結局私の出番が無い!!!by綾子←其を言ったら私もですよ。by小春←いや、部長と小春ちゃんとじゃ意味が大部違うから。by圭介
サリエルと圭介が戦っている頃、顋は漸く零とよしねの居る病院に着いた。
顋は宇佐山先生を呼びつけた。
「手伝え」
「主語を言え」
顋は訳を話した。
「わかった。要するにこの羽を青葉よしねの腹の上に置けばいいんだな」
宇佐山先生はよしねの居る治療室に向かい。顋は零の下に向かった。
どらくらい意識を失っていたのだろうか。零はゆっくりと起き上がった。右隣に顋がしゃがんで居た。
圭介の姿は見えなかった。気絶する前に居たはずの風間の姿も見当たらなかった。
すると顋が話し掛けていた。
「圭介は今サリエルと戦闘中だ、無事かどうかは知らないがな」
「どういう事?」
「サリエルと圭介は今戦闘中だ」
「そうじゃなくて無事かどうかは分からないってどういう事」
「圭介はサリエルの邪眼を喰らった。運が悪ければ今頃死んでるかもな」
零は頭が真っ暗になった。
一粒の涙が零の頬を通った時、
「勝手に人を殺すな!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「圭介…良かった…」
零はホッとした。その瞬間涙が止まらなくなった。
「どうしたんだよ零!?何でそんなに泣く!?」
慌てる圭介。
「おーい、青葉よしねも無事だ!」
宇佐山先生が此方に走って来た。
「二人とも良かった…」
そして圭介は深い眠りに就いた。
修学旅行5日目、今日が修学旅行最後の日だ。
学園生徒は大阪でも有名な水族館、海遊館に居た。
海遊館が終われば後は地元に帰るだけ。
よしねは未だ病院に居た。残念な事に2、3日の入院が余儀無くされた。理由は何故発作が起こったのかが分からないので再発防止として入院させられた。
そんな訳だから今回は安海と結愛が圭介を占領出来るはずだったのだが。
「悪い、他の人と見る予定が有るんだ」
そう言って圭介は二人の誘いを断った。特に圭介は誰かと見る予定何てものは無かった。ただ独りに成りたかっただけだった。
大きな水槽にジンベエザメが泳いでいた。何とも迫力が有る。其をただボーと見てる圭介。
「独りだけで見るなんて錆びしわね」
そう言って零が圭介の下にやって来た。零もまたサリエルの邪眼によって発作を起こしたのだが、よしねとは違って病院に世話に成ってない。つまり医者は何も知らない。故に入院しない。
この事から零は此処に居る。
圭介は静かに零とジンベエザメを見る。
「プランクトンを食べただけであんなに大きくなるのね」
圭介は何も反応しない。
「"何かあったの?"何て事は聞かないわよ。顔に出てるから」
圭介は鼻で笑った。
「零は観察力凄いな」
「アナタが単純なのよ」
長い沈黙が漂う。そして圭介の重たい口が空いた。
「昔さ、幼い頃よく親父と散歩してたんだよ。多忙な親父が朝暇を作って一緒に散歩したのは俺の中でとても良い思い出なんだ。よく近所の人に『仲の良い親子ですね』何て事を言われて俺は嬉しかった。」
零は黙って聞いている。圭介もスラスラと話を進めた。
「だけど俺と親父は特別仲が良かった訳じゃない。ぶっちゃけ兄貴と親父の方が仲が良かった。親父は兄貴に色々と期待されてた。でも俺は何も期待されてた無かった。たった10歳にも満たない子どもに期待を持てって言うのもあれかもしれないけど。
そして俺は兄貴に嫉妬した。自分より兄貴が可愛がられてるって思ってよ。そして家出した。」
零は驚いたが声には出さなかった。
「家出って言っても家に有る倉の中に隠れてただけなんだけとさ、何時間かした頃親父が俺を見つけてくれた。親父は俺が居なくなったのを聞いて町中の人に尋ねたんだってよ…嬉しかったな。見つかった後ガッツリ怒られたけど、それでも俺は愛されてるんだって思った。
けど俺は勘違いしてた」
「勘違い?」
零が初めて圭介に質問した。
「その日の夜、俺は偶々夜中に起きた。トイレに行こうとリビングの前を通った時、親父が誰かと話してた。女の人だったけど母親じゃ無かった。親父は女の人と会話していた…」
そして圭介の頭の中で過去の記憶が甦った。
幼い圭介は静かにリビングから聞こえた声に耳を傾けた。
「煩い位騒がしかったのに、今は誰も騒がないんだ」
「当たり前だ夜中だからな」
「そうなんだ…そう言えば愛澤さん今日は意外な行動に出ましたよね。たいして愛してもいない息子の為に町中の人に頭を下げて探してもらうなんて」
「あぁ、あれか。あれは只のパフォーマンスだよ。仁が倉の中に居ることは知っていた。だから息子を必死になって探す良い父親の振りをするには絶好のチャンスだったんだよ」
「うわぁ酷いなそれ」
