有能な将軍
軍隊が行進をしている。軍楽隊が軍歌を流し、その音に乗せてパレードが行われていた。
そのパレードには多くの軍人と兵器が参加していて、大量に予算が使われていることは一目で誰もがわかった。
しかし、それをみる観客はまばらだった。
カツ大将は最も若い将官、オズ少将を呼び寄せて尋ねた。
「なぜ人が少ないのだと思う?」
「軍歌が古臭いんじゃないんですか? もっと流行りに乗って、口ずさめるようなものがいいですよ」
「なるほどな。一理ある」
カツ将軍は納得して、作曲家によい曲を作らせた。
入隊者は年々上昇して、安定するようになった。パレードに来る観客の数も増えている。
しばらくしてオズは少将から大将になっていた。
オズは中将の頃と同じように宣伝についてを大切にしていたが、悩みができた。
「入隊者も観客も下がり始めているな」
やがて、パレードの観客はまばらになってしまった。
自分が昔やったことが通用しないので、オズはカツ大将の真似をして若い将校を呼んだ。
「なぜ人が少ないと思う?」
「軍歌が古臭いんじゃないんですか?」