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からくり人形のテオ

掲載日:2026/02/21

今日も異世界恋愛は休憩させていただきます!最近多くてすみませぬ……!

明日は更新します!

「百年、待っていて欲しい。必ず会いに行くから」


 小さな村の外れ、木々に覆われた小屋の中でお婆さんは言いました。

 しわくちゃな顔に穏やかな笑みをたたえて、窓の外を見る目は昔の光景を見つめるように細められています。


「あの人はそう言って、先に天国へ行ってしまったわ」


 おばあさんは自分が座っている車椅子の後ろに立っていた青年へ振り向きました。

 青年はブランケットを広げるとおばあさんの膝に掛けてあげます。

 ありがとう、とはにかんだ彼女は青年の冷たい手を優しく握りました。


「もうすぐ、約束の日になってしまうわね。……テオ」


 おばあさんは青年の名前を呼びます。

 テオはおばあさんを見つめ返します。


「私との約束は覚えてくれている?」

「うん」


 テオの返事に満足そうに頷きを返したおばあさんは無邪気に微笑みました。


「一緒に冒険をしに行きましょうか」



***



 テオは小屋を出て村を歩きます。

 雪が降る冷たく寒い日でした。

 辺り一面真っ白な村の中を、厚着をした村の人たちが行き交っています。

 テオは村の中の小さな雑貨屋へ足を運びました。


「おお、テオ。こんにちは」

「こんにちは」

「今日は何が欲しいんだ?」

「これを全部」


 テオは事前に書いていたメモを雑貨屋のおじさんへ渡します。


「マッチに、ロープに、ナイフに……随分と大きな買い物じゃないか。遠出でもするのかい?」

「うん。山を登るんだ」


 テオは村のすぐ近くにどっしりと構える山を指します。

 遠目から見れば雪を被ったただの山にしか見えないようなそれはしかし、麓である村から見上げればとてつもなく大きな山だということがよくわかります。

 てっぺんが雲に呑まれて見えない程に、その山は高いのです。


 この山には大きさの他にもいくつかの秘密を抱えていました。

 まず、山の中の気候についてです。

 この山は季節を飼っていました。

 外見からはよくわかりませんが、中に足を踏み入れて頂上を目指し始めれば山の景色は春から夏、秋、そして冬へと変化していくのです。

 四季を全て持っている山を越えるには気温の変化に耐えなければならず、普通の人間であれば苦しい山登りになるでしょう。


 しかしこの山を登ろうとする者は何もテオが初めてではありませんでした。

 過去に何人もの人が登山を試みて、帰って来なくなっています。

 過酷なものになるとわかっていても、山の頂上を目指す人は不思議といなくなりません。

 それにはこの山が持つ二つ目の秘密、山のてっぺんの噂が関わっていました。

 年中雲で隠された山の頂上、そこには大きな湖があり、一人の女神様が住んでいるというのです。

 山から世界を見下ろしている女神様は、山登りという過酷な試練を乗り越え、尚且つ美しい心を持つ者へ願いを一つ叶えてくれるのです。


「お前さん本気なのかい?」


 おじさんは驚いてテオを見ます。


「これまで頂上を目指して戻って来た者はいないんだぞ。そりゃあお前は普通の子よりは随分頑丈だろうが、そうは言ってもね」


 おじさんはそう言いながらテオの背中に刺さった大きなゼンマイを見つめます。

 テオには普通の人とは違う所がありました。

 おばあさんや村の人たちが持たないゼンマイを持っていて、これが巻かれている間はいつまでも動くことができます。体だって、皆よりもずっと硬くて頑丈でした。

 しかし同時に、彼は皆が持っている温かさも、つなぎ目や球体を持たない滑らかな体も持っていませんでした。


「それに、例え頂上まで行ったって、女神様がお前の願いを聞いてくれるかはわからないぞ」


 テオは普通の人とは違います。村の人やおばあさんはテオを人として接してくれますが、たまに来る村の外の人はテオのことを人形として見ます。

 女神様がテオを人として見てくれるかは定かではありませんでした。


「でも、行ってみるよ」

「そうかい。ならこれ以上は止めないけどよ」


 そう言うとおじさんは渋い顔をしながら、メモ書きに書かれた品を用意してくれました。

 テオはお金を支払ってそれを受け取ります。


「さっきはああ言ったけどよ、お前ならきっと大丈夫だろうさ」


 おじさんはテオの頭を撫で回しました。


「お前がこの村に来た時は空っぽみたいな奴だったけどよ、今は俺らとなぁんにも変わってないように見える」


 だから大丈夫だ、とおじさんは励ましの言葉をテオへ投げました。

 テオは硬い表情のまま頭を下げました。


「ありがとう、おじさん」




 旅に必要な道具を買いそろえたテオは少しだけ歩幅を縮めて、ゆっくり歩きます。

 テオは初めて村を訪れた時のことを思い出します。

 見慣れない若者の姿を見た村の人たちはテオを見て迷子だと思ったのか、誰もが親切に接してくれました。


 しかしテオの背中についたおかしなゼンマイに気付くとすぐに、村の人たちは彼が普通ではないことを悟ります。

 けれど彼らは結果的に変わらず、家族や友人と接する時と同じように、テオへ温かいスープを与え、コートを着せて、村から外れた場所に住んでいると話せば野菜をいくつか分けてくれ、優しくしてくれました。


