第17話 幸せな朝 【♡♡有】
土曜日の朝。寝返りを打とうと腕を動かした瞬間、二の腕に乗った重みを感じて目を覚ました。
俺の方を見て、身体を丸めて眠る愛しい彼女。
「……そっか、俺達とうとう」
——やってはいないけど、《《実質》》ヤッたようなものだ。先っぽは挿れたからマーキングは完了だ、うん。
昨日の彼女の反応を思い出しては、顔がニヤけてしまう。恥じらう姿も、気持ちよさそうに蕩ける顔も全部可愛かった。
なんなら安らかな寝息を立てて、俺のシャツと下着を脱ぎ捨てたまま、無防備に眠っている姿も可愛い。いや、可愛いというか、エロい。
(……裸で寝るなんて反則だろ)
柔らかそうな胸が布団からはみ出して、ふわりと揺れているのを見た瞬間、下半身が熱くなった。
昨夜は最後までできなかったが、目の前に広がる光景はあまりにも誘惑的で——気づけば俺の手は、澄恋の乳房に吸い寄せられていた。
「……っ、やっぱり最高」
指で優しく形を確かめるように突っついてから、掌でゆっくり揉んだ。むにゅっと弾力が返ってきて、思わず喉が鳴った。
ぷっくり立った突起を口に含むと、熟睡していた澄恋の唇から小さな吐息が漏れた。
「ん……っ……」
あまりにも反応が可愛すぎて、さらに強く吸い付いてしまった。
その瞬間、澄恋が目を覚まし、大きく瞳を開いた。
「っ……れ、蓮!? な、何して……!」
驚いて体を隠そうとする彼女を押し留めて、俺は必死に訴えた。
「ごめん……。でも、好きすぎて我慢できなかった」
赤裸々な言葉に、澄恋の頬はみるみる真っ赤に染まっていく。
「も、もう……っ、朝からそんな……」
「だって、澄恋が可愛いんだから仕方ない。大好きで、触れてないと落ち着かない」
震える声でそう告げると、澄恋は唇を噛んでから、小さく頷いた。
「れ、蓮がそう言うなら……。恥ずかしいけど、好きだから……許します」
その答えが嬉しくて、俺はもう一度彼女を抱き締め、胸に頬を擦り寄せた。
「ありがとう。澄恋の全部、大事にするから」
朝の光に包まれながら、俺は彼女の甘い吐息を胸いっぱいに堪能していた。
だが、朝の余韻に包まれながらも、澄恋が何かを思い出したかのように、ハッと目を見開いた。
「……あ。今日、大学に行かなきゃいけなかったんだ……!」
慌ててベッドから飛び起き、散らかった服を拾い集める澄恋。その姿があまりにも可愛くて、俺は思わず笑ってしまった。
「大丈夫か? 送っていくよ」
「……ごめんね、蓮。せっかくの休みなのに」
「澄恋と一緒なら休みの意味あるし」
俺も支度をして、澄恋を乗せて車を出した。ここが澄恋が通っている大学なのかと興味が湧いたが、それ以上に集まる視線。
大学の門をくぐった瞬間、澄恋の姿に数人の男子学生がざわついた。
「なぁ、あの子見た? 最近よく来てる子だろ」
「うん、めっちゃ美人。クール系って感じでさ、モデルっぽくね?」
「声かけたいけど……なんか近寄りづらい雰囲気あるよな」
そんな会話が耳に飛び込んできて、俺は足を止めた。
視線の先では、涼しげな顔で歩く澄恋。彼女は噂なんて気づいてないようで、真面目に資料を確認している。
(……男ども、勝手に見てんじゃねぇよ)
胸の奥でメラッとした感情が燃え上がる。
気づけば、俺は澄恋の手をぐっと掴んでいた。
「……っ、蓮!? ここで手なんて……!」
「いいから」
がっちりと恋人繋ぎにして、わざと見えるように腕を引き寄せる。
周囲の男子たちの視線がこちらに集中するのを、俺は無視した。
さらに澄恋の耳元に顔を近づけ、低い声で囁く。
「澄恋は俺のだから。誰にも渡さない」
「……っ、も、もう……」
真っ赤になった澄恋が小さく震える。けれど、繋いだ手を離すことはしなかった。
(これでいい。澄恋を見ていいのは、俺だけだ)
澄恋にはバレないようにベェーっと舌を出して、俺は男らを威嚇した。




