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可哀想なクール社長令嬢、俺にだけデレる顔がものすごく可愛い——ただ、君の思う100倍は愛が重いですが、大丈夫ですか?  作者: 仲村アオ


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第21話 ホテルイン 【♡有】

 その後、湊人さんと凛は俺たちの為に席を設けてくれたのだが、澄恋の本音を聞いた俺は、それどころではなかった。


「悪い、いきなり来たくせに、ワガママなのは重々理解しているんだが」


 俺は玄関で立ち止まったまま、中に入れなかった。いや、入らなかった。


 彼女の手を握った手に力が篭る。俺は今、猛烈にホテルに行きたくて仕方がない……!



「用事を思い出したので、俺たちは帰ってもいいかな?」


「——え?」



 俺の言葉に「何言ってんだ、コイツ」と呆れた顔をされてしまった。

 うん、分かる。お前らの気持ちは痛いほど分かる……!


 でも察してくれ! 俺ももう限界なんだよ(色んな意味で)



「えー、用事があるのは音無くんだけでしょ? 澄恋ちゃんは私達が送っていくから、勝手に行ってもいいよ?」


「お前……っ! 俺一人じゃ意味ねぇだろ! 澄恋も一緒に帰るに決まってるだろ!」


「だって、澄恋ちゃん「蓮、突然どうしたんだろ?」って、不思議そうな顔してるよ? 良くも悪くも嘘がつけない子って可愛いよね♡」



 澄恋、察してくれ!

 だが、いくら彼女に訴えても、ニコッと笑うだけで何一つ伝わらなかった。


 そしてまたしても見兼ねた湊人さんが、苦笑を浮かべながら「わかったよ」と了承してくれた。



「音無達も色々とあるんだろ? 凛、お前だって気持ち分かるだろう?」


「えぇー、ヤだ。私は澄恋ちゃんともっと話したい。仲良くなりたい」


「けど、仕方ないんだよ。今は音無に恩を売っておけ。なぁ?」



「行け」と合図をする湊人さんに甘えて、俺は澄恋の手を引っ張って玄関を後にした。本当にありがたい……今度、倍にしてお礼をしなければ。


 足早に過ぎていく共通路。意味が分からないまま引っ張られていく澄恋が不安そうな顔で俺を見ている。


「急にどうしたの? え、何で? もしかして私……何か失敗した?」


 不安を帯びた言葉に、俺は違うと振り返ったが、その怯えた顔ですら色気を漂わせていて堪らなかった。



「無理、俺……っ、澄恋のことになると冷静じゃいられなくなるみたいなんだ」


 エレベータのボタンを押したと同時に、俺は壁に押し倒すように彼女を抱きしめた。逃げ場を失った彼女は、ただただ俺の重さを受け止めるしかなかった。



「れ、蓮……?」


「今すぐ澄恋のことを抱き締めたくて仕方なかった。好きだ、好きなんだ」



 こんな衝動、初めてだった。友人達との時間よりも、人からの批判も評価も関係なく、ただ素直に彼女を愛でたくて仕方なかった。


 彼女の熱が頰から伝わる。

 少し荒くなった呼吸も、背中に回された指も全部、俺のことを拒むことなく受け入れていくれている、そんな風に思えた。



「——私も好き。蓮に必要とされるの、すごく嬉しい」



 それから俺達は、近くのホテルにチェックインして、部屋に入るなり唇を重ねて深く交わった。

 力いっぱいに抱き締めて、弄って、指を滑らせて。


「んっ、恥ずかしい……っ、こんなところで」


 彼女なりの抵抗かもしれないが、今の俺には逆効果だ。その恥じらいですら、興奮材料にしかならない。


「もう、諦めろって。鍵を閉めた時点で手遅れ」


 ペロっと、彼女の唇を舐めて、首元に顔を埋めた。澄恋の芳ばしい汗の匂いが鼻腔を刺激する。好きな匂いだ……もっと嗅ぎたい。


「んっ、あ……っ、だめ……!」


 ワンピースの裾を持ち上げて、強引に脱がせようとしたが、流石にそれは許してもらえなかった。だから代わりにボタンを外して、胸元の谷間を露わにした。背徳的なエロスが俺を誘っている。


 耳まで赤くなった顔でキョロキョロと目を泳がせて、エッチなことに慣れていない澄恋ちゃん、可愛くて堪らない。


 必死に閉じようとしている股の間に膝を入れ込んで、グイグイと刺激する。



「んン、ヤダ……っ!」


「ダメだよ、そんなさ。気持ちいいことは気持ちいいで、素直な声を聞かせろって、なぁ?」


「ヤダよ……、こんなの。いつもの蓮じゃない」



 怯えているけれど、期待も帯びた目色に俺はクラクラと目眩を覚えた。これって、どこまで計算? 最初から? それとも無自覚? もっとタチが悪い。


「ごめんな? 多分、俺も限界なんだ。優しくしたいって思う半分、澄恋のことをめちゃくちゃにしたい気持ちもあって……。いや、でも、乱暴なことはしない。それは約束する。でも、今はとにかく——……」



 彼女に、澄恋に愛されたことが嬉しくて、それを全身で感じたくて仕方なかった。



「エッチなこと、していい? 俺しか知らない澄恋を見たい」


「は、恥ずかしい……っ! だめ、私……」


「ダメって言われると、余計にしたくなる」



 俺は澄恋の身体を抱き上げて、ベッドに運んだ。白いシーツに沈む彼女に跨って、徐ろに服を脱ぎ捨てて上半身裸になった。



「あ、しまった。ゴム持ってきてねぇ」


 って、別にいっか。あるに越したことないけど、セックスだけじゃねぇし。

 今は目の前にいるこの子が、気持ちよさそうによがっている顔さえ見れれば、それでいい。



「れ、蓮……、ちょっと恐い」


「えー? 俺は大好きだよ、澄恋ちゃん」


 頑なに閉じられた唇にキスをした。

 うん、こんなキスも嫌いじゃない。

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