 当時のテオは何も知らず空っぽだったので、彼らの甲斐甲斐しい世話に対しても何も思いませんでした。

 そして小屋と村を往復し、村で過ごす時間が増えるにつれて、テオは少しずつ周りの人たちの真似を始めるようになりました。

 テオは人にならないといけませんでしたから、村の人たちと同じ動きをし、そうすることの合理性を考え、理解しようとしました。


 しかし時折、理屈では結論付けられない、難解で不可解な行動がありました。

 そして村の人たちを観察していく内、テオはそれ『感情』と呼ばれるものであると知ります。

 『感情』はテオにとって最も理解しがたい感覚でした。

 しかし彼が『感情』について問えば、村の人たちは何故か嬉しそうに自分たちの気持ちを語り始めました。そしてそんな彼らと接している内にテオは『羨ましい』と思い始めます。


 それが、彼が初めて得た『感情』でした。

 その後、テオが『感情』を持ち始めたことを知った、同居人のおばあさんは彼が興味を示したものについて親身になって教えてくれました。

 こうしてテオはおばあさんや村の人から沢山の『感情』を教えてもらい、普通に近づくことができたのです。




 雪を投げ合って遊ぶ子供たちのそばをテオは横切ります。


「あ、テオ!」

「もう帰るの?」


 すると子供たちはテオに気付いて駆け寄ってきました。


「うん」

「遊んでいかない?」

「楽しそうだけど、今日は遠慮しておくよ」

「えー! じゃあ明日は?」

「明日も難しいと思う。しばらく出掛けるから」

「どこ行くの?」

「あの山を登るんだ」


 テオが山を見上げれば、子供たちも釣られたように顔を上げます。

 山の噂は勿論、子供たちも知っていました。


「てっぺんに行くのか! すげぇ!」

「えー、でも危険だってお父さんが言っていたよ」

「上だけじゃないよ、下の方でも危険なんだって」

「ちょっと前も隣のおじさんが怖い魔女に命を吸われそうになったって」


 興奮と心配の入り混じった視線がテオへ向けられます。

 場違いな感情ではあったかもしれませんが、テオは子供たちが自分を心配してくれていることが少し嬉しかったのです。


「危ないこともあるかもしれないけれど、行かないといけないから」

「そっか……」


 不安そうな顔をしていた女の子が肩を落としました。そして彼女は心配と寂しさを紛らわせるように無言でテオに抱きつくと、ふと思い出したようにポケットを探り始めました。


「これ、あげる」


 女の子は玩具の指輪をテオへ差し出します。

しかしテオは首を横に振りました。おしゃれ好きなその子にとって、その指輪はとても価値がある物であると知っていたのです。


「もらえないよ。大事なものでしょう」

「お父さんがね、大切な人が遠くに行く時には素敵な贈り物をして見送ってあげるんだよって言ってたの。だからあげる」


 テオは自分に向けられた『大切な人』という言葉がとても嬉しいと思いました。だから彼女の申し出を受けて、宝物の指輪をもらうことにしました。


「ありがとう」

「気を付けてね」

「いってらっしゃい!」


 テオは元気いっぱいに手を振る子供たちに見送られながら、村を後にしました。




「おかえりなさい」


 テオが小屋へ戻ると、おばあさんは車椅子のまま暖炉前で暖を取っていました。


「ただいま」

「お買い物はできた?」

「うん。支度をするよ」


 テオは大きなリュックサックに道具を詰め込みます。

 そして次におばあさんに分厚いコートを着せてあげ、最後に壁に立てかけてあった大きな杖を彼女へ持たせてあげます。


「冒険だなんて久しぶりだわ」

「僕は初めてだよ」

「わくわくするでしょう?」

「……そうだね」


 子供のように目を輝かせるおばあさんにテオは相槌を打ちます。

 そして忘れ物がないことを確認すると、おばあさんと共に小屋を離れました。




 テオとおばあさんは無数の木々の中を進んで行きます。

 緩やかな上り坂を登っていると、麦わら帽子を被った二人のおじさんとすれ違います。


「おお、テオ」

「先へ進むのかい。あんまり奥へ行くと危険だぞ」


 二人は木こりの兄弟です。

 この山は危険な山と呼ばれていますが、冬を越すには火を起こす為の木が必要です。

 二人の木こりはできるだけ麓に近い場所で木を切って、村の人たちに分け与えているのです。

 この木こりたちのように、願いを叶えようとする人以外にも、村の為に危険を顧みず山で働く村人は少なからずいます。

 テオはそんな大人たちを尊敬していました。


「こんにちは、おじさんたち」

「こんにちは。そちらのおばあさんは?」

「見ない顔だね」

「僕のお母さんだよ」

「ああ! あなたが」


 おじさんたちは笑顔になります。

 人間そっくりの人形を作れる人など世界中を探しても数える程しかいないでしょう。

 そんなおばあさんに尊敬のまなざしが向けられ、テオは少し誇らしい気持ちになりました。


「いつもテオは村で仕事を手伝ってくれるんですよ」

「まあ。立派ね」

「皆、テオが大好きなんですよ」


 テオの表情は相変わらず硬いままですが、彼は頬を赤らめる代わりに静かに俯きました。


「ところで、二人はどうして山を登っているんだ?」

「てっぺんに行くんだ」


 おじさんたちは互いに顔を見合わせます。

 二人は険しい顔をしましたが、テオが持っている大荷物を見て、彼が本気であると理解しました。


「……そうかい。気を付けるんだよ」

「うん。ありがとう」

「それじゃあ、これはお前に貸してやろう」


 おじさんの一人は、自分が被っていた帽子をテオの頭に乗せます。

 帽子を被っていた場所では髪の少ない頭が姿を見せていました。


「おじさんの分が無くなってしまうよ」


 テオが言うと、おじさんはガハハと豪快に笑います。


「どうせ麓はずっと冬さ」

「オレたちが年中帽子を被っているのは薄くなった髪を隠す為だからな」


 冗談めかしに言ったのはまだ帽子を被っていた方のおじさんです。彼もまた、自分の帽子を外すとおばあさんの頭に乗せました。


「帰ってきたら、どんな願い事をしたのか教えてくれよ」

「……うん。ありがとう」


 テオとおばあさんはおじさんたちと別れて先を進みます。

