはりそうだったか…………」
と言った。
「良いだろう。教えてあげよう。」
そう言うとおじいちゃんが立って
「今から基本の動きを見せるから真似をしなさい。」
と言った。
その動きは、お年寄りの人がするような動きではなく、夙く、強く、そして美しかった。そう思う。
私が真似をして段々揃うようになってきた頃、
「うむ。やはり亜人は覚えが良い。しかし、こんなに幼い子供がわしの動きについて来られるとは…………」
私は褒められているようで嬉しかった。
「今日はここまでじゃ。家に帰って休みなさい。明日も待っておる。」
「うん。おじいちゃん、また明日ね。」
そう言って懐中時計を見ながら私は急いで家に帰った。
「ただいまー」
「おかえりなさい。」
「おとーさんは?」
おとーさんの声がしないから母に聞いた。
「お父さんはね、今お仕事中なの。多分あなたが寝た時に帰ってくる……かな?」
と母は答える。
「分かったの。おとーさんの帰り待つの。」
私は母にそう言った。
「フフッ。良いのよ。あなたは今の時期、早く寝ないと大きくなれないわよ〜」
笑顔で母言う。
「んー……じゃあ寝る……」
そう言われて私は寝る事にした。
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今日もおじいちゃんの所へ行った。
いつも通り、おじいちゃんの庭から入ろうと思ったが複数の人がいる気配がした。気になって覗いて見ると1人の男(男A)の人が、
「おい、ジジイ。今日も金になる物を貰っていくぞ。」
と言って、おじいちゃんは前に言っていた宝物の入っている棚を漁ろうとしていた。するともう1人(男B)の男の人が、
「なぁ、なんか獣臭くね?多分、狼の類の匂いなんだが……」
と言った。
{狼の匂い……?}
私はそう思った。
「ジジイ。あんた、ランクA位の狼の匂いがするんだが、そいつを寄越せよ。飼い馴らされてんだろそいつ。さっさと出せよ。」
「魔物を飼い馴らすじゃと?そんな罰当たりな!」
「良いからさっさと出せよ!」
男の人(男C)がおじいちゃんに殴りかかって来た。
私はそれを見て
「おじいちゃんを虐めないでー!」
と言って飛び出してしまった。
「何だ?こいつ。」(男D)
「こいつからだ!」(男B)
「何がだよ!」(男A)
「狼の匂いだよ!」(男B)
何か言い争っていた。
「おじいちゃん!叩くも物か切れる物無い?」
「石のナイフが二本有るが…………」
「それで良いの!」
私は貰った石のナイフをおじいちゃんから習った技術を試してみた。
「もう良い!さっさとあのガキを捕まえろ!」(男A)
男Dが私に襲いかかる。
{まずは躱して距離を離す。}
体が思うように動く。男Dは体勢を崩し頭から地面に突っ込んで頭を強く打った。しかしふらつきながらも立ち上がる。
「この糞ガキィィ!」(男D)
「おい!全員でかかれ!逃げ場を無くせ!」(男A)
{囲んでも無駄なのに。横に逃げれなければ上に逃げれば良いのに。}そう思ったけど試したい事があった。
{でもっ、薙ぎ払ってみよう!}
男の人達が(4人)で飛びかかってくる。
{今だ!}
私は思いっ切り回転して4人の男の人達を薙ぎ払った。しかし、手加減が出来ていなかったのか石ナイフで4人のお腹が切れていた。すると、石のナイフに罅が入った。
男Cは
「へっ、これでそのナイフは使えなくなったなぁ!」
と言ったところに男Aが
「チッ、おい!お前ら引き上げるぞ!そのナイフはマズイ!」
と叫ぶ。
私もビックリした。ナイフに罅が入っているのに崩れる気配が無い。逆に私の何かをナイフが吸収しているような気がした。
[魔力と血量が最大値になりました。これより進化を行います。]
突然、私の頭の中に女の人の声がした。
{しんか?}
意味が分からない単語が出て来た。
そう思っていた内にナイフの石が剥がれてきた。完全に剥がれてきた頃、見えたのは黒く怪しく美しい艶が有るが刃のナイフ(右)と灰色の刃に蛇と狼が彫られたナイフ(左)の二つが現れた。
[石のナイフ(右)⇨毒龍の牙《Hydra knife》へ、石のナイフ(左)⇨山守の牙《Forest knife》へ進化しました。]
おじいちゃんの方を見ると、おじいちゃんは目を大きく開いて驚いていた。
{これが、進化…………?}
私は初めて武器の進化を見た。おじいちゃんもそうなのだろう。
「今日のところは見逃してあげるよおじさん達。」
私は笑顔でそう言った。
男達は一斉に足って逃げて行った。
ついでに「もうおじいちゃんの所に来ないでねー!」と叫んだ。