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可哀想なクール社長令嬢、俺にだけデレる顔がものすごく可愛い——ただ、君の思う100倍は愛が重いですが、大丈夫ですか?  作者: 仲村アオ


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第37話 寝取り野郎はお帰りください

 電話を切られた。

 彼女が参加している飲み会を尾行していたことを白状したら、無言の後に電話を切られた。


 せっかく数日前から同棲を始めて、幸せの絶頂だったのに、こんな嫉妬でダメにしてしまうなんて——愚かにも程がある。


「鬱だ、死にたい……」


 いや、その前に言い訳をさせてもらいたい。

 決して澄恋のことを疑っていたわけではない! むしろ澄恋が可愛くて純粋だからこそ、彼女をハメようとする輩がいるのではと心配しただけなのだ。



「って、言い訳でしかねぇか! すいません、お釣りはいらないのでお勘定お願いします!」


「ちょっと、お客さん!?」


 まだ遠くには行っていないはずだ! 急いで店を出て、澄恋達の姿を探した。

 この際、許してもらうためなら全力土下座でも何でもする……! 




 店を出て少し離れた場所で、三人の男に囲まれた澄恋を見つけた。手首を掴まれて困っている様子だった。



「いいじゃん、せっかくの親睦会なんだし、俺達もっと早瀬さんと仲良くなりたいんだよね」


「困ります……! 私、家に帰りたいのでスマホを返してください!」


「もう少し飲みに付き合ってくれたら返してやるって。大丈夫、他にも女の子いるし、友達も増えるよー? 早瀬さん、ボッチだから友達作りたかったんだろ?」



 アイツら……! 澄恋の気弱さにつけ込みやがって! スマホを奪って脅すって、普通に窃盗や脅迫で訴えられるだろ?


 しかもさっきの好青年くんも一緒になって脅している。もしかしたらさっきの仲裁も、全部仕組まれたものでは?


 本来なら殴って警察に突き出してやりたいところだが、今は穏便に済ませてやろう。ただし、こういった輩は後々もトラブルしか生まないから、きっちりと余罪を調べて、徹底的に潰してやるがな?



 ズカズカズカズカと距離を詰めて、思いっきり肩を組んで掴まえた。ビクッと震える男達と目が合った瞬間、ニッコリと笑ってやった。



「——どうもー、君達、澄恋の知り合い?」


「え、あの……? どなたですか?」


「澄恋の婚約者でーす。ところで、さっき澄恋から連絡をもらったんだけど、途中で通話が切れたんだよね。何でかなーって思ってたんだけど………ところで、何でアンタらがスマホ持ってんの?」



 必死に腕を振り解こうとしているが、逃すわけねぇだろうが、この野郎。まずはスマホを置いていけ。


「れ、蓮……! 私」


「大丈夫、事情はだいたい察したから。つーか、お前らさ……この飲み会って、本当に親睦会か? ヤリサーなんじゃねぇの? 女の子酔い潰して、写真撮って脅したりしてんじゃねぇよな?」


 ブンブンと顔を振って否定しているが、そんなこと信じられない。まぁ、元々信じる気はないが。



 逃げるように去っていく野郎達を見ながら、俺は震えながら縋る澄恋の背中を支えていた。


「蓮……きてくれてありがとう。蓮がいなかったらどうなっていたか」


 震える彼女の背を撫でながら、心の奥で小さく息を吐いた。


「いや、澄恋が無事で良かったよ。それより、本当にアイツらは澄恋と同じゼミの奴なのか?」


「ううん、知らない人が他の大学の人を連れてきたって言ってた。怖かった……」



 ますます計画的犯行かもしれない。

 お店にも情報提供を頼んで、しっかり余罪を洗うことに徹しよう。



 それよりも、今回は事前に塞げたからいいのだが、今後も同じような事案が起きた時にはどうすればいいのだろうか?


 この子を野放しにするの、おっかなくて恐いんだが!?


(真由にしろ、芹沢にしろ……澄恋のことをハメようとする奴ばかりだな。俺がしっかり守らないと……)



 こうなった以上、澄恋を守れるのは俺しかいない。いくら愛が重いと言われようが、ウザいと言われようが、俺は彼女を守るために激重い男になろう。


 とりあえずは涙目になった彼女を、慰めるように抱きしめた。



「……もう飲み会なんて行きたくない」


「いかなくていいよ。飲みは俺や凛達としたらいいじゃん」


「うん、そうする……」


 こうして俺は、NTRクソ野郎から愛する彼女を守ることができたのだった。





 そして俺は後日、佐久間に思いっきり嫌味を言ってやった。そりゃー思いっきり。これでもかって言うほど、嫌味を込めて。



「佐久間! テメェ、NTRはエロ動画か同人だけの出来事だって言ってたけど、もう少しで危なかったんだぞ!」


「え!? マジっすか! 澄恋ちゃん、寝取られ寸前だったんすか!?」


「この前の飲み会にヤリサー目的の連中がいたらしくて、二次会で酔いつぶされるところだったよ。まぁ、あの後、全部調べ尽くして警察に通報してやったけどな」



 澄恋は未遂で済んだが、奴らの悪業を見逃すわけにはいかないから当たり前の処置だ。


「……えぇー、マジであるんっスか、そんなの。最近の若者は恐ろしいッスね」


「でも、佐久間の彼女の寧も大学生だろう? 合コンに呼ばれたり、遊んだりしてんじゃねぇの?」


「アハハー、まっさか! 寧に限ってそんなことはないッスよ!」



 ——根拠のない自信……。

 佐久間、お前自身がナンパしたり、ガールズバーに行って遊んだりしてるくせに、どうして彼女はしてないと思えるのだろう。



「……意外と浮気や不倫してる奴、多いから気をつけろよ?」


「ハハっ! 元遊び人の音無先輩が言うと、説得力あるっスね!」



 ——後日、佐久間が合コンの飲み屋で彼女と偶然会って、修羅場になると……誰も予想していなかった。

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