 しかし数分進んだ先で、今度は山菜をいっぱいに詰め込んだ籠を背負うおばさんに会います。

 おばさんはテオを見つけると目を丸くしました。


「おや、テオ」

「こんにちは、おばさん」

「季節外れの帽子を被って、一体何処へ行くの?」

「山のてっぺんに行くんだ」


 おばさんは少しだけ心配そうな顔をしましたが、すぐに優しく微笑んでくれました。


「きっと、大切なお願い事があるのね」


 そういうと、大きな葉っぱで包んだ草団子を懐から取り出し、テオへ持たせました。


「長旅ではお腹が空くでしょう。そちらのおばあさんと仲良く食べて頂戴ね」

「あらあら。ありがとうございます」

「ありがとう、おばさん」

「いいのよ。こうして親切にするのはね、あなたがいい子だからなの。いいことが返ってきているだけなのよ」


 テオは少し前、怪我をしたおばさんの子供を助けてあげたことがありました。

 その他にも、おつかいや掃除なんかのお手伝いもしたことがあります。


「……うん。ありがとう」


 おばさんの言葉で、テオは何だか胸が温かくなるような心地になり、もう一度テオはお礼を言います。

 にっこりと微笑みながら見送ってくれるおばさんに別れを告げ、テオとおばあさんは更に先を目指します。

 そこからしばらく進んで行くと、山の斜面が少し急になってきました。

 テオは一生懸命車椅子を押します。

 すると、坂の上から声が掛かりました。


「おおい、テオ」


 坂を下りて来たのは、村でも力持ちで有名なお兄さんです。

 お兄さんはテオが車椅子を押していることに気が付くと、彼の隣に並んで手伝ってくれました。

 おかげで平たくなった地面まで辿り着いたテオはお兄さんにお礼を言います。


「ありがとう」

「いいってことよ。でも、なんたってこんな所まで来たんだ? この先は春の山に入っちまうぞ」


 お兄さんは山で迷子になったり、危険な目に遭ったりした人を助ける、大切なお仕事をしています。

 てっぺんを目指さない村人の中で、最も山の奥にいる人なのです。


「てっぺんに行くんだ」


 テオが言うとお兄さんは目を見開きました。

 そしてテオとおばあさんを交互に見やると何かに納得した様に頷きます。


「そうか。気を付けるんだぞ」

「うん」

「これ、持って行きな」


 お兄さんは身に付けていたマフラーをテオの首に巻き付けました。


「そっちのおばあさんは暖かい格好をしているけど、お前は少し薄着じゃないか? いくら体が頑丈だからって、自分のことを大事にしないのは良くない」

「ありがとう」

「どういたしまして。いいか、お前が怪我をしたら悲しむ人がいるってことを忘れちゃいけないぞ」

「うん。わかったよ」


 お兄さんは一歩引いてテオとおばあさんを見て、「何だか、ちぐはぐだな」と笑いました。

 マフラーや厚手のコートを身に付けている癖に、頭には麦わら帽子が乗っているのです。

 二つの季節を抱え込んだような姿は、お兄さんが言う通り、確かにちぐはぐでした。


「いってらっしゃい」

「いってきます」


 テオが車椅子を押し始めたのを見て、お兄さんは声を掛けます。

 それに言葉を返してからテオは前へ向き直りました。

 遠ざかるテオとおばあさんの背中が見えなくなるまで、お兄さんは二人をじっと見守っていました。




 山の中を進んで行くと、地面を覆っていた雪がどんどん薄くなっていき、やがて緑の草が生い茂る地面が現れました。

 気温もコートやマフラーが必要ないほどに温かくなり、また日差しも浴びるくらいでちょうどいい心地良さです。

 テオは二人分のコートやマフラーそして麦わら帽子をリュックサックに詰め込み、おばあさんと一緒に麗らかな春の山を楽しみます。


 春の山をしばらく進んだ先で、二人は開けた場所に出ます。

 無数の花が咲き乱れる花畑と、それを囲む桜の木々。

 温かな風に揺られた花は雪のように花弁を舞わせ、甘い香りを二人のもとまで運びました。


「懐かしいわ」


 おばあさんは嬉しそうに目を細めます。


「昔ね、あの人ともお花畑でピクニックをしたのよ。あの日も春だった」


 おばあさんが喜んでいる姿を見て嬉しくなったテオは「少し休憩しよう」と提案をします。

 テオはおばあさんを花畑の真ん中に座らせてから、その隣に腰を下ろします。


「綺麗ね」

「うん」


 二人はしばらくの間、色とりどりの花や青い空を眺め、甘い香りを感じ、どこからともなく聞こえる小鳥のさえずりや川のせせらぎに耳を傾けます。

 そんな穏やかな時間に身を委ねながら、テオが幸福を感じていると、ふとおばあさんが自分の杖を振いました。

 すると周囲の花々が浮かび上がり、杖の先で一つの輪っかを作り出します。

 おばあさんはふよふよと宙に浮くそれを満足そうに見つめてから、今度はテオに向かって杖を振りました。

 花冠は宙を飛んで、テオの頭の上に収まります。


「似合っているわ、テオ」


 おばあさんは子供のように無邪気に笑いました。

 テオは頭に乗せられた花に優しく触れながら目を伏せます。

 嬉しくて恥ずかしくて、どうすればいいのかわからなくなってしまったのです。


「あの人ともね、こうして作り合いっこをしたのよ」

「僕も作ってみるよ」


 テオはおばあさんにお礼がしたくて、花冠を作り始めました。

 しかしどうにも上手くいきません。茎同士を絡め合わせてもすぐに散り散りになってしまいます。

テオは器用な方ではなかったのです。

 それを見たおばあさんは更に笑い出し、テオは居たたまれない気持ちになりました。

 そして花冠を作ることは諦めよう、と彼が決めたその時。ふと、ポケットに入れていた指輪のことを思い出します。


 村から小屋へ戻る途中に出会った女の子がくれた指輪です。

 それをポケットから取り出したテオはふと一つの案を浮かべます。

 彼は一輪の花を選ぶと、その茎を輪っか状に結び、おばあさんへ差し出しました。


「指輪?」

「うん。僕はあなたみたいに冠を作ることはできそうにないから、代わりに」


 テオはおばあさんの指に花の指輪をつけてあげました。


「大切な人が遠くに行く時には素敵な贈り物をして見送ってあげるんだって。僕はあなたのそばを離れる訳じゃないけど……贈り物をされるのも、大切だと言ってくれたのも嬉しかった。だから僕も、大切な人に同じことをしてあげたいと思ったよ」