「酷いか?アイツには其ぐらいの価値しかない。アイツを生かしてるのは利用価値があるからだ。利用価値が無かったら何処かに追い出してたな」
零はこの話を聞いて頭にきていた。
「自分の息子を何だと思ってるのよ!」
「裏切られた感じだったよ…それからだ。俺は親父に反発したのは。俺は親父の操り人形なんかじゃ無いって事を示したかった。けど結果的に示すことも出来ずに家を追い出されたけどな…」
「いくらなんでも酷すぎる…」
「俺はずっとその事を封印していた。もう誰かの利用価値の為に生きる生き方何て捨てたはずだったのに…。アイツは…放課後の魔術師が俺に利用価値が有ると言って生かした…」
零も昨日の事は安海から話を聞いていた。勿論放課後の魔術師が圭介を助けた事も。
「俺は結局利用されてるんだなって思ったら…、もう生きていたくもない…、死にたい…」
圭介の本音が出た。圭介にとっては利用されたくもない人に利用された事、利用価値が有るから生かされる位ならいっそ死んでしまえば良い。そう思った。
そんな事を考えてる圭介を零はおもいっきりビンタした。
「死にたい何て言わないでよ!」
零の目から涙が溢れた。
「アナタが死んだら悲しむ人が居るのよ!昨日だって私達を救うために命を削ってまで戦って、それで死んだら意味無いじゃない!生きてよ…アナタが奪った女の人の命の分生きなさいよ。お願い…もう死にたいだなんて言わないで…生きてよ…お願い…生きて…」
零は泣きながら言った。そして圭介の胸に顔を埋めた。そして零圭介の服をおもいっきり掴んだ。
「零…」
圭介は今までこんな風に泣き崩れる零を見たことが無かった。圭介は力いっぱい零を抱き締めた。
圭介は心に誓う。
『もう彼女を泣かせはしない。』
今まで約束を破ってばかり、エキドナを倒した後、零に守らせて下さいと言ったのに守れなかった。よしねも守れなかった。だからもう二度と約束は破らない。そう心に決めた。
「零…、俺は生きる。これからも、ずっと」
圭介は抱き締めるのを止めなかった。
そんな圭介の姿を遠くで見る女子生徒が居た。
観光バスに向かう圭介と零。もうこれで修学旅行も終わりだ。
「じゃあ私は向こうのバスだから」
そう言って零は行く。
「ちょっと待て」
圭介は零を呼び止めた。そして零が右手の人差し指に填めていた指輪を外し、左手の薬指に填め直した。
「えっ?」
零は驚いた。こんな事普通はしない圭介がしたからである。
「いや、その、あのだな…、そっちの方が似合う!」
そう言って圭介は自分の乗るバスに走って向かった。
そんな姿を見て零は笑顔になり、薬指に填められた指輪を見る。金属で出来た輪に緑色に光る原石が一つ付いている指輪を。
圭介はバスの席に着いて頭を抱えて後悔していた。
「何やらかしてんだぁ俺はぁぁぁあああ!!!」
圭介は前の座席に頭をぶつける。
「小野田殿煩いでござる!」
前に座って居た大坂に怒られた。
「悪い…あの大坂一つ聞いて良いか?」
「何なりと」
「普段意識していなかった女子を意識し始めたのはこれはお前らが言っていた修学旅行マジックのせいなのか?」
「はぁ?言ってる意味がよく分からないでござるな」
「あっ、やっぱ何でもない」
「もしかして小野田殿!好きな人が出来たのでござるか!?」
大坂がデカイ声を出したので色々な女子が食いついた。
「え~誰~!私~?それともよしね~?」
「よしねちゃんだよね圭介君!?」
「えー誰々!?」
「何々何の話し?」
「ウッソー小野田の好きな人の話し!?」
クラスの女子が圭介を見る。
「大坂…責任とれよ」
「あー、我は眠たい…グゥ…」
「寝たふりするなぁぁああ!!!」
最後はやっぱり騒がしく終わるのであった。
綾子「はい第二回悪研活動記録報告会…」
圭介「テンション低っ!!」
綾子「お前に分かるか!?特別編のハロウィン以外修学旅行編出てない私の気持ちが!!」
圭介「御愁傷様です」
綾子「しかも何なのさ!リア充丸出しのこの話のオチは!腹立つ~、出番無い私が何れだけ悔しくて見ていたか…」
圭介「うん…なんかごめんね」
綾子「ごめんですむなら警察は要らないんだよ!!!」
圭介「んじゃ俺にどうすれと?」
綾子「次回は私オンリーで行こう!」
圭介「わかった。次回のサブタイトルと後書きは部長オンリーで行きましょう」
綾子「ソウイウコトジャネーヨ!!!」
圭介「次回は番外編やるんだよ」
綾子「じゃあ私オンリーで良いじゃん!」
圭介「てか次回は安海、結愛、顋がメインだから」
綾子「何だよ!じゃあ私は何処で出れば良いのさ!」
圭介「サブタイトル?」
綾子「本編で出たいんだよぉお!!殴るぞ!」
圭介「ではこんな部長に励ましのお便り待ってまーす」
綾子「同情するなら出番をくれ!」
圭介「感想お待ちしておりまーす」