「……そう」


 おばあさんは指輪のついた手を見つめて目元を和らげました。


「素敵なお友達がいたのね」

「うん」


 やがて二人は更に先を目指して、花畑を後にしました。




 先へ進むにつれ、日光が二人を照り付けます。肌を焼くような暑さにおばあさんは汗を掻き始め、テオの体の表面の熱は火傷してしまいそうな程に上昇していました。

 テオはなるべく太陽を見ないように気を付けながら自分とおばあさんの頭にそれぞれ麦わら帽子を被せました。


「借りておいてよかったね」

「そうね」


 人よりも強い日差しに耐えることができるテオですが、彼の瞳はレンズでできていました。その為、強すぎる光は瞳の奥で火を起こしてしまう可能性があります。

 麦わら帽子はおばあさんだけではなくテオにとっても有用な借りものでした。

 テオはできるだけ速足で進みます。

 暑すぎる場所はおばあさんの体に響きます。その為早く夏の山を越えようと考えたのです。


 しかし辿っていた道は途中で途切れてしまいました。

 海です。先が見えないような広々とした海がそこには広がっていました。

 そして道と海の境界には「これに乗って」とでも言いたげにボートが止まっています。


 先へ進むには海を越えなければなりません。しかしテオは悩んでしまいました。

 おばあさんの車椅子は、ボートに乗せるには重すぎると感じたのです。


 しかし海を越えた先からてっぺんまでおばあさんを抱いたまま無事に辿り着く自信がテオにはありません。何より、大好きなおばあさんに不自由な思いをして欲しくなかったのです。

 そんなテオの考えに気が付いたのか、おばあさんは振り返って声を掛けます。


「大丈夫よ、テオ」


 そう言って、おばあさんは杖を一振りしました。


「ほら、先に進みましょう」

「でも」

「平気よ。入ればわかるわ」


 テオは戸惑いましたが、おばあさんに促され、車椅子を押したまま海へ入る決意をします。

 最初におばあさんの足が海に浸かりました。そして遅れてテオの足も海水の中へ。

 テオはそこで気が付きます。涼しさは感じるけれども、水に濡れる感触が一切ないのです。

 不思議そうに目を瞬かせたテオは、これならば海の中を歩けるかもと思い至り、進む速度を上げていきます。

 二人の腰が、肩が、そして頭が。

 海水の中にすっぽりと浸かりました。


「綺麗ねぇ」


 しかし海の中だというのに、おばあさんの声が鮮明に聞こえました。

 息もできているようです。

 水の中という涼しさもあり、おばあさんは気持ちが良さそうでした。


 おばあさんの無事に安堵したテオは遅れて辺りを見回します。

 頭上から差し込む日光が海水の天井を通り抜けて、カーテンのようにゆらゆらと揺れています。

 辺りには大小さまざまな魚が行き来し、至るところでは泡がぽこぽこと天へ向かって登っていきます。

 拡散する光に反射した海の底は、空間そのものが宝石箱の様な、神秘的な美しさを持っていました。


「……すごい」

「すごいでしょう。昔はこうやって海の中も探検したのよ。勿論あの人とね」

「素敵だね」


 おばあさんは得意げにしてみせました。

 テオは地上を進む時とは打って変わって、辺りの景色を楽しむようにゆっくりと歩みを進めました。

 海草のパーテーションの隙間を縫って進み、サンゴでできた自然の洞窟を潜り抜ける。

 魚とうっかりぶつかった時、テオは思わず声を上げてしまいました。

 その様子を見ておばあさんは大きな声で笑いました。


「木こりってすごいね」


 探検の途中、テオは言います。


「寒い冬の日も、さっきみたいな暑い夏の日も、ずっと斧を振っているんだ。村の皆の為に」

「そうなのね」

「僕も、あんな風になりたいと思ったよ」


 テオは自分が被る麦わら帽子に触れます。

 優しい木こりの兄弟の姿が、彼の頭の中でよぎりました。


「もうなっているでしょう? 私の為に働いてくれているわ。あなたももう、すっかり『人』ね。嬉しいわ」

「……うん。でもね」


 テオは何かを言いかけます。

 しかしその声は丁度、おばあさんの声と被ってしまいました。


「また海を探検しようって、約束していたの」


 おばあさんはどこか遠くを見つめていました。


「あの人と」


 その口元には微笑みがたたえられていましたが、その瞳はどこか寂しそうに揺れています。


「……約束を破ったことはなかったのよ」


 その問い掛けにテオは何も言えず、口を閉ざしてしまいました。




 海底が上り坂となり、地上が近づいてきた頃。テオは名残惜しさを感じていました。

 歩みがのろのろと遅くなっていくテオの様子に、おばあさんはまた笑いました。

 地上へ上がると、乾いた風が二人の肌を撫でます。


 視界いっぱいに広がるのは赤と黄に染まった葉っぱたち。

 美しい紅葉の景色がそこには広がっていました。

 またいつの間にか空は暗くなっていて、真ん丸なお月様がテオとおばあさんを見下ろしていました。


「ベンチがある。……誰かが作ったのかな」


 丁度空を見上げることができる空間に、小さな切り株が数個と、切り落とされた木で作ったのだろうベンチが置かれていた。


「きっとそうね」

「これだけ綺麗な景色だと、足を止めてのんびりしたくなるのも仕方ないよね」


 そう言いながら、テオはふとおばさんから貰った草団子のことを思い出します。

 そして丁度その時、おばあさんのお腹から可愛い鳴き声が聞こえました。


「あら」

「お団子があるよ」

「お月見? 素敵ね」


 テオはおばあさんをベンチに座らせてから、その隣に腰を下ろします。

 そして膝の上に草団子を広げると、その半分をおばあさんの掌に転がしました。

 深い藍色の空に散りばめられた、金平糖の様な星々と、その中央に浮かぶお月様。

 その淡い光に照らされて淡く光る紅葉やイチョウが見せる景色は、とても幻想的でした。


「美味しいわね」

「うん」


 テオは団子を食べながら村での生活を思い出していました。


「僕はご飯を食べなくても生きていけるけど、ご飯を食べるのは好きだよ」

「そうね。あなたは美味しそうに食べるわ」

「味もだけれど、誰と食べているか、どこで食べているか……きっと、その時の景色や気持ちも合わさって、味って生まれるんだよね」

「そうかもしれないわね」


 テオは料理を食べるのも、振る舞うのも好きでした。

 美味しいものを食べて嬉しい気持ちになることが好きだったし、大切な人の喜びを願って作ることも、それを喜んでくれることも好きだったのです。

 村の人と食べたご飯、そしておばあさんと食べたご飯。それらを思い浮かべながらテオは自分の分の草団子を食べ終わりました。


「……お月見もしたわ」


 おばあさんは最後のお団子を残し、お月様を見上げていました。

 テオにとってお月見は楽しい行事です。

 しかしこの時のおばあさんは、いつものような笑顔ではありませんでした。


「咳が酷くてのみ込めそうになかったから、お団子は私だけで食べたの」


 テオは静かに視線を落としました。




 冬の山は厚着をしていても凍えてしまう程でした。

 おばあさんに暖かい格好をさせたテオは夜を越す為にかまくらを作り始めます。

 テオの体は頑丈ですから、凍え死ぬようなことはありません。

 しかし、コートで隠し切れていなかった首の関節に冷たい風や雪が入り込み、関節の動きをよくする為の潤滑油が固まり始めていました。

 このままでは動けなくなってしまうかもしれないと焦るテオでしたが、そこでお兄さんから貰ったマフラーのことを思い出します。


 テオは預かったマフラーを自分の首に巻きます。お陰で首が動かなくなることを避けられます。

 テオは大きなかまくらを作り、おばあさんと一緒に中へ入りました。

 おばあさんは杖を一振りして、かまくらの真ん中に火を灯してくれます。

 二人はそれで暖を取りながら一晩をやり過ごします。


「かまくらって不思議だね。雪でできているのに、中は暖かいんだ」


 普段ならテオの言葉に優しく相槌を打ってくれるおばあさんですが、この時は短い言葉一つすら返されませんでした。


「ある冬の夜」


 代わりにぽつりと、おばあさんは呟きます。


「あの人は長い眠りに就いたわ」


 かまくらの入口の外では和らいだ風に煽られる雪がしんしんと降り積もっています。

 静寂の中、おばあさんの呟きだけがやけに大きく響いていました。


「誠実で、素直で、優しい人だった。嘘は一つだって吐かなかったわ」


 テオは火に視線を落としながらおばあさんの話に耳を傾けています。


「私たちは沢山冒険をしたり、遊んだりした。まだ、叶っていない約束だってあるわ」

「あの」


 おばあさんの話を聞きながらある考えがよぎったテオは彼女の話の途中で口を開きました。

 しかしおばあさんはそんな彼を目の隅で捉えながらも自分の話を続けます。


「あの人は約束を破ったりする人じゃない。だから待っていたら……いつかきっと帰って来るの」


 テオは自分を作ってくれたおばあさんが世界で一番大好きでした。

 だから、自分が何かを言うことで、寂しそうにそう話すおばあさんを余計に悲しませてしまうのではないかと思うと、やはり何も言えなくなってしまいました。


「だからお願いね、テオ」


 おばあさんはテオにそう声を投げました。




 朝がやって来ました。

 風と雪の勢いはすっかり失われ、テオとおばあさんは晴れた空の上を進みます。


 やがて凍えるような寒さは消え、青い芝生の上を二人は進むことになりました。

 途中で辺りが霧のようなものに包まれますが、それはきっと麓から山を見上げる時にいつも見えていた、てっぺんを隠す雲だったのでしょう。


 テオは視界の悪い霧の中、構わず車椅子を押して進みます。

 すると突然霧は晴れ、眩い光に包まれます。

 目が光に慣れ、辺りの様子がわかるようになった頃。テオは周囲を見回しました。


 野花が咲く原っぱが辺り一面に広がり、その中央には透き通った湖がありました。

 空を見上げればどこまでも広がる青色がテオとおばあさんを見下ろしています。

 手を伸ばせば届いてしまいそうだ、とテオは思いました。


「テオ。あそこへ連れて行ってちょうだい」

「うん」


 おばあさんは湖を指します。

 テオは頷くと車椅子を押して湖へと近づきました。

 二人が湖までやって来た、その時です。

 湖が淡く光り出しました。

 光は驚くテオの前に集まり、一人の美しい女の人へと姿を変えました。


「ごきげんよう。よくここまで辿り着きましたね」

「こんにちは。あなたが女神様?」


 テオは女の人へ問いました。


「はい」


 女の人は頷きます。

 おばあさんはそれを確認すると、女神様に深く頭を下げました。


「お初にお目にかかります、女神様。どうか、私のお願い事を聞いてくださいませんか」


 女神様は美しい微笑みを浮かべておばあさんを見つめます。

 しかし少しすると彼女は困ったように眉を下げました。


「ごめんなさい。あなたのお願い事を叶えることはできません」

「そうですか」


 お願い事を断られても、おばあさんは落ち込んだ様子を見せませんでした。まるで、女神様の答えがわかっていたようです。

 代わりに微笑みを返してから、テオを見やります。


「では、彼でしたらどうですか」

「彼は……不思議な子ですね」

「人の体はありませんが、体以外は人と変わらないはずです」


 女神様は自分をどう見るだろうと、テオは疑問に思いながら二人の会話を聞いていました。

 女神様は興味深そうにテオを観察すると、満足したように深く頷いてみせました。


「そうですね。彼は人間です」


 テオは、女神様が自分を人だと認めてくれたことをとても嬉しく感じました。

 しかしその気持ちはすぐに萎んでいきます。


「さぁ、あなたの願いをお聞かせください」


 女神様がそう言おうとも、テオは中々答えられずにいました。

 願いがなかった訳ではありません。もし、自分の話す願い事を女神様が聞いてくれるのならばと用意していた言葉もありました。

 しかし彼は口を開いたまま、言葉を紡げずにいました。


「テオ? どうしたの?」


 不思議に思ったおばあさんが、テオに声を掛けます。

 テオは何も答えません。自分へ振り返るおばあさんの顔を見ることもできません。


「お願い事を忘れてしまったの?」


 テオは何とか首を横に振ります。

 おばあさんは優しく諭すように、更に声を掛けました。


「あなたを作った時に言ったでしょう? あなたを『人』にしたのは、この日の為なのよ」


 そうです。テオは意識を持ったその時から、『人にならなければいけない』という役目を与えられていました。

 だから村の人と仲良くなり、沢山の感情を知りました。

 全てはおばあさんの期待に応える為です。

自分を作ってくれた母であるおばあさん。テオにとって彼女は世界で一番大切な人でしたから。

そして何故、おばあさんがテオに『人になること』を求めたのか。その理由もテオは知っています。


「私の願い事を叶えてくれるのでしょう?」


 おばあさんは女神様が自分の願い事を叶えてくれないことを知っていました。

 女神様は美しい心を持つ者へ願いを一つ叶えてくれます。

 おばあさんは、自分が美しい心の持ち主でないことを知っていたのです。


「私のこと、嫌い?」

「そんな訳ない!」


 テオは生まれて初めて、声を荒げました。

 おばあさんは満足そうに笑みを深めます。


「このままだと、私はもう長くないわ。あの人を待つことも……あなたと一緒にいることもできなくなってしまう。だから、お願いよテオ」


 テオは知っています。

 この後おばあさんが言うだろう言葉を。

 だから彼は大きく顔を歪めました。


「村の人たちの命を、私にちょうだい?」


 偉大な魔法使いのおばあさん。おばあさんは沢山の魔法を使えます。

 そしてその中には他の人の命を吸い取る魔法もありました。

 しかし足が悪いおばあさんは元気な村の人たちを捕まえることができません。

 だから女神様に手伝って貰おうと考えたのです。

 けれど女神様は自分の願いを聞いてくれない。


 だからおばあさんはテオを作りました。

 人と同じ生活をし、人の心を手に入れた人形に自分の願いを託そうとしたのです。


 お母さんの言うことは聞くものです。これは人形として生まれた時からテオが持っていた考えであり、また、村の人たちと関わることで更に強く思うことになった考えでした。

 しかし、テオはどうしても頷くことができません。


「テオ?」


 おばあさんがテオを呼びます。

 その声は優しかったけれど、どこかテオを急かしているようなものでもありました。

 テオの頭の中には数えきれない程の思い出がよぎります。


 おばあさんと過ごした小屋での日々。村の人に良くしてもらったこと、遊んだり、世間話をしたこと、感情を教えてもらったこと、そして山を登る自分を案じて贈り物をしてくれたこと。

 おばあさんと女神様に見つめられる中、やがてテオは声を絞り出します。


「……できない」


 おばあさんは驚いたように目を見開きました。

 テオは繰り返します。


「できないよ……」


 テオはレンズでできた瞳から、大粒の涙を流します。

 肩を震わせ、泣きじゃくりながらテオは首を横に振りました。


「やっぱり、嫌いになったの?」

「違う、そうじゃないよ」


 おばあさんの問い掛けをテオは否定します。


「あなたはこれまでだって、今だって、ずっと一番大切な人だよ。でも」


 テオはてっぺんへやって来るまでに自分たちを支えてくれた贈り物や、自分を励まし、見送ってくれた人たちを思い返します。


「二番目が、沢山できたんだ」


 テオにとっておばあさんは特別大切な人です。しかし、村の人たち全員もまた、テオにとってはかけがえのない存在でした。


「沢山感情を知って、色んな人に支えられて、よくわかったんだ。二番目だって、いっぱい合わされば、一番と同じくらい大切になる……簡単に、諦められなくなってしまうんだ」


 おばあさんは悲しそうに目を細めました。

 自分の言葉がおばあさんを悲しませているという事実はテオを苦しくさせました。けれどテオは懸命に、自分の思いを伝えます。


「おばあさんと別れてしまうのはとても悲しい。でも、村の人全員とお別れするのだって悲しくて、僕にとってはどっちも大切なんだ。だから、選べなくなってしまったんだ」


 ごめんなさい、とテオは震える声で言いました。

 おばあさんがどれだけ自分の願い事を話すように促そうとも、テオ本人が言葉にしなければ女神様は聞き入れてくれません。

 長い時間が空いてから、やがて。


「……そう」


 おばあさんは悲しみと諦めと、そしてほんの少しの喜びを滲ませて小さく呟きました。

 細められたその瞳は潤んでいました。


「あなたは私が思っていたよりも、ずっとずっと……『人』になっていたのね」


 おばあさんはそっと、生まれて初めて涙を見せたテオを抱き寄せました。

 テオの涙が収まるまで、二人はずっとそうしていました。

 そして気持ちが落ち着いた頃。テオは女神様へ振り返ります。


「女神様、お願い事をしてもいいですか」

「ええ。どんな願いでしょう」


 テオは涙に濡れた顔に優しい笑顔をたたえ、言いました。


「――大切な人たちが、平穏な生活を送れますように」




「僕、思うんだ」


 二人は来た道を辿り、麓へ下りていきます。

 車椅子を押しながら、テオはおばあさんへ声を掛けました。


「あなたの大切な人はきっと、あなたを思って嘘を吐いたんじゃないかって」


 人の心を理解したテオは知っています。嘘は必ずしも悪いものばかりではない――誰かを思って吐く嘘もあるのだと。

 冒険へ出る前、楽しみと言ったおばあさんへ返したテオの相槌こそ、まさにそれだったのだから。

 おばあさんが話した『あの人』だってきっと、自分のせいでおばあさんを悲しませたくなどなかったはずだとテオは思いました。


「長い時間生きることで、現れるかもしれない沢山の二番目に囲まれて……自分がいなくなった後も、幸せに生きて欲しかったんじゃないかなって」

「……そうだったのなら、素敵ね」


 そう返したおばあさんの声は少しだけ震えていて、頬からは雫が一粒流れ落ちていました。




 てっぺんから帰って来たテオとおばあさんを見て、村の人たちは大層喜びました。

 皆でパーティーを開き、テオやおばあさんは村の人たちに囲まれながら、山のてっぺんに辿り着くまでの冒険話を話しました。


 それから一ヶ月が経って、おばあさんは天国へ旅立ちました。

 けれどおばあさんは全然寂しくありませんでした。

 ベッドで横になるおばあさんの手を握り続けるテオ、そして小屋の中でぎゅうぎゅうに集まった村の人たちが見送ってくれましたから。


 おばあさんがいなくなってから、テオはとても悲しくて何度も泣きました。

 けれど、彼もまた、寂しくはありませんでした。

 村の人たちが寄り添ってくれたのです。




 テオは村の皆よりもとても長生きです。

 ですからおばあさんとのお別れのあとも、色んな人とお別れをしては悲しみ、新しい人との出会いに喜ぶことを繰り返しました。

 別れが訪れる度にテオはとても悲しくなりますが、それでも村の人たちと暮らすことをやめようとは思いませんでした。

 皆の楽しかった思い出がテオの心を温め続けてくれることを、『人』であるテオは良く知っていましたから。



***



 不思議な山があるといいます。

 その大きな山は、てっぺんが雲に覆われていて、四つの季節を持っているのだそうです。


 その麓には小さな村があります。

 世界のどこかにあるそこには、何百年と生きるからくり人形がいるのだという。


 普通の人とはちょっぴり違った、人形の体を持つ『人』。

 彼は新しい出会いの度に笑い、別れの度に泣き――いくつもの時代を超えて人を愛しながら、今も生き続けているのだそうです。